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第6回ネーム大賞 Bチーム・
テキスト講評発表

Bチーム・テキスト講評(編集者・吉田円 漫画家・佐藤智美)

※1次審査Bチームのテキスト講評を発表します。サムネイルをクリックすると作品ページへ飛びます。
  • 風邪

    No.051

    風邪 8P

    なかつき ほづみ

    【吉田円】

    キャラクターに興味を持つ前にネーム劇になってしまっていて、引き付けられる要素に欠けていました。 こういうネームはキャラの魅力をなるべく早く読者に示せた方が良いと思います。

    【佐藤智美】

    ショート…な作品。
    寒い日に乾布摩擦を決行した2人の男。 そのせいで翌日2人の内の1人が風邪をひいたことから、”謎の風邪のキャッチボール"が始まってしまい…。
    ショート作品であるはずなのに少し長く感じられました。原因としては、おそらく"会話劇のみ"で進行している為なのかもしれません。
    絵柄的にもお話的にも具体的なオチが見えづらいのが少し残念でしたね。この内容であれば4ページぐらいで十分なのかもしれません。
    ただこの作者さんは着眼点と台詞のセンスはすごくある方なので、この2人の人物の シリーズで4ページくらいのものをたくさん書いてみると良いのではないでしょうか?

  • 8P漫画:お題「墓」

    No.052

    8P漫画:お題「墓」8P

    太田今

    【吉田円】

    掴みのインパクトはあるのですが、設定の特殊さを生かし切れていないように思いました。 結局、墓ではなくても成り立ってしまう話のように思います。

    【佐藤智美】

    世界観をもう少し…な作品。
    ある日玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けてみると…何とそこにいたの「墓」(墓石?)だった。
    8ページのショート作品。多分この最初の1ページを思いついて作品を描いたのかなと感じました。 通常家のチャイムが鳴って応対をした際、そこに人間ではなく「墓石」があればかなりの衝撃的な出来事かと思います。
    しかしこの作品の登場人物は別に何でもないような素振りなのが大変気になりましたね。 また「お墓」というのは一般的に先祖代々で入っているものなので、玄関のチャイムを鳴らし訪ねてきた墓石=(イコール)主人公の死んだ夫、と言うのは若干不思議な感じがします。
    この作品は作中内での物語の世界観の説明が不十分なのかもしれません。基本的に「良い話を描きたい」という意欲がこの作からは伝わってくるので、このままいろいろな話をたくさん描いていけば必然的にいい作品が書けるようになるのではないか…そう思いました。

  • ロボットはちゃ丸

    No.053

    ロボットはちゃ丸 12P

    #104

    【吉田円】

    ダイジェスト漫画を読まされている感じ。ネームも粗すぎるように思います。

    【佐藤智美】

    読み手を選ぶ…な作品。
    「ボクの家には23世紀から来たロボットが居る」と言うモノローグで始まる、
    保田家に居候するロボットはちゃ丸による、はちゃめちゃなストーリー。
     
    生活保護、レイシスト、右翼など…ネットやSNS等ではお馴染み(?)の単語が随所にちりばめられているなぁ〜…という印象です。
    “ブ ラックユーモア”を目指した作品かとおもいますが、上記のような単語や元ネタを知らないヒトが読んだ際、話はバッドエンドな上「よくわからない」という感 想を持たれてしまうかもしれません。“ブラックユーモア”的な作品を作るならもう少し多くの人に分かってもられるようなモノ、テーマを選ばれた方が良いか もしれませんね。

  • ギリセン

    No.054

    ギリセン 52P

    画老だると

    【吉田円】

    やりたいことが整理できていない印象です。 そのため、何を面白いと思って読んでいいかが分からないままページが進みました。もう少し読者の立場に立ってネームを作ってみて下さい。

    【佐藤智美】

    全体的に”抽象的"…な作品。
    多額の借金を抱える主人公がネットでお金になるというチャットサイトを探し出す事から始まる物語。
    チャット仲間の情報を便りに問題のチャットを探すうちに主人公にある一人の男が接触、その男は「ギリセン」と呼ばれるバトルチャットのURLを主人公に渡すのだった。
    福本◯行先生が描かれるようなような作品…ギャンブル&ゲームをテーマに人間の生き様や心理戦、そしてゲームに勝つ事で成長する主人公を描きだすことに挑戦している作品かと思われます。
    …が、バトルチャット「ギリセン」のゲームのルールから勝敗の定義までの設定がかなり抽象的。
    「ギ リセン」のゲーム自体をよく理解出来ていないままお話が進んでしまう為、主人公が勝っても敗しても読者側にカタルシスが何も産まれてこない状態を作ってし まっています。まずそもそも主人公の本名はなんと言うのでしょうか?5ページ目でチャット仲間が呼んでいる”ハンドルネーム”が彼の名前と思っていいので しょうか?主人公の設定からかなりモヤモヤしてしまっていますね。
     
    ゲーム内容についても「言葉を使っての戦闘(バトル)」という事なので、「一体どんな闘いなんだろう。”ディベート"っぽいのかな?
    SNSや某匿名掲示板の様なやり取りなのだろうか?またバトルの際には凄いカッコいい”台詞”が出てくるのかな?」という期待を持っていたのですが、実際のやり取りをみてみると学校の友達と言い合うくらいの悪口の応酬といったカンジで勿体ないと思いました。
    「新しいゲーム」を生み出すという事は、SF漫画を描く際に最も重要な"世界観の説明"くらいに大変気を使う部分かと思います。
    また読者に理解してもらう為のゲームのルール説明とそのデモンストレーションもきっちり行わねばなりません。
    漫画の登場人物同士の心理戦も大切ですが、漫画家と読者との心理戦も見逃してはならないのだと思います。
    ギャンブル&ゲームものという…漫画作品としてとても難しいジャンルに挑戦されていると思いますが、すべてのピースをしっかり組み立てれば美しく凄く面白いものになると思いますので、是非挑戦し続けて言って欲しいと思いました。

  • 憤怒の18

    No.055

    憤怒の18 22P

    山本章一

    【吉田円】

    同情できる出だして入ったが、ゾンビ映画の内容を見せたいのか、ゾンビ映画の中で必死にエロいポイントを探したいのかがどっちつかずになっていたように思います。 作品タイトルと入りからすると、もっと懸命にエロい妄想を掻き立てる(そこをエロく見るのは無理があるだろうというようなところも懸命にエロく妄想しようとして断念するような)シーンがあった方が、楽しめたように思います。

    【佐藤智美】


    無駄のない…な作品。

    18歳の誕生日を迎えた主人公はアダルトコーナーで悲願のDVDをレンタルする。しかし肝心のDVDの内容はアダルトどころかB級…いやC級感満載の”ゾンビモノ"のだった!!
    面白かったです。作品を見ている主人公を”狂言回し役"にし、映画作品にツッコミを入れまくるという……ラストは思わず主人公に共感してしまいました。「ホラー映画あるある」もしっかり盛り込んでありますね!!
    ページ数と内容もちょうどいいバランスで…「無駄のない」大変完成度の高い作品だと思いました。
    ただこの作品内に出てくる「DVDの続き」は大変気になりますが、この作品自体は「完成」&「完結」してしまっているので、読者の次なる欲求は「この作者の方の次回作を読みたい」となりそうです。
    「この話の続きをもっと読みたい」と思わせる作品を期待していますし、恐らくこの作者さんならその期待に応えてくれるのでは無いでしょうか?今後の作品が楽しみです。

  • 殺したい漫画家

    No.056

    殺したい漫画家 29P

    ERIERI

    【吉田円】

    支離滅裂感はあるものの、どうなるのか気になるキャラクター性は持っているように思います。

    【佐藤智美】

    思いも寄らない…な作品。

    とある弱小漫画出版社に一人の漫画家志望者が持ち込みにやってくる。全く面白くない漫画作品とは裏腹に、あまりにも尊大な態度を見せる漫画家志望者に対してはじめのうちは戸惑う編集者だったが…。
    物語構成で良く使われる「起承転結」で言う所の、「起」と「転」の部分が非常に上手く強烈な作品。思いも寄らないお話の展開で、ぐいぐいと読ませる魅力が有りますね。
    ただ肝心のラストがこじんまりと「良い話」系に纏まっているのが作品全体の印象を弱めてしまっているのかもしれません。
    この作品を「第一話目」として描いている訳ですし主人公のすべては出さずに「オレ様キャラ」は保ちつつ、お話の途中の「漫画で世界征服をする」と言っている部分をもう少し回収してあげるとよいのでは無いのでしょうか?
    更に面白くなる可能性を秘めた作品だと思います。

  • inside out

    No.057

    inside out 29P

    橋田龍征

    【吉田円】

    最初のカルメ焼きは結局何だったのでしょうか?

    【佐藤智美】

    強いて言えば推理モノ?……な作品。
    「カルメ焼きを作る」という言葉を最後に倒れる主人公の父親。父親は「エロ」に対して全くといっていいほどの免疫を無くしてしまっており、そのせいで鼻血を出し倒れたと言う。主人公は助手とともに父親の倒れた原因究明に乗り出す。
     
    正直に申し上げると「何がやりたいのか全く分からなかった」作品でした。強いて言えば「推理モノ」を作者さんはやりたかったのでしょうか??
    作品内でその後「カルメ焼きを作る」「エロに対して免疫がない」についてのフォローも特にありませんし、犯人らしき人物にたどり着くのも最短ルート、犯行動機(?)も極めて朧げです。
    「ギャグ」なら成立するのかとも考えましたが、ラストは「良い話風」と…尚更良く分からないバランスになってしまいました。
    この作者サンは物語を作る際に「お話」や「設定」を先に作り、「人物」を後乗せして描かれる事が多い為、こうなる傾向が有る様に思います。
    一度「人物」または「人物の感情の流れ」を中心にじっくり描いてみるといいのではないでしょうか?

  • メリンダのクッキー

    No.058

    メリンダのクッキー 32P

    ウヅハル

    【吉田円】

    テーマもしっかりとしており、最後のまとめ方もタイトルからの流れを汲んでいてよかったと思います。

    【佐藤智美】

    詩的なカンジ…な作品。
    自分の両親が愛をかわす行為を観てしまった、ごく普通の可愛らしい少女 メリンダ。 ある日「知りたい」という好奇心から"大人への扉"を自ら開けてしまうーーーー。 
    物 語は主人公の幼馴染・少年 ピーターの視点で描かれており、童話絵本のような「残酷さ」が有りつつも、”さらり”と読めてしまう不思議な魅力が有る作品でした。 ”さらり”の印象は恐らくラストシーンの描き方が関係しており、あくまでも視点は「少女メリンダ」ではなく「少年 ピーター」な為だと思いました。このままでも十分かとも思いますが、個人的には10年後のヒロインの登場シーン(人物の描き方&コマの大きさなど)のイン パクトの弱さ、そして作品タイトルの「クッキー」への繋げ方も唐突な感じが少し気になりましたね。
    物語の序盤…子どもの頃にメリンダが焼いたクッキーを少年に一度渡すシーンを入れるなど、「もう一工夫」した方がラストにしっかり繋がるのではないでしょうか。

  • おとなし

    No.059

    おとなし 22P

    haruka

    【吉田円】

    暗いテーマなのにネームの雰囲気が明るいのが良かった。もう少し、起承転結の転の部分がしっかりしているともっと良くなると思います。

    【佐藤智美】

    やりたい事は分かる…な作品。
    両親が自分の側から離れていったのをきっかけに”聴力"を失ってしまった主人公 太一。 現世のモノの音が聞こえない代わりに、太一は人ではないモノの音や声が聞こえる様になる。
    や りたい事は分かるのですが、基本的に「主人公には音がない」というシチュエーションが作品から全くと言っていいほど感じられないのが問題だと思いました。 モノローグ、物の怪達との会話が続くため、彼が聴覚を失っていることまたそれによって彼自身困っていることなどが極めて希薄。
    「別に聞こえなく ても大丈夫そう?」…というのが作品を読んだ率直な感想ですかね?  ただ絵柄が可愛らしく、基本的に良いお話を描こうとしている事はしっかりと伝わってきました。 上記の部分はこの作者さんの魅力であり、武器だと思います。 是非作者さんの"素敵な部分"を大切にして、このまま沢山作品を描いていって欲しいと思いました。

  • 自称宇宙人のおじさんの話

    No.060

    自称宇宙人のおじさんの話 32P

    ヒガワラナユタ

    【吉田円】

    出だしでしっかりと掴みをいれており、構成も考えられていたと思います。おじさんのキャラクター性に好感が持てるため、読後感も良かったです。

    【佐藤智美】


    自称宇宙人のおじさんの話
    最後が勿体ない…な作品。
    近所に住み着いた「自分は宇宙人」と言い張るおじさんと小学生の主人公との交流を描いた作品。
    良く「ありがちなテーマ」ではありましたが、大変読みやすく、しっかり描けているのが好印象でした。
    故にラストがとても”雑”に終わってしまったのが勿体ないと思いましたし、
    もう少し作者さんならではといった”独自性"とおじさんはなぜ変わらないのかをしっかり描ききって欲しいと思いました。
     
    ラストを修正する事で、更に面白くなる作品だと思います。

  • ゾンびびび

    No.061

    ゾンびびび 6P

    缶てん

    【吉田円】

    なぜ炊飯器とゾンビなのかと思って読んでいたらちゃんと話に組み込まれていて、最後にオチまでついていた点が好感が持てました。

    【佐藤智美】

    嫌いじゃない(笑)…な作品。
    ある日突然「ワタシ、炊飯器と結婚する」とゾンビ(娘)が宣言する。それを聞いたゾンビ(両親)は戸惑うばかりであったが……。
    うっかりすると笑ってしまいそうな作品でした。ただ終始「ゾンビである必要性は……あるの?」という疑問が脳裏をよぎります。
    テンポが良く読ませる力も十分有ると思いますので、もっと同じシリーズを描いてみて思う存分「”ゾンびびび”ワールド」を築き上げてみるのも良いのではないでしょうか?

  • アルタームンドゥス

    No.062

    アルタームンドゥス 32P

    だいろっく

    【吉田円】

    作品の世界観をつかむ前に話が荒唐無稽に進んでいった印象です。そのためバトルに発展するシーンなどに違和感がありました。

    【佐藤智美】

    SFな…作品。
    「彼女が生きていた世界が欲しい ただそれだけさ…」という冒頭で始まる物語。
    主人公の元に不思議な老女が突如現れ、主人公の友人と憧れの先輩が2人で会っている所に行こうと促される。色恋沙汰かと思いきや2人は命をかけた”決闘”
    をし始めて……。
    まだ漫画を描きなれていない印象を受けました。折角のアクションシーンも人物のいる位置が分かりにくくて大変勿体なかったです。ただハートフルな物語を描こうとしている所に好感が持てました。これからも引き続き沢山の漫画作品を描いていって欲しいと思いました。

  • 蒼い龍と紅色の姫

    No.063

    蒼い龍と紅色の姫 26P

    みほ

    【吉田円】

    もう少し人に伝えることを考えてネームを作った方が良いように思います。断片的なシーンを見せられている印象で、ストーリーが理解し辛いです。

    【佐藤智美】

    世界観&人物関係がよくわからない…な作品。
    小野不由美サンの「十二国記シリーズ」と似たような世界観(この作品の場合は「麒麟」ではなくて「龍」版?)の話と受け取ればいいのでしょうか?
    とにかく作中に人物名が数名でてくるのですが誰がどのキャラか結びつかず、人物の相関図が読み手のこちら側には全く分かりませんでした。
    「こういうカンジの話を描きたい」という気持ちと雰囲気だけで、具体的に何が表現したいのか、また読んだ人にどんな気持ちになって欲しいのかがわかりにくい作品だと思いました。
    まずは奇を衒わずに『起承転結』のある物語作りを…基礎的なことをきっちりやるといいのではないでしょうか。

  • 二人の朝

    No.064

    二人の朝 12P

    ともにゃん

    【吉田円】

    話の内容は分かるのですが、既視感があります。また、構図も単調です。見せ方の工夫をお願いします。

    【佐藤智美】

    「女×女」カップルの平凡な日常を切り取った…な作品。
    “百 合モノ”をやりたかったのかなぁ…ということは伝わってきますが、この内容であれば別に”百合”でなくても可能な物語だと思いました。「女×女」カップル の日常の1コマを切り取ったかのような丁寧な描写や表現には好感が持てますが、逆に読んだ人が思わず「ハッ」とするような「女×女」カップルならではの印 象的な絵やエピソードがあったほうが良いのではないかと思いました。

  • チャラ男プログレス

    No.065

    チャラ男プログレス 83P

    阿久津 圭

    【吉田円】

    展開の工夫もされており、ストーリーも分かりやすく表現されていました。ラストのシーンはこう来ると分かっていても良かったです。

    【佐藤智美】

    一 度に何股もするほどの女好きのチャラ男・陸。街なかで待ち合わせ中の可愛い女の子を見かけた陸はいつものごとく反射的に声をかけるが、そこに待ち合わせ相 手の男の子が現れる。当初付き合っていると思っていた男女2人組…しかしその2人は”女装した男”×”男装した女”の「男女逆転」カップルだった。この2 人との出会いがチャラ男・陸を変えていく…。
    面白かったです。絵柄も可愛らしく男の子&女の子の描き分けもキチンとされていて読みやすい!
    お話自体もきちんと主人公をはじめ、それぞれのキャラの心情の変化も描けているのでいいですね。ただやはり登場人物が多いのでこのネームの段階では「まだ少しごちゃごちゃしてしているなぁ…」という読後感が残ります。
    改善点としてあげるとしたら個人的には次の2点。
    一つ目は「主人公」は誰であるかをキチンと読者にみせること。
    恐らく主人公は「チャラ男」こと陸だと思うのですが、肝心の「彼の名前」が2人組よりも後の段階でしか分からないのが勿体ないかと思いました。ページ数的にももう少し早い段階で「彼の名前と顔が一致する」シーンがあるといいですね。
    二つ目は男女2人…”ひとき”と”ゆうき”の関係性の明確化。
    最 後の方で”ひとき”が”ゆうき”の事を「親友」と呼ぶシーンが来ることで「何となく」は分かりますが、最初の時点では”ゆうき”はひとき”を一応「異性」 として意識している流れになっていたかと思います。作中で2人が「恋愛感情」で繋がっているのか、それとも「友情」なのか…きっちり描いた方がラストに しっかり結びつく様に思いました。もう一踏ん張りで”大化け”する可能性大の作品だと思います。

  • Great Morning 3-3

    No.066

    Great Morning 3-3 131P

    おのた

    【吉田円】

    説明が多い印象があります。こうしたパニックものは読者を冷静にさせてしまうのは逆効果のように思います。あえて冷静な思考や疑問を感じさせない展開力で作品世界に引き込み、それが面白いと思わせる必要があると思うのです。

    【佐藤智美】

    100p越えの大作…な作品。
    ある日目覚めたら「超能力」が自分に備わっていると気づいた主人公。クラスで自分の身に起きた大きな変化を話そうか葛藤するも、他のクラスメイトもすでに同じような「超能力」を身につけていて…。
    作 者さんご自身が楽しんでストーリーを考え、漫画を描いていることが伝わってくる作品だと思いました。ただ全体的に「モノローグ」が多く、単純にすべての活 字を「読む」行為がツラかったです。「超能力」が身に付いたと言うなら、「モノローグ」…”活字”での説明ではなく、漫画の最大の武器である”絵的&具体 的”に「能力」を表現することでスタートさせる方が読み手にグッと興味をもって貰いやすいのではないでしょうか?

  • 社会の死角

    No.067

    社会の死角 37P

    otd

    【吉田円】

    雰囲気のあるネームですが、SPのキャラにはもう少しリアリティーがあった方が良かったように思います。もしくはSPではなく警備員くらいにしておくと、もう少し納得がいったようにも思います。

    【佐藤智美】

    “独自性”のあるシーンが魅力…な作品。 ある議員の「隠し子」として生を受けた主人公。 「議員の娘なんだから」という言葉とともに母親にはいい成績を取る事を求められ、友達には「隠し子」を理由に冷やかされるという、閉塞感でいっぱいの日々を送っている。 「家に帰りたくない…」と時間をつぶす為に立ち寄った公園で、主人公は一人の男に声をかけられる。 そ の男は主人公の「社会から消えたい」気持ちがある事を見抜き、その願いを叶える事が出来るという。整形によって新しい顔、新しい戸籍や大金を与え、社会か ら今の主人公の情報を「抹消」する代わりにある男の「暗殺」をその男は持ちかける。「暗殺」の対象である男…それは議員である”自分の父親”だった。 面白い作品だと思いました。構成をより「読者の目」を意識したコマ割りにすれば凄く良くなる作品だと思います。 個人的には公園でのシーンが印象的。 隣のベンチに座った男性に話しかけられまいと、わざわざ「電話をするふり」までして立ち去ろうとする主人公の描写…それを見抜く男性とのやりとりに自分には思いつかない発想だと思いましたし、”独自性”があっていいのではと思いました。 物語の終盤…議員のSPとの対話では、SPの話を聞いて「あっさり」と納得してしまう主人公に少し違和感を覚えました。主人公の「心の葛藤」と「成長」が最後にきちんと描かれていれば、文句なしに面白い作品になるのではと思いました。

  • 金の夜夜銀の日々

    No.068

    金の夜夜銀の日々 17P

    岩崎隼

    【吉田円】

    作品の第1話という呈だと思うのですが、私的にはこの一話目だとあまり続きが気になりませんでした。

    【佐藤智美】

    オリジナル作品の”同人誌”(?)的…な作品。 物語の舞台は「高次事象の辺境空間」…新たな宇宙を創造する事が”仕事”の「2人の神」のお話。 設定等よくわからない所があり大変勿体ないですね。 もう少し読者にも分かる様に描いた方が良いのではないでしょうか?

  • 煩悩デンタル

    No.069

    煩悩デンタル 16P

    山崎コータ

    【吉田円】

    アイデア勝負のネームですが、もう少し主人公に感情移入できると良かったです。

    【佐藤智美】

    馬鹿馬鹿しさ全開っっ!!…な作品。 ”エロ”に突出した作品ですね。まぁ”エロ”といってもイヤらしさがそれほど無く…爽やか且つ健康的な”エロ”ですが……。 とにかく”エロ”に対する「潔さ」が……なんとも言えずに”GOOD”です!! ただ最後はカンペキ”男性目線”でしたねっっ(笑) 作品タイトルを受けて「煩悩」全開だからいーじゃん!! …といわれればそれまでですが、 もう少し性別を問わない、とっておきのオチにした方が良いような気がしました。

  • 犬畜生魂

    No.070

    犬畜生魂 38P

    石崎恒人

    【吉田円】

    設定に興味を持てるかどうかになりますが、私的には1ネタ1オチの作品ですので、ページ数が多かったように思います。

    【佐藤智美】

    非常に難解…な作品。 数回読み直して何となく「こういうことなのかな?」ということは伝わってきましたが、作者さんの意図した通りに読めているか正直分からないです。 他の方が読んでどういう感想を持たれるか大変興味のある作品ではあると思いますが、1回読んで話の流れさえ分からないというのは、話の作り方についてもう少し考える必要があると思います。

  • ホッパー・ザ・トライアル

    No.071

    ホッパー・ザ・トライアル 42P

    星村定之

    【吉田円】

    結局何がしたかったのか今一つ分からない作品でした。

    【佐藤智美】

    世界観が分かりにくい…な作品。 作者さんが「バトルもの」が好きで「戦闘シーン」を描きたいという衝動が「コレでもか!!」という程に伝わってきます。 ただ「なぜ闘わなければならいのだろう?」という根本的な疑問が涌き上がるとともに物語の最後までその理由と必然性は説明&解消されず、モヤモヤしてしまいました。 また肝心の主人公の説明(主人公の名前も含めて)がとても小さなコマでサラッと描かれているのも気になりました。 終始漂う「この主人公はいったい誰?」感は半端ナイです。 闘う事に「説得力」と「必然性」がないと読者は置いてけぼりになってしまう可能性があります。 これなら闘わなければならないという「舞台作り」にまずつとめてみてはいかがでしょうか?

  • 枇杷をもぐ

    No.072

    枇杷をもぐ 24P

    三沢左右

    【吉田円】

    雰囲気はいいのですが、途中から少し雑なネームになってしまったのが残念。でも、この2人がどうなるのか気になる作品でした。

    【佐藤智美】

    雰囲気作りが抜群…な作品。 両親の離婚で引っ越す事になった主人公。 そんな彼女の為、危険を顧みずに石垣の上の方にある”枇杷”を取りにいってくれた同級生がいた。 引っ越後、成人した主人公がかつて住んでいた街に帰った際、枇杷を取りに行ってくれた同級生に再会して…。 主人公の切ない感情が見事に切り取られた作品。 コマ割り&構成力ともに高いレベルの作品だと思いました。 子供から大人になる途中で感じる…恋愛になりきれない、微妙な感情を上手く表現している一方で、主人公の時間はラストまで止まったままなのが少し勿体ないと感じました。 主人公の気持ちを上手く表現出来ている部分は大変素晴らしいので、主人公の変化や成長があれば読後感も更に良いモノになるのではないでしょうか?

  • プライムナンバーズ

    No.073

    プライムナンバーズ 24P

    手袋

    【吉田円】

    長期連載の1話目という作品ですが、構図やテンポなど工夫が見られ高いレベルにあります。ただ、今のところ既視感の強い作品でした。トーリーが理解し辛いです。

    【佐藤智美】

    連載一回目?…な作品。 何者かに追われる主人公。15時間前、主人公の元に実の兄からフラッシュメモリと数字の羅列が描かれたメモが入った封筒が届く。いつも通り大学の授業を受け、昼食をとっているとTVから主人公の実の兄が殺害されたというニュースが流れる。 更に兄の殺害の犯人は、他でもない「主人公」自身であるという。 いわれの無い「兄殺害」の濡れ衣をきせられた主人公は兄の死の謎を解明すべく逃避行を始めるーーーー。 絵が達者でアクションシーンは大変に”魅せて”くれます。 ただやりたい事は分かるのですが、主人公をはじめ、主人公を守る為に突如現れる女の子キャラ、また殺された(?)主人公の兄などの登場人物の説明が相当不十分な状態で終わっているのが気になりました。 またラストシーンは今後この作品を読みたいかの指針になると思うのですが、少女にいわれるままに殺人を犯してしまう主人公には少し感情移入出来ないかもしれません。 このままのネームでは、作者さんはどちらかというと「女の子キャラ」を中心に描きたいのかなぁ…という感想を読者に持たれてしまうかもしれませんね。 主人公は「彼」なのか「彼女」なのか…しっかり決めた方が良い様に思います。

  • アクツキ

    No.074

    アクツキ 34P

    トマトの蔕(へた)

    【吉田円】

    途中からネームの作りも絵も粗くなって内容がつかみ辛い展開になりました。

    【佐藤智美】

    悪魔に憑かれた強大な力を持つ者…通称「アクツキ」によるバトル漫画。 途 中まではいわゆる”少年マンガ的な”良くある設定&展開として読む事が出来るのですが、後半の回想シーンから全く分からない設定と状況になってしまいまし た。回想シーンでは恐らく主人公を含んだ人物名がいくつも出てくるのですが、誰が誰であるのか初見では全くわかりません。 また登場人物の会話の中に、この作品内では”まだ出て来ていないキャラ”も登場してしまっているのではないでしょうか? 話が途中で終わってしまっている感が強いので、是非まだ出し切っていない部分もしっかり描いてみると良いのかもしれませんね。

  • 過去観測投影者

    No.075

    過去観測投影者 72P

    窓際ななみ

    【吉田円】

    難しい構成に挑んでいる作品でしたが、それ故に、伝わるように丁寧に、分かりやすくネームを作る必要があると思います。部分部分で伝わり憎い部分があり、一度躓くとその後の展開に興味が持てなくなってしまうことがあります。

    【佐藤智美】

    モノローグが多い…な作品。 「コミPo!」で制作されており、作品内に登場している”眼鏡&ツインテール”の2人の女の子が「別人である」と分かるのにかなりの時間を要してしまいました。 大変勿体ない事かと思います。 また主要な登場人物の数が多い為、「誰を主軸に感情移入して読めば良いのか」…とても難しく感じました。 作品内の”百合的な要素”についても、別に女の子が沢山居れば必ず「百合的な展開になる」というのは正直解せないです。 「百合的な」恋愛感情ではなくても「大切な友達を穫られるみたいで嫌!!」といったな感情は思春期の女の子であれば、友人同士でも頻繁に起こることですからね。 恋愛要素も読む際に少し余分な気がしました。 人物&物語…どちらももう少し人物の数や話の主軸をしぼって作ってみると良いのかもしれません。

  • リンゴォビキニがゆく

    No.076

    リンゴォビキニがゆく 16P 41P

    鼻毛

    【吉田円】

    かなりバカバカしい内容ですが、先がどうなるのか気になる要素と、最後のオチまで含めた流れの構成がしっかりしていました。ページ数的にもこのくらいの長さが丁度よかったです。

    【佐藤智美】

    シンプルイズベスト!…な作品。 ある男がビキニを着用して街をただただひたすら歩く。 彼が周囲の人たちに笑われながらもビキニを着用して目指した地、またその目的とは……? クスリとさせられました!! シンプルだけどしっかり読ませる作品だと思います。 主人公が無表情なのもGOOD。 ただ町内一周したかどうかの判定は意外とアバウトなカンジがしました(笑) でも漫画という表現方法の面白さが十分に感じられる作品なので、 最後には「まぁ、いっか!!」な気持ちになってしまいました。 間違いなく”良作”です。

  • もうひとりの人魚

    No.077

    もうひとりの人魚 71P

    ゴヤ十字6

    【吉田円】

    アンデルセンの人魚姫をモチーフにした作品で、ストーリーも分かりやすく読みやすい作品でした。

    【佐藤智美】

    パロディ?…な作品。 某有名少年マンガに”そっくりの絵柄”が印象的な作品です。 あまりにも絵柄を似せて描いているのでパロディなのか、それとも描いた方がA木飛呂彦先生のファンゆえなのか非常に迷い、その一方で爆笑しながら読みすすめさせていただきました。 まぁ、最後の「to be continued」で「パロディかっっ!!」と個人的には思い至りましたが…。 とにかく絵柄に目が行きがちな本作品ではありますが、話は「人魚姫」をベースに再構成されており読みやすかったです。 (途中で文字数がハンパ無い所もありますが)。 絵柄もオリジナルのものでも十分面白い作品が作れる方なのではないでしょうか?完全オリジナル作品も期待しております!!

  • 〜スッポンvsボルト〜スボルト

    No.078

    〜スッポンvsボルト〜スボルト 14P

    西山 田

    【吉田円】

    ウサギとカメの童話をモチーフにした作品ですが、流れは決まっているためオチの勝負になります。オチとしては下ネタという物足りないものでした。

    【佐藤智美】

    シモ全開…な作品。 ウサギとカメをモチーフに「ボルトとスッポン」の競争を描いた作品。 すべてが計算され尽くした、美しいまでの話の流れに感嘆いたしましたよ。ええ!!正直ラストは思った通り…でしたがっ……(笑) 途中の見開きには良く分からない迫力があり大変印象的でしたね。 漫画の基礎力は非常に高い方なので、もっといろいろな作品を読んでみたいなぁ…と思いました。

  • タッケン

    No.079

    タッケン 45P

    尾山剛彦

    【吉田円】

    イジメをテーマにしているものの、だんだんと爽やかな印象の作品になって行くのが良かったです。ネームも読みやすく感情移入が自然とできる作品でした。

    【佐藤智美】

    さらに面白くなりそう…な作品。 学校でいじめられ腕に大量の”根性焼き”を持ち、ホームレスに混じって酒を飲む高校生 タク。 彼は密かにラジオ番組に投稿をする”ラジオ投稿職人”であり、将来芸人になる夢を密かに持っていた。 しかし、ある日いじめっ子達が自分の目指す「芸人養成所」に入り、賞金の出るお笑いの大会に出る事を知る。 訳あり(?)ホームレスのケンと「タッケン」というコンビ名でいじめっ子たちの出場するお笑い大会に出場することを決めるタク。 「笑い」での”ガチ対決”がはじまる…。 「イジメラレっ子 VS イジメッ子」の図式を「お笑い」をテーマに行った作品。 「イジメラレっ子 VS イジメッ子」の図式は漫画では「王道」中の「王道」ですが、主人公の悔しさや葛藤がきちんと描かれているのでグッと来るものが有ります。 終盤は少し駆け足気味になってコンビを組んだホームレスのおじいさんの過去話や大会の結果等がキチンと描かれていませんが、もう少し描いてあげる事で更に良くなるのではないでしょうか? 後半でイジメっ子の前を通り過ぎるシーンも良いですが、見開きで客席が「どっ」と湧いているような絵もあると良いような気がしました。 良い作品だと思いますので、是非修正に挑戦してみてくださいね。

  • 女神のバイブ

    No.080

    女神のバイブ 37P

    kokomo

    【吉田円】

    ほぼ下ネタのネームながら、思春期の性衝動と向き合う流れが良かったです。

    【佐藤智美】

    ある意味”悲劇”を描いた…な作品。 斧を無くした”きこり”を主人公とする、イソップ寓話の有名な作品…『金の斧』をモチーフに描かれた作品で、本作は主人公が「斧」のかわりに「バイブ」を落としてしまいます。 「超」がつく「ド直球」なシモネタ作品の為、この作品は読者によって好みが分かれてしまうかもしれませんね。 更に最後はバッドエンドかと思わせる内容……。 この話どこに行くんだろうと思いつつ、バイブの効果が”熊”にまで及ぶとは正直思わなかったです(笑) ジャンルとしてはエロ系の「切ない話」になりそう……と思いましたが、 ぶっちゃけ雑誌に掲載されるとしたらどこなのだろうか……? そう思いました。

  • ニクモン!

    No.081

    ニクモン! 44P

    あゆお

    【吉田円】

    普通ならゾンビのところを肉にされてしまう展開。コミカルながら道徳的なテーマでしたが、なぜ肉になるかなどの部分が非常に緩い設定のため、グイグイと引き込まれるようなストーリーにはなり得ていない印象です。

    【佐藤智美】

    可愛らしい中にもありがたさが…な作品。 食べ物を粗末にする事である日突然”人間”が「お肉」になってしまうというお話。絵柄もとても可愛らしいので世界観やオチも何となく全体的に「可愛らしく」、ぴったりマッチしている印象でした。逆に言うと、この絵が無ければ成立しないのかもしれないですね。サラッと読める所がとても良い作品だと思いました。

  • GW/ゴハンウォーズ

    No.082

    GW/ゴハンウォーズ 47P

    tomoyon

    【吉田円】

    どうという話ではないのですが、演出がなされていて作品として成り立っています。ただ、売りらしき部分が見えてこないのが課題です。

    【佐藤智美】

    “絵本”のような味わい…な作品。 ご飯を巡る闘い(?)を描いた作品で、とにかく”可愛らしい”の一言に尽きるといった印象の作品。主人公たちは”人間”では無いようで…一体どんな生物なんでしょうかね(笑)?可愛らしく絵本の様で…大変読みやすいのですが、「主人公達の闘いの目的」が描かれると、もう少し漠然とした印象が和らぐ気がしました。

  • ロボの恋

    No.083

    ロボの恋 14P

    ポッチン&ザ・ファンシーズ

    【吉田円】

    究極に人間らしいロボっとはエロかったという一ネタの作品ですが、最後のオチの部分が良かったです。

    【佐藤智美】

    “ロボットもの”に良く有るテーマ…な作品。 ロボットが人間とともに生活するうちに、いつしか人間に等しい感情や思考能力を持ち、更に「人間」に「恋愛感情」をも抱くようになるという…。ロボットが人間の感情を持つ様になる過程が丁寧に描かれており好感が持てます。ただ上記の題材は漫画を始めとする映画や小説などの創作物ではもはや「定番」。「定番」で有るという事は逆にいうと多くの人から愛される「王道」でもあり、世の中に多くの比較対象が可能な「作品」が溢れている状態です。本作品と既存の作品とをくらべてしまうと、どうしても”突出したオリジナリティ”が感じられませんでした。また漫画の技術的な部分でも全体的にコマの大きさが「均一」なので、淡々とした印象を読者に与えてしまう可能性が高いかと思います。もう少しコマの大きさに変化を出すなど、工夫出来るといいですね。

  • 迷子

    No.084

    迷子 17P

    神崎かんず

    【吉田円】

    ショートギャグですが、よくあるネタ回しという印象でした。

    【佐藤智美】

    独特の雰囲気が魅力…な作品。2作品とも有名な童話がベースになっており、1作品目の「赤ずきん」については良く有る展開で少し拍子抜けしてしまった感がありましたが、2つ目の童話「かえるの王子」のような展開の「捨てパンダ」の話の最後のコマがなんとも言えないカンジで良かったです。絵柄も可愛らしく読者を選ばないカンジも良いですね。この作者さんの描く他の童話のパロディが読んでみたいと思いました。

  • 見えない・・・

    No.085

    見えない・・・ 40P

    raidora

    【吉田円】

    やろうとしていることは何となく分かるのですが、理解しづらいネームでした。

    【佐藤智美】

    物語の「核」がまず”見えない”…な作品。 学校に突如現れた男女2人。体育館をはじめとする学校のあちらこちらに出没し「誰かが居た」形跡は残すが他の人間には視えていない様子。なぜなら彼らは「透明」になる能力を持った「透明人間」だったから…。 物語の中盤の「透明人間になる能力を使用する際、その能力の使用者の眼も透明になるのだから視力を失う」といった発想は面白いと思いました。作者の方はその発想から徐々に肉付けをしてこの作品を作られたのでしょうか? 作品自体はコマが割られ、吹き出しがあり「漫画」としての体裁を整えてはいますが、漫画にとって核というべき部分…「物語」についてはまだ上手くまとまっていない印象を受けました。 通常漫画に限らず、小説、映画などで描かれる「物語」は、作品を受け取った側に何らかの影響を与える事を目的としているはずです。「感動」や「面白い」とまではいかなくても「好き・嫌い」、「快・不快」といった最低限の感情を受け取った側に起こさせる事…「変化」が起これば成功の第一歩と言えるかもしれません。 残念ながらこの作品の現段階では作者さんが描かれた「事柄」を眺めるだけで、読者に「変化」を起こさせるには至っていないのだと思います。 読者の視点を意識し、物語に"一本筋の通った"作品作りをしてみると良いのかもしれません。

  • トクだねラクだ!

    No.086

    トクだねラクだ! 16P

    夢野友美

    【吉田円】

    読者ターゲットは子供でしょうか? ただ、子供だとするとネタが少し大人っぽい扱いのように思います。逆に大人だとすると面白味に欠けるように思います。

    【佐藤智美】

    絵柄が可愛らしいが…な作品。 “らくだ”のような人間、「らくだ人」が住むラクダネ国で起こる事件を追う新聞記者たちのお話。 絵柄が可愛らしく、『コロコ◯』のような児童誌や幼年誌に掲載されていても良さそうな作品だと思いました。ただ作品の内容についてはもう少し「現代っぽさ」と「大人っぽさ」を意識して描かれても良いような気が致しました。 児童誌の読者層の多くは”小学生”…漫画を読む読者としては大変限定的では有りますが、近年雑誌自体はゲームやアニメ、玩具などとのメディアミックス化が特に進んでおり、漫画作品と言えども世界観や物語のベースは「ゲーム」作品だったりする事も多い状態です。 そういった他のメディアにも既に影響されている子どもがこの漫画作品に触れた際には、少し「刺激が少ない」と感じるかもしれません。 漫画もエンターテイメントの一つですので、読者にどのような影響を与えるかについて考えて作品を作る必要もあるかもしれませんね。

  • ヒヨコに敗れたマイルール

    No.087

    ヒヨコに敗れたマイルール 32P

    石橋れんげ

    【吉田円】

    しっかりと構成を考えて作られたネームなのですが、展開のすべてがベタなので、読んでいて先が分かってしまうネームでした。

    【佐藤智美】

    やりたい事は分かるけれど噛み合ない…な作品。 マイルール重視で”一匹オオカミ”キャラ男の主人公が新人女子社員の教育係に。 教育係として新人女子社員と一緒に過ごすうちに、主人公のマイルールに変化が…? 恋愛漫画の王道なストーリーにも関わらず、男性&女性のどちらのキャラにも”魅力”を感じる事が出ず淡々とストーリーが進んで行ってしまうのが気になりました。恋愛漫画こそ「心理描写」が最も大切であるのに、そこをすっ飛ばして2人の間の”出来事のみ"を並べているカンジが勿体なかったです。 読者が読んで「この2人が上手くいいな♫」と思えるような”魅力”を主人公&ヒロインに付加することで更に良くなるのではないでしょうか?

  • voice

    No.088

    voice 22P

    緒方京子

    【吉田円】

    突っ込みどころはある作品ですが、しっかりと感動的になるように構成を考えられていました。

    【佐藤智美】

    意外な所でビックリ…な作品。 時はバレンタイン間近。主人公・はるかは通勤途中、横断歩道を渡る際に手助けをする様になった盲目の男性に好意を抱き、手作りのバレンタインチョコを渡そうと決意。いつも彼と顔を会わせる場所に行くも、信号無視したトラックが近づいて来て折角作ったチョコを踏みつぶされてしまう。翌日潰されはしたものの折角作ったものだからと持って行くが渡せないまま。渡そうかどうか悩むなか、盲目の彼が「角膜移植手術」を受けるという嬉しい知らせを聞くが……。 短編として上手くまとまっている作品だと思いました。ただ中盤の「起承転結」でいうところの「転」に当たる重要な部分については、「え?」という驚きというか…「がっかり」というか…。 全体的に清々しい”良い話”な雰囲気な中で、このシーンはかなり浮いてしまっている印象を受けます。 ぼろぼろなカンジではなく、もう少し「あれ?ワタシの姿他の人には視えないの?」的な演出の方がこの作品には合っているような気がしました。

  • 三浦列伝

    No.089

    三浦列伝 28P

    中江おみと

    【吉田円】

    作者のプロレス愛が伝わってくるネームでした。三浦社長のキャラがいいですね。

    【佐藤智美】

    決めゴマがあると…な作品。 年齢的にも人気的にも、とうにピークを過ぎてしまったプロレスラー・三浦。 …にもかかわらず、あの手この手をつかってトップの座に君臨しようとする彼の「負ける姿」観たさに多くの客が会場に詰めかける。 そしてある日とうとうファンの望みを叶える三浦の引退を賭けた試合(マッチ)が組まれる事になるが……。 面白かったです。ただ作風(?)のせいか全体的に話も含めて単調な印象を受けます。折角の”プロレス漫画”なので画面だけでも技を決めたり、主人公がキメるシーンでは大ゴマを使うなど工夫が有ると更に良くなるのではないでしょうか?

  • アンバランス・ピリオド

    No.090

    アンバランス・ピリオド 60P

    原作:間佑知 作画:純友良幸

    【吉田円】

    性別を選ぶというテーマをSF的な世界観で表現していましたが、心理描写など丁寧に描かれていて読み応えのあるネームでした。

    【佐藤智美】

    思春期の少年の気持ちを描いた…な作品。 「平行世界(パラレルワールド)」に生きるもう一つの人類の物語。その世界では人間には産まれてからすぐ に性別はなく、成長期を迎える12歳の誕生日にあわせて「己の性別」を自身で決定出来るという。ダルとジャニスはいつも一緒にいる友人同士。それぞれが 12歳が近づくなか互いがどちらの「性別」を選ぶのかが徐々に気になりだす。力が強く暴力的なゲームを好むダルは、ひ弱でロマンチックな物語が好きなジャ ニスの選ぶ性別は「女」に違いないと思っていた。しかしジャニスが選んだのはダルの予想に反する「男」。ジャニスの選択にダルは動揺を隠せない……。 前々回の『第4回 ネーム大賞』に一度エントリーされた作品が改稿されたヴァージョンで、その時にくらべると大分見やすく且つ分かりやすくなっているなと思いました。 特に最後の方の見開きは「構図」が決まっていて、ネームとはいえ「絵の力」……単純な「絵の上手さ」ではなく、「画面を切り取る力」によって作品の印象がこんなにも変わるのだと、改めて「構図」の大切さを痛感させられる一本だと思います。さらに完成度が高まった印象です。

  • いもねこ

    No.091

    いもねこ16P

    お子様ランチ

    【吉田円】

    変身系のよくある作品ですが、猫の仕草など良かったです。

    【佐藤智美】

    特定の層に受けそう?…な作品。 ある日起きたら、体が「猫」になっていた!! 体は「猫」になってしまっているが、中身は「愛」という名前のどこにでも居そうな女の子。ジブンの体が「猫」になってしまっている事を自分の兄に必死で訴えるも猫の鳴き声しか出ず、全く気づいてもらえない。 果たして「愛」チャンは人間に戻れるのか…?? 絵は「ネーム」ということでラフなカンジでは有りますが、「猫」をはじめ「人物」もきちんと描いたらとても可愛らしいんだろうなぁ〜という事が伝わってきました。作品タイトルも「妹(いもうと)」×「猫」で「いもねこ」という事…なんでしょうね。シンプルで分かりやすいです。 正直な所、この作品からは特に作者の方から読者へ強く訴えたいことや作者の方自身の物語への強い思い入れと言ったモノなどは特に感じませんでした。ただ創作物を愛するヒトの中には一定数「妹萌え」や「猫萌え」な方もいらっしゃるかと思いますので、そういったジャンルが好きな人には堪らない作品なのかなぁ〜と思います。またそういった事を抜きにしても、気楽に楽しめる作品であるという所はこの作品の持つ魅力なのではと思いました。

  • かさなる夢の少年少女

    No.092

    かさなる夢の少年少女 16P

    稲笠小枝

    【吉田円】

    何を書きたいのか何となくは分かるのですが、読み手の立場に立って書かれていないように思います。時間をおいて読み直してみるなど、客観的な視点を持ってネームを作ってみましょう。

    【佐藤智美】

    色々難解…な作品。 ちょっと何がやりたいかが分かりにくい作品でした。コマ割りも独特のモノが時折あるので、正直に言ってどの順番で読むべきか分からない部分も。 今後の漫画表現は「紙媒体」を意識した「見開き」表現の以外にも、PCやタブレットを意識したスクロール型の読み方も選択肢の一つとして増えるかと思います。「紙」か「PC」&「タブレット」仕様か…どちらに適した表現をするのかだけでも決めて描けるといいですね。

  • エンドレス日曜日

    No.093

    エンドレス日曜日 30P

    徳永サトシ

    【吉田円】

    テーマも明確で読みやすいネームでした。残念なのは先が読めてしまう展開で、オチも教科書通りの展開で意外性がないところです。この手のネタものの作品はキャラクターが展開のどちらかに独自性があるとより良くなると思います。

    【佐藤智美】

    最後が…な作品。
    「今日が終わる
    明日からまた仕事…
    今日で世界滅亡すればいいのに…」
    何もしなくていい日、そんな「日曜日」をこよなく愛する男が主人公。
    月曜日、遅刻になりそうになりながら出勤すると可愛らしい女性社員から「あれ?休日出勤ですか??」と話しかけられる。
    それからそんな日が連続し、主人公は自分だけが「日曜日をループ」している事に気づく…。
    面白く読む事が出来ました。ただ最後が予定調和で駆け足気味だったのが非常に勿体ないですね。「明日が欲しい」となってから、もう少しジタバタしている主人公像、また「欲しい」と強く願った「明日」が自分の思い通りにいかなかった場合に主人公はどのように反応するのか……ラストを変えるだけでもっと無限大に面白く出来そうな作品だと思いました。是非改稿に挑戦してみて下さいね!!

  • 戦隊ヒーローはつらいよ!

    No.094

    戦隊ヒーローはつらいよ! 38P

    松尾田老

    【吉田円】

    戦隊ヒーローにコスト意識を持たせる流れは良かったです。

    【佐藤智美】

    一風変わった”戦隊モノ”…な作品。 舞台は近未来。もはや「造りモノ」の娯楽では満足しなくなった人々。そんな人々の中で大流行しているのが「本物」の戦隊ヒーロー達が各企業の代表となり、プライドを賭けて「リアル」に闘うという「戦隊ビジネス」。各社による「戦隊ビジネス競争」は苛烈を極めるなか、企業の一員でもあるヒーロー達の「労働環境」がクローズアップされていく…。 ヒーローもの…特に「戦隊モノ」を読み切り作品で描く場合は一度に扱う人物の数が多すぎるためかなり難解になりがちです。 この作品でも戦隊のメンバー、戦隊を統括する「課長」、敵、敵ボスなどを含めると物凄い登場人物の数で、肝心の物語に行き着くまで人物を覚えるのにいっぱいいっぱいだったという記憶が甦ってきます。ただ色々拙いと感じる部分も多いですが、ブラック企業で働くヒーローというアイディアは面白いと思いました。 もう少し人物の数やお話自体も絞って描けるといいですね。

  • 10.10.10.10(フルテン)

    No.095

    10.10.10.10(フルテン)16P

    つつみ和史

    【吉田円】

    なぜ本の閉じ方が逆になっているのか、意図が見いだせませんでした。

    【佐藤智美】

    読む人を選ぶ…な作品。 16Pをサイレントで描いた意欲作。ギターをプレイした事の無いワタシにもアンプに繋げて大音量でギターをかき鳴らす爽快感が伝わってきましたよ。(ただその分オチも分かってしまいましたが 笑) 上記の事にも繋がりますが、読んだワタシはたまたま音楽を聴く”のは”好きで、ギターにも興味が有るという人が読めば面白く読む事が出来ますが、音楽にもギターにも全く興味の無い人が読んだ時には正直なところあまり伝わらないのかもしれません。間口はかなり狭い作品なので、好き嫌いは分かれそうな作品だなと思いました。

  • なぜなにハテナちゃん

    No.096

    なぜなにハテナちゃん 33P

    ぷちぐるめ

    【吉田円】

    オタクとは何かという迷宮に入って行く天然少女の姿がコミカルで楽しく読めました。

     

    【佐藤智美】

    学習漫画的なキャラ(?)…な作品。 転入してからのテストで、100点続きの”勉強大好き”主人公・名瀬果奈(なぜはてな)。果奈はオタクを毛嫌いするクラスの友人の「オタクきもっ!」の一言から、「オタクとは?」と気になりだす。勉強大好きの果奈は持ち前の「探究心」により「オタク」について理解を深めようとする…。 大変読みやすい作品でした。 ただ「進◯ゼミ」で掲載されているような”学習要素”の方が強い「素直過ぎる」作品。この1本では主人公「はてなチャン」というキャラの魅力はそれほど伝わってこないのが勿体なかったです。 知りたいことの為だったらどこまでも突き進むカンジが弱かったのかもしれませんね。オタクの人たちの彼女に対する反応も薄いですし、「オイ!そこまでやるのかよ?」という「ツッコミ役」なキャラが居ても良いのかもしれません。

  • 空泳ぐBlueFish

    No.097

    空泳ぐBlueFish 26P

    西野杏

    【吉田円】

    「サカナ」はどう生かされてくるのだろうと思って読んでいったら、最後にしっかりと生かされていてホッとしました。長さ的にも丁度いい読み切りでした。

    【佐藤智美】

    全部言っちゃってる…な作品。 人の感情を”魚”の色や量によって観る事が出来る主人公。自分にしかない能力に悩み…一人孤独に過ごして来たが、ある日学校の美術教師が同じ「能力」を持っていることを知り…。 不思議な「能力」の説明だけならまだしも、作品全編…主人公の感情までも、モノローグで語りすぎてしまってるのが残念だと思いました。 表情や行動のみを丁寧に表現し、最後の最後にモノローグをのせるなど、時には作者側の一方的な主張や”表現”を押さえて…読者の感性や読解力を信頼し、預けてしまってみるのも良いのではないでしょうか?

  • 一万年眠り姫

    No.098

    一万年眠り姫 118P

    JHN

    【吉田円】

    長編作品ですが、テーマがしっかりしており読みごたえがあったため苦も無く読めました。ただ、ファンタジーという要素を活用してのご都合主義的な展開にならざるを得ない部分が少しあったのが気になります。

    【佐藤智美】

    良質★長編ファンタジー…な作品。 一万年の眠りについてしまった姫を救うべく魔王を倒した勇者・カイン。 しかし姫は眠りから覚めず、1万年後には自然に目を覚ます「久遠休眠(くおんきゅうみん)の法」をかけられただけだった。 愛する姫に再び出逢うべく、カインも「久遠休眠(くおんきゅうみん)の法」により眠りにつく事を決意。一万年後、目覚めた勇者・カインだったが……。 100P越えという長編でありながら飽きさせる事無く面白く読む事が出来ました。”良く有るファンタジーもの”と少し身構えて読み始めてしまいましたが、作品のベースには人間の感情がしっかりと描かれている事が後半にいくほどわかり、引き込まれていきました。 結末も薄々分かりつつも、目が離せない展開に。 ただラストについては……人を選ぶでしょうね。 個人的にはこの物語の登場人物の「誰か」がハッピーエンド、あるいは「希望」を少しでも感じられるようなラストになるべきではと思います。 理由としては大きく挙げると2点。 まず第一点がこの作品が「読み切り」作品であること。 もう一点はページ数です。30P前後くらいであればまだ良いのですが、100P以上の「読み切り」作品を読んでさらにバッドエンドというのは読者にとってあまり「読んだお得感」が無いように感じます。 彼の結末は悲しいものでしたが、一方で彼は魔王になる道は選ばず、1万年後の世界を救った事も事実。その部分にもう少しスポットを当て、描き加えるだけでも読後感は違ったものになるように思います。

  • ステルス(赤)

    No.099

    ステルス(赤) 31P

    おのた

    【吉田円】

    ギャグ漫画として捉えれば強引な展開も理解できますが、ギャグ漫画としては笑える要素がないように思います。

    【佐藤智美】

    楽しんで描いているのが伝わってくる…な作品。 超人戦隊ヒーロー「ハッピーマーチ」の一員・東道盟才(とうどうめいざい)。そんな彼の能力は”赤いモノ越しに彼の姿を見ると彼の姿が透けてしまう”という「ステルス能力」。あまりに特殊で地味な自分の超能力への自信の無さから戦隊を辞めたいと思ってる盟才の前に彼を密かに慕うクラスメイトの女の子が現れて……。 楽しんで漫画を描いている事が伝わってくる作品ですね。 ただ読み切りで多人数のモノを描くのは作者自身は勿論、読者にとっても大変な事かと思います。まずは1〜2人の感情を中心にじっくり向き合って描く所からスタートさせてみると良いのではないでしょうか?

  • イントゥ・ザ・イエロウ

    No.100

    イントゥ・ザ・イエロウ 43P

    高波伸

    【吉田円】

    峠で自転車が走り屋の車を追い詰める流れは読んでいて楽しかった。問題は感情の流れを作っているにも関わらず、演出上、それが抑揚をつけられていない点。

    【佐藤智美】

    大ゴマの魅せ方が上手い…な作品。 髪はサラサラ、女の子のような風貌で喘息持ち…勉強も運動も才能も運も無いと己の人生に絶望している主人公「トーフ」。 ある日通学途中で前々から気になっていた「お社」を友人と一緒に思い切って覗いてみる事に。そこには沢山のお札が貼られた…いかにも曰くありげな「自転車」が。友人が静止するのも聞かず、劣等感の固まりとなっていたトーフは「僕を呪ってみろ!呪い殺せ!!」と自暴自棄気味に自転車のお札を剥がしまくる。するとその自転車のかつての所有者である自転車ロードレース競技者/マイク・F・レモンの霊(?)にトーフの体は乗っ取られてしまって……? 「ヒカ◯の碁」の”自転車ロードレース版”といったテイストの作品で、本来なら5〜60Pほど必要な内容を40P前後に圧縮して描いている為、「ギュッ」と詰め込まれた感が強かったです。またそのため少しごちゃごちゃした画面になってしまっていますね。ただ、その分「ここだけは譲れない!」という”見せゴマ”の入れ方や「構図」はバッチリ☆でかっこ良かったです!! お話については自転車ロードレーサーに体を乗っ取られる…まぁいわゆる”ファンタジー展開”、少年誌的な設定ではありますが、その設定はさほど個人的には気になりませんでした。ただ主人公の方の設定…髪はサラサラ、女の子のような風貌で喘息持ちといった特徴の説明が不十分且つ、かなりの”取ってつけた感”なことの方が気になりました。通りすがりの女の子に少し言われるくらいでそこまで絶望してしまう主人公があまり理解出来なかったですし、彼の気持ちに寄り添えませんでした。 主人公に強烈な劣等感が有るならばそこへ読者をシンクロさせることが少年誌的なスポ根には欠かせない要素だと個人的には思うので、この作品で”肉付けすべき部分”があるならばその部分なのではないでしょうか?