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第6回ネーム大賞 2次審査30作品 

講評発表②

武富健治・テキスト講評

今回は、全体的なレベルは高かったと思います。
読み応え、完成度、個性(パンチ)の3つが揃った大傑作はなくて、10点満点はなし。
9点も鼻毛さんおひとりで、ほとんどの人が7~8点に収まりました。
でもそれ(ほどよい規模の持ちネタで勝負する)が、商業誌でのデビューを意識しての戦略によるものだとしたら、
ことさら残念ではないです。楽しく読める作品がたくさんあったのはよいことです。
読んでいて辛いだけの作品は少なかった!
 
今回だけじゃなく、ここのところ感じ続けていることですが、主人公がやる気だけあって、周りがそれを助けて
あげてハッピーエンド、という感じの話がとても多く感じました。
昔から、漫画はダメっ子の慰安を重大な役割としてきたのだから、王道といえば王道。
読者へのサービス心や、売れるための戦略ならいいのですが、作者が本気で自分自身そういう思想の作品を望んで
いるとしたらちょっと怖い。
周りの支えは美しいですが、テーマが
「周りは、主人公の長所を伸ばして、欠点には目をつぶらなければなりませんよ」とまでなると、
どんだけ殿様なんだよと思ってしまいます。
主人公が周りの人の気持ちを知り、成長する漫画が読みたいです。
体験を糧に成長していくのではなく、ただへこんだりアゲアゲになったりしているだけの気持ちのムラを描いている
作品は、読んでいて疲れます。
 
そういう中(だからこそ)、普段から実人生で成長をして生きているな、この人、と感じる作品は心地よいです。
そういう人の漫画は、読者に対しても気遣いがしっかりしていますね。
 
ぼくも、今、漫画家としての第2期(短編時代を含めると第3期)に向けて、新たな作風を模索しているところです。
そういう意味で、大変刺激になり、参考になる作品がたくさんありました。感謝いたします!!
 
以下、選んだ10作品と、個々への評価・感想です。
 

●024 ほんの小さな大冒険 鼻毛      9点
●172 アフロ警部の事件簿 鼻毛      9点
●014 エルソナ・シンドローム 左紳之介  8点
●044 宇宙くん けめちゃん        8点
●122 ぼくらのこえ 松山アラタ      8点
●134 Big Cheer! 奈央          8点
●167 エスパー黒岩成夫 合間妹子     8点
●185 漁場の人魚 えりつぃん       8点
●188 一射入魂!! 見原由真       8点 
●199 カーニバル 屋乃啓人        8点 

 

No.014 エルソナ・シンドローム(ネーム版)154P 左紳之介  8点
とてもレベルが高く、けっこう(=プロの作品を読むのと同じくらい)面白く読めました。
それゆえに、ついプロに要求するような不満を抱きながら読んでしまったということはあります。
以下は、そういう不満です。
テーマがわりとありきたりなこと自体はいいのですが、こうした王道のテーマでやるのであれば、何か新しい見解や、

一般のものより一歩でも踏み込んでいると感じられる深みなどがあると面白くなるのになあと思いながら読みました。
先まで読み進めると、もやもやしながら読んでいた部分へのアンサーが、ちゃんと出てきたりして、ああ、このへんちゃんと

考えていたんだなとあとになってわかることもいくつかあったのですが、それだと気持ちよく読めない。
答え合わせは後に繰り出すとしても、たとえば登場人物の微妙な表情だとか、ちょっとしたセリフ回しなどで、

答え合わせまでの間に不信を抱かせないようにすることは可能かと。
例えば、自殺する妹の目や表情やセリフに、もう少し病的な感じ、空虚な感じなどがあれば、

余計なことを考えずに緊迫した雰囲気で読み進められると思いますし、売人のリーダーの坊主のおっさんに主人公が

「そのエスコートがまだ生きられたはずの人間に死を選ばせることだってあんだよ!」

と言った後のおっさんの表情やセリフに、それは当然わかっていて、それでもなおそれを乗り越えるだけの理由があったのだ、

と読者がわかるような深みがあれば、

【ああ、読み進めれば、エスコートを作る側のひとたちにも、読者が唸るような理由付けが出てくるんだな】

という期待感&安心感が出て、わくわくした気持ちで読むことが出来ると思うんです。

その時の妹やおっさんの顔は、せめて半ページくらいまるまるとったアップで表示されるべきかと思います。
2話で完結しないことは読んでいくうちにうすうすわかりましたが、タイトルが出て、妹が出て、おおよその話の展開が

わかったあたりで、「なんでそれまでの冒頭部分にこんなにページを割くのだろう?」とちょっとストレスを感じました。

大長編のようなので、それならあれでもいいのですが…。

とにかくここまで読んだら、最後まで読んでみたいですね。

●No.024 ほんの小さな大冒険 136P   鼻毛  9点
これまたレベル高いっすね。絵が魅力的です。
やはりつい、プロの作品に対するような不満を感じながら読んでしまいました。
お母さんの決めゴマは、子供からの目線で、絵柄的にも、もう少し怖く(子供の主観に寄り添った絵)にした方がよいかと

思いました。

ところどころにある回想シーンが、もうちょっとぱっと見て挿入された回想シーンだとわかるようにする工夫があったらとも

思いました。
意外と読者は、なにかやるときは思いっきりわかりやすくやらないと、ひっかかってそこで心が止まってしまいます。
思いっきりわかりやすくやりたくないときには、それに代わる高度で超絶繊細なテクニックが必要になります。
ネズミはなんでまるまるしていてころがってきたのでしょうか?ころがってきたということは外部から紛れ込んできた? 

意外とそういうところは気になりますので、上手に(テンポの邪魔にならないように)説明を入れてやる必要があるかと

思います。
あと、子供の話にしては、お母さんに肩入れし過ぎなように思いました。

空に船を観た後のお母さんは、自分勝手に豹変し過ぎに見えてしまいます。
そうであれば、そういう子供っぽいお母さんを、たろくんが大人だから認めてあげているんだ、と言うニュアンスを

表情やコマ割りで表現するか、あるいはお母さんがコロコロ変わっている感じをなくすために、

「塾1回に減らそうか」の発言の前に、たろくんと食事しているコマ→食事しているたろくんの顔(母親の見ている感じで)

→たろくんを見ながら箸がとまり、じっと見つめる母親の顔→それに気づいて「どうしたの?」ときくたろくん

というような間を入れるなど、工夫をするといいかと思いました。

あと、ペンネームはなんとかならないかなあと思いました。

作風や、届ける人たちの趣味に合わなさそうです。

もっとパンクでえげつない内容の漫画だったらこれでもいいのですが。
とはいえ、中編としてまとまっているのもいいし、その中での広がりも見事で、もっと短くした方がいいとか長くした方が

いいとか思わせないのも素晴らしいです。9点入れときます。

 

No.026 リンゴォ     41P     ゴヤ十字6   7点
ところどころこなれていない感じもありましたが、とても面白かったです。
ナイフが出てきたとき、そして銃が出てきたときはおおっと思いました。
こなれていないと感じたのは、コマ割りですね。
もともと41ページと、短編としてはふくらんでしまっているのですから、もっと思い切ってところどころに大ゴマを

使ってもいいかと思います。
とくに、ラストの「さあ、リンゴを探しに行くのよッ」のコマあたりは、ドーンと決めてほしいです。
今回、力作が多いので、7点です。
 
 No.042 オキナワメモリーズ 42P  佐藤ダイン   5点
う~ん、なんか習作っぽい感じになっちゃってませんかね。

もうちょっと作品として体裁を整えて(もちろんパワーは落とさず、むしろ整えることによって強化されるような

そういうやり方で)しっかり準備してから提出した方がよかった気がします。
最初からネーム派ですか?プロットからネーム派? 最初からネーム派でしたら、2度目のネームが必要な気がします。

それなりには面白いし、主人公の気持ちもわからないではないですが、もう一歩です。
ダメな友達の愚痴話と、いいことあった話に付き合わされている感じです。
もうちょっと描けるはずです。頑張ってください。

●No.044 宇宙くん けめちゃん  40P   8点
設定と、細かいネタが成功していてとても面白いです。
作品自体が「陳腐な言葉が跳梁跋扈」になりかねないところを、うまく楽しめるように演出してあって、すごいです。
せっかく「4歳児」なので、子供を描く練習をして臨めば、さらによくなるかと思います。
なぞなぞねたは、基本的には、読者も答えは知っているという前提ですよね? だとしたら、少し引っ張り方と、

落とし方に工夫がいるかと思いました。
そこだけ直ったら、僕が担当編集なら、掲載前提で作画にGOです。力作が多いので、8点にしておきます。
   

No.048 てんぐ子    8P×3(24P)    仮面凸   7点
発想とテーマがとてもいいです。絵も十分合格点行ってます。ギャグも、ネタ自体は面白い。
残念なのはギャグを見せる演出が、それらに比べると弱い(=普通レベル)ということです。
演出が弱いので、作者自身でもそれがわかっているからでしょう。どうしても説明的になってしまう。
2話目の冒頭「めっちゃオーラあるぜえええ」のところでは、そのコマを見ただけで読者もそう思えないとまずい。
そこが弱いので次のコマで説明しなくてはならなくなる。
十分に訴えたうえで、ダメ押しで説明を加えるのであればいいのですが。
例えばそのコマでは、そこだけでもいいので主人公の顔を劇画風にして、黒人らしさを骨格やパーツのディティールで
表現し、店主の主観ではこう見える、というのを絵にした方がよかったのではないかと思います。
全身の絵とともに、顔のアップなどをいれてもいいですよね。
そのあと、てんぐ子が店に入ってくるコマも、わかりにくいです。
コマの中のセリフや人物の位置関係、コマとコマのつながりなど、勉強した方がいいと思います。
あと、全体的にあっさりしすぎかと。
間にもう一つくらいエピソードを作って入れるか、このままのストーリーであれば、
川の土手のシーンを膨らませて、テング子のアップなどもしっかり入れるべきかと思います。
才能はあるので、努力を積んでください。期待しています。

No.056 チャラ男プログレス  83P  阿久津 圭    7点
この人も、ネタもテーマもすごくいいですね。やはり演出力の不足で損をしている。
この人の場合、作画の枝葉の演出ではなく、プロット段階での練り込みが浅い気がします。
この作品における一番のネックは、チャラ男が、自分でそう思っているだけのだめなやつなのか、
実際に何人ものいい女を転がす実力のある本物のチャラ男なのかが、読めば読むほどわからなくなって、
作品に集中できないことだと思います。少なくとも、チャラ男本人の内面描写を見る限り、とても女を転がせそうにないです。
ヘタレた部分があってもいいのですが、ほんもののチャラ男を研究して、上手にキャラ造形をする必要があると思います。
 あと、作品の核の大きさの割に、話が長すぎます。後半退屈してしまいました。
もう少しシェイプアップしてからネームに取り掛かるといいかと思います。
素材としてはボツにするのはもったいないので、直したものを読んでみたいですね。

No.078 〜スッポンvsボルト〜スボルト     14P     西山 田   7点
ネタとしては面白いです。短いのでストレスも少なかった。
こういうのをとことん量産できるのであれば、プロとして食っていけるかもしれませんね。
ひとつ気にかかるのは、ネタが大人向けなのに、内容やノリは少年誌向けなことでしょうか。
そういう誌風の雑誌もあるので、大丈夫かとは思いますが、先々のために、
下ネタ抜きでも量産できるように、などいろいろな注文に応えられる底力を養っておくといいかもしれません。
 力作が多いので、7点にとどめます。

No.079 タッケン     45P     尾山剛彦   6点
「よけー傷つくわ」「またまた」などの吹き出し外のセリフを活字で入れるのは、今の漫画界ではメジャーになっている
(=読者がスムーズに読める)のでしょうか?
モノローグとの区別がつかず、作品に集中できませんでした。
モンモンとの比較のコマも、モンモンだとわからなかった。ネームだからということであれば、矢印つけて「モンモン」と

書き添えておくべきです。
この長さであれば、とびらはしっかり1ページとった方がいいです。

そこの「男前」も、単に顔つきのことかと思って読み進めたら、どうやら傷のことのようで。

ネームなので、丁寧に描きこむ必要はありませんが、だいじな情報は、わかるようにしておくことが重要です。

それは商業誌でやっていく際にとても重要だからです。
特に意識せずとも自然に読者の読みやすいように工夫できる、そういう状態まで鍛錬してください。
いじめっ子の名前が、ラジオネームに組み込んであるのであれば、いじめっ子登場シーンで、
もっともっと「金子」という名前を覚えてもらえるように、工夫するべきです。
たとえば、いじめられた後、取り残された後に、「金子~~~~!」と大ゴマでモノローグで叫ぶ、
くらいのことがあると、ようやく印象に残るかもしれません。
「養成所」も、前に一度出ているくらいでは、進路相談のところで「養成所」といわれてスムーズに「芸人養成所」と
イメージすることは困難です。ちょうど、公式の文書に書くというネタなのですから当たり前に、
「こんなんにお笑い芸人養成所なんて書けるかい」と書けばいいと思います。
 作者が思っている以上に、読者はいろいろなところでいろいろな読み方をしてしまいます。
それを想定して、自分の読んでほしいところに間違いなく誘導できる力が必要です。
それをはぐくむには、いろいろな世代、いろいろな環境の人と話をしたりする、それが出来ないならば
それと同等の訓練になる何かを自力で見つけ出してやるべきです。
対話力を身に付けるよう頑張ってください。
 あと、漫才のネタは、ナレーションでゴマかさずに、ひとつひとつちゃんと作って入れた方がいい。
この漫画でタクがケンさんから学んでいることを、作者もしっかり行って下さい。
ペンネームがふつうなのはとても好感もてます。
 
No.098 一万年眠り姫    118P    JHN     6点
貧民屈で生まれた人間が「いろんな人」を見てきた。その「いろんなひと」とは、普通に考えると
高貴ではない人たちでしょう。そんな主人公に「その私が言うのだ」と言わせるのは、とても違和感があります。
それがオチにつながっていくのはわかるのですが、わかり過ぎるというか…。
どこまでが作者の狙いなのか、単なる迂闊な作者なのか、初めての読者はとまどいます。
そういうところも含めて、冒頭がとても入りにくいし、ページも取り過ぎだと思います。
新人なりの、信用の得方というものがあるので、それを身に付けて下さい。
一万年後に入ってからのテンポはそれなりにいいです。
しかしやはり、オチが読めたまま読み進めて行くので、散々何十ページも読まされて、
予想通りのオチ、というのは、非常に物足りない感じです。
姫にふられた後は、完全に置いてきぼりを食らった感じです。
絵が入るとまた違うのかもしれませんが、なにしろ、知らない人の作品を読むというのは、
読者にとってかなりの重労働であるということを忘れず、サービスを心掛けて下さい。
 
No.114 深海病     29P     山野木世美    6点
最初の見開きで、深海魚が病気にかかっていること→それを食した魚も病気にかかっていること、
それを鳥が食べることで鳥も病気にかかっている、というのをもう少しわかりやすく提示するといいと思います。
例えば、浮かんだ魚(ブツブツがあるなど明らかに病気にかかっている)のコマの後に、鳥が魚を食う口元のアップを挟む、
などをするだけでも、流れが見えやすくなります。
次の見開きには、涙を流し続けている少女のアップや、深海病が人によって症状が違うことを

説明するテレビ番組のナレーションが必要でしょう。
シュールを楽しむためにも、わかりやすい導入は必要です。あるいは、もっと突き抜けた感じでこの作品は不条理ものです、

と一発で伝わるような導入にするなど、何らかの工夫(気遣い)が大切だと思います。
 話全体も、もう少しがんばって、エピソードやディティールを増やし、読み応えのあるものにした方がいい。
発想力は大切ですが、それを作品に育てる力が必要ですし、そういった「調理」をしてもなおパンチを失わないほどの発想であることも必要です。
 
No.118 百億円の花器 32P もも   6点
読みやすく、なかなか面白かったです。
しかし主人公が、内面的にも外見的にもとても33歳に見えない。
もしこのモデルになったような出来事が、作者自身3歳の時に起こったのだとしても、
漫画にするときにはせめて20代真ん中くらいまで、年齢を落とした方がいいと思います。そういう内容です。
ぼくも、20代から30代にかけての悩みを、中学生に置き換えたりしてやっていますし、
ガンダムやエヴァなども、そういう手法を使っています。全体的な演出も、いろいろ未熟な感じです。
丁寧に準備してからネームに取り掛かる。あるいはネームに起こしたのを分析して、もうちょっと練れたものを

第二ネームとして、それを応募に出すなど、漫画を描くにあたって面倒な中間部分の努力を惜しまないでください。


●No.122 ぼくらのこえ 松山アラタ 38P   8点
癖のない、しかし個性は感じる絵柄で、気持ちよく読めました。

こういう作風を取り入れたいと思っていたので、刺激、参考になりました。
少し、物語の山が、内容的に物足りない気がします。親友の言葉一つでぱっと変われるというのは、

現実世界においては素敵な現象ですが、作品(創作物)の中では、肩透かしに感じてしまいます。
なにか、主人公が変わるために「なるほど!」と読者が満足できるギミックを入れ込むか、
今のリアルなストーリーラインを届けたいのであれば、肩透かしに見えないように、

なにか工夫を折りこむ必要があるのではないかと思います。合格点は出ているし、期待も持てそうなので、8点

●No.134 Big Cheer!  奈央 52P   8点
この内容を描くにしては、体を描くのがうまくないですが、それでもほかにいろいろ魅力的な点が多かったので

面白く読みました。
導入部分で、ひながテレビでそれ(チアリーダーの活躍)を見ているということが、ぱっとわかりにくかったです。
まず、テレビ画面に映っている女の子、のコマを描いて、そのあとに「ガタン!」のコマを入れるなどという

工夫をするだけで、気持ちよく読めると思います。
体脂肪率の説明のところは、「体脂肪率」のコマの次に、次のページの「筋肉は脂肪より1.2倍重い」の説明を

したうえで、他の詳細の説明に入った方が、読んでいて負担が少ない気がします。
ラストのコマは、ちょっとギャグっぽく見えて、惜しい感じです。アップの絵と、

ロングの絵をつなぐジェット噴射みたいな効果線はなくてもいいでしょう。
主人公が、熱意の割に、わりとすぐ「出来るわけないよね」とかモノローグで言うのは、いくらなんでも考え浅過ぎと

思ってしまいますが、他の方の作品でもそういうのが多いので、若い世代の方ならOKなのでしょうか。
こういう時、応募者の年齢が知りたくなります。ハイティーンか20歳過ぎの作者であれば、全く問題なしです。
とても質の良いビルドゥングスロマンなのですが、この内容を描く手つきが未熟だと、説得力が落ちてしまいます。

それを感じさせない境地に達することが出来るよう、主人公のように漫画を頑張ってください。

 

No.135 告白    40P    鼻毛   7点
面白いです。作品自体に小物感があるので満点にはできませんが、
欠点の指摘しにくい作品です。他の二つの方がいいので、7点つけときます。

No.142    箇々露のうた    25P    椣川とまた    6点

うう~ん。世の中はこの主人公みたいな人のためにこんなに尽くさないとダメなのかな。

えみちゃんがけなげすぎる。

メインはなつこの救済でもいいんですが、もうちょっとえみちゃんは、もちろん言い方を考えてだけど、

なつこに厳しいことを言っていいんじゃなかろうか。
お互いの辛さを分かり合うシーンにすれば、断然よくなると思います。
中盤の、なつこの「あやまってほしいわけではないのです わかってほしいだけなのです」

のモノローグには度肝を抜かれました。ここは自分に対する反省が来る場所でしょう。
入口は低くてもいいから、出口はもっと高く設定しましょう。
漫画の技術はそれなりにいいですが、あまりに精神性の部分で問題が多いので、厳しく点を付けました。
 
No.145  ホッカイダー    27P    バズ     7点
熊の話、最後まで読んで、主人公が単独行じゃなかったことにびっくりしました。早い時点で、仲間がいることを

はっきり提示しましょう。一事が万事で、これひとつしないだけで、作家の能力への信頼が失われて、

面白く読めなくなってしまいます。それはもったいない。
第1話以外は、ふつうに楽しめました。全体的にも、エピソードの質は平均して合格点を越えていると思います。
ウサギの生首の話はいい(=合格点をうんと超えている)ですね。
150ページ分くらいこの密度で(=5~6話に1話くらいは合格点をうんと超えるネタを入れて)単行本1冊分くらい
北海道ネタで描けるのであれば、需要があるのではないかと思います。
 
●No.167 エスパー黒岩成夫 13P    合間妹子    8点
 絵柄もネタもとても好きです。冒頭、コマ割りが下手だなと思いましたが、それ以降は

それほど気になりませんでした(やっぱり面白かったからかな)。
しょぼいエスパーネタというのはもはややっちゃいかんだろうと思うくらい使い古されていますが(しかも最近)、
予想を越えてくる上質なネタがぜいたくに13ページにまぶされていて、ぜいたくな時間を過ごせました。
この絵の味わいをなくさないように、もう少し絵が上手になるといいでしょうね。

でもそれはデビュー後でも大丈夫だと思います。

●No.172 アフロ警部の事件簿 74P  鼻毛    9点
面白かったです。いろいろなのが描けてすごいですね。

この作品の構成は、ウェブで読まれることを前提に作り上げたのでしょうか。
媒体の特徴を考えて、それを活かした実験作に取り組む姿勢は、意欲的でいいですね。

その上、紙媒体で読んでも、十分楽しめるものにもなっているのが、配慮したのかそうでないのかわかりませんが、

さらにいいです。絵柄も作品によって変えているのがいいですね。この作品の絵が一番好きです。

●No.185 漁場の人魚 99P えりつぃん    8点
ネームらしいネームで、ネーム大賞の審査をやっている実感を満喫しました。
面白いので是非完成原稿で読んでみたいですね。
その場合、このままではなく、細かくコマ割りや構図などは変更した方がいいかもしれません。
お姉さまと敵女のやり取りの場面などは、ちょっとページ取り過ぎじゃないでしょうか。
他の会話シーンについても同様です。コマの大きさにメリハリ付けてシェイプアップし、

その分、ページをアクションシーンに回した方がいいかと思いました。
あと、全体的にはこのラフさでいいですし、どういう仕上がりになるか分かっている担当編集に出す場合、

全く問題ありませんが、コンペなどで他の編集も読むかもしれませんので、ピンポイントでここはこういう絵になりますよ、

と伝えておいた方がいい決めゴマについては、もう少し描きこんでおいてもいいかと思います。
描きこみながら描くのではなく、こういうふうにラフに描き上げてしまってから、あとで足すのがいいと思います。

描きこみながらネームを描くとグルーブ感がそがれますもんね。ストーリーも、想像される絵柄も、王道な感じで、

読みやすいです。

デビューはこれでいいんじゃないでしょうか。後々は、さらに個性的な作風を模索して下さい。
 
●No.188 一射入魂!! 見原由真  8点    
オチもついて、とても完成度の高い短編だと思います。
ただ、全体的に、優等生っぽい感じが…。ところどころでいいので、はみ出した感じがあると作家として印象に残ると思います。
まあそれはデビューしてから模索してもいいことなので、あくまでアドバイスということで、大きな減点対象にはなりません。
決めシーンが、アップにするべきところをロングにしていたり、客観的にコントロールしようとして

(その心がけ自体はいいです)、逆に客観的に見て物足りない構成になっている感もありますので、

そこを自分の癖として認識し、調整するといいと思います。

 

No.195 BASKING     81P     TAKA  7点
雰囲気のある絵柄で、構成も詩情があり、ややマイナー嗜好向けの閉じた感じはありますが、けっこういいと思います。
もう少し、後半の数話を、つながったエピソードとして大きなヤマにして描いてみると読みごたえが出るかもしれません。
商業雑誌の中でよりも、コミティアなどの同人誌即売会で、素敵な本にして見る方が似合う気はします。
読者にとって、そういう出会い方をした方が、楽しめる作風だということです。
雑誌に載せることを考えると、もう少し詰める部分は詰めて、ページを減らしてもなお、
これと同じ迫力と余韻が出るように、工夫してみてほしいですね。
普通のフォーマットでの短編も読んでみたいです。
 
●No.199 カーニバル 60P 屋乃啓人  8点
いい感じです。完成原稿で読んでみたい。
少し、会話シーンにページが撮られ過ぎている感じがあります。
会話シーンを整理して出来る限りシェイプアップし、アクションシーンについてはもっとぜいたくにページを

とっていいと思います。多少、王道過ぎて、出てくる展開やセリフが予測できてしまうところがあるので、

セリフのやり取りが少し退屈なのかもしれません。
ラストは、二人の後ろ姿でもいいのですが、それでしたらその前に、アップ(ミドルショットでも)で、

向かい合っている絵が欲しいところです。その絵をラストにしてしまってもいい気がします。

 

No.207    ケバブの女    24P    ヤマモトヨウコ    6点
 今回、非モテ系のやや幼い感性、設定の作品がとても多かったので、
「お、珍しくあるていど経験積んだ主人公の悩みが読めそうだぞ」と期待して読み進めたのですが、
経験率が低い女の人の話だった…(汗)。
よくわからないところも多くて、何度も読みなおしましたが、やはりよくわからなかったです。
戻ってきた「さっきの」男というのは、7Pのカップルの男だったんですね。これは何度か読み返して
「たぶんそのようだ」とわかりましたが、なんで主人公に告白してきたのかよくわかりません。
…と書きながらもう一度読んでみたら、彼氏が告白していたのは相手の女の子に対してで、
それを主人公が見ていた、ということだったんですね。
ネームなのでラフなのは構いませんが、構図などが追いにくいと、なかなか理解しにくいです。
もし商業漫画誌でのデビューを目指されているのであれば、
読者がどう読み間違えるかをある程度想定し、読み違えないようにきっちり誘導することを、
自然にできるようにしなくてはいけません。
13ページの2コマ目が、わかりにくいのかなと思います。
セリフも、16ページの「何それ」というモノローグが、重ねて誤解を招きがちになってしまっているように思います。
タイトルのケバブも、ラストページに出てきますが、作中のどこで出てきたかよくわかりません。
ネームは勢いよく描き上げるべきですが、その前と後に、じっくり構成し演出する作業が必要だと思います。
 
No.228    じじいとトレモロ    24P    たにやん      4点
う~む。冒頭の絵柄や演出がフツウのストーリー漫画っぽかったせいか、この漫画がシュール&スラップスティック
だという認識がなかなか持てず、うまく笑えないまま読み終わってしまいました。
猿山に落ちるところも、サルに襲われる前に、普通に首の骨とか折って死んでるだろ…とか思ってしまって…。
 
No.232 独り言     16P     kmrno     4点
ネタは、ちゃんと描けば面白くなりそうな気配なのですが、とにかくいろいろ漫画として
わかりにくいので、なかなか入っていけませんでした。
誰のセリフなのかがよくわからない。洋子と洋介が夫婦みたいなのですが、なぜ同じ「洋」つながりにしたのでしょう?
同じ「洋」にすると、兄妹か何かのようじゃないですか。
初めて描いた漫画でしょうか? たくさん描いて、それを読み返したり人に見せて感想を聞いたりして、
他人に読ませる作品に必要なことを身に付けていってください。
 
No.235 ゴッホのように散るだけだ     29P     チョビベリー    4点
 ネタは面白いですが、どうも作品としてあまりに練れていない感じです。
これを第1ネームとして、しっかり読み返してもうちょっと体裁を整えてから第2ネームを描き、応募した方がいいと思います。
 
No.240 ファットボール 47P  Taka      5点
 テーマとしてもいいし、総合的にもそれなりに上手です。
しかし、決め絵が決まり過ぎるくらい決まる絵柄ゆえにますます、主人公がとてもいけ好かない感じで、

感情移入しにくい作品でした。
テーマは、こういう主人公のようなキャラの良さを周囲は認め、欠点ではなく長所を伸ばしてやるべきだ、ということでしょう。
だとしたら、主人公は、彼を受け入れる立場の先輩の誰かにするべきではないでしょうか。
 
No.244  二番手の男    32P    すずきくみこ    6点
なんかとても面白そうな話なんですが、説明が下手なので、楽しむところまで行きませんでした。
絵やコマ割りのぱっと見は上手なのですが、その根本にあるべき、他人に読ませるための心遣いが

あまり機能していない感じです。
例えば冒頭、鼻娘を作品の一部にする、というのが、背面からの絵→極端なアップというコマ割りのため、よくわかりません。
漫画の極意は、それぞれの読み方をする多くの読者に対して、誤解なく、誘導して自分の本意を伝えることかと思います。
4~5点にしておこうかと思いましたが、絵柄やネタが魅力的で、何とか今後頑張っていい作品に育ててほしいので、
6点つけておきます。
 
No.250   闘☆GAY    34P    厳男子    6点
なかなか面白かったです。絵柄(特に登場人物の目つき)も引き込まれるものがあります。
ところどころ演出で惜しいところがあり損しているように思います。
例えば、「無難」の次のコマは、セリフなしで主人公がハッとしている間が必要かと思います。
それがあって、その次のコマで、「お前は戦士として生まれた」以降のセリフを進めるべきでしょう。

それのあと、「マイナスの仕事」というのが意味がとりにくかったです。
乗れる人は乗れる、笑える人は笑える作風だと思いますので、作風が世に知られ、読者に準備が出来れば、

単行本を手に取る人も多いかもしれません。
しかしまずは、準備のない読者を、自分の世界に呼びこんでこなくてはいけません。

それを意識して、次回作を描いてみて下さい。

 

鍋島雅治・テキスト講評

 

No.014 エルソナ・シンドローム(ネーム版)154P 左 紳之介 9点
本格的なSFダークヒーロ物。クリーチャーのデザインも独特でセンスを感じます。もう少し、展開が早ければ。

じっくり読ませるだけの力量はありますね。ぜひ、これからの展開を読みたいところ。

No.024 ほんの小さな大冒険 136P 鼻毛 8
太郎くんと、ケンちゃん、いい感じ、ステキな友情。豹変する太郎君のお母さん怖い。箸が止まるシーン、印象的です。
ヤクザ、船だ。急展開。お母さんの過去。太郎君せつない。お姉さんかっこいい。めくるめく冒険、スペクタクル。宝船! 

七福神!意外な展開。ぜんぜん、ほんの小さな冒険ではありません、大冒険です。余韻ある終わり方ですが、

太郎君一人ではなく、ぜひその後のケンちゃんも描いて欲しかったと思います。
いやぁ、ほんわかした作風だけど充分にドキドキワクワクさせてもらいました。好きですね、この作風。

 

No.026 リンゴォ     41P     ゴヤ十字6 7点
リンゴは富の象徴?  代わりに与えられるナイフ。
意表を突く展開のラスト。
この世界は現実社会の縮図か、人間の本性を問う誰かの実験なのか。
怖いですねぇ。哲学的な示唆に富む意欲作。

No.042 オキナワメモリーズ 42P  佐藤ダイン 6点
最近の若者は旅行しないって聞くけど。きっと本当なんだなぁ。
でもだからこそ、初めてに近い旅への期待と感受性が初々しいです。
色々あってからのダイビングシーン、感動的だなぁ。
ボクも沖縄、よく潜るけど最初の頃はキレイでびっくりするよね。
楽園なんかない。今生きる現実が美しいという事を若者が見付けるテーマはいいですね。
旅っていいよね。何か見付けられるとなおいいよね。ちょっと成長した気がするし。ボクは嫌いだけど(笑)
普遍的に皆さんに愛される小品ではないでしょうか。

No.044 宇宙くん    40P    けめちゃん     6点
ハードボイルドな園児の、独白台詞のセンスがステキ。
なぞなぞの苦悶から、彼の目線が平場に降りる瞬間がいいですね。
じわじわ笑えるよくできたお話しです。
ボクはピカチュウじゃない。ぴぺちゅーの出て来る第三話「俺達の挽歌」が大好きです。

No.048 てんぐ子    8P×3(24P)    仮面凸 8
天狗あるある「プリクラで顔認識されない」爆笑してしまいました。
鼻が痛い。爆笑しました。てんぐ子さん確かに可愛い。「もしも天狗の女子高生がいたら」だけにとどまらない、

キャラが立っていてステキです。
あっという間のボーイツーミツガールとさよなら。笑えて、せつなくて、泣けて、とても可愛いお話しでした。

おっさん、この話大好きです。

No.056 チャラ男プログレス  83P  阿久津 圭 9
女の子と女の子に見える男が可愛い割には、男である主人公の絵が雑すぎる気がしますが、

三人とも充分にキャラが立っていて見分けもつくので良いでしょう。
途中のジェンダーの逆転が面白いです。いやぁ男と女と、恋と友情のお話し面白かった、泣けました。

 

No.078 〜スッポンvsボルト〜スボルト     14P     西山 田 6点
ま、まさかのシモネタ落ち、まさに一発勝負。
その潔さに感動しました。でも一番早いのはウサギさんだよね。

No.079 タッケン     45P     尾山剛彦 8点
熱血大作ですね。お笑いベストキッド的な。ストレートに感動しました。
最後のカタルシスも最高です。
ちょっと気になったのは決勝までは行かなかった。のは分かるのですが、どこらへんまで行ったのかな?勝負に勝てた。

道を譲らせた。から、いいんですけどね。
もう少し勝負の後の余韻や喜びが欲しかった気もします。
この先の展開を思わせるようなね。


No.098 一万年眠り姫    118P    JHN 9
わぁああ。せつないお話しですねぇ。
ファンタジーだけどリアルだけに、せつないですね。
まさに現実世界の映し鏡というか、男女の仲でよくある普遍的な事柄ですものね。

愛情をあきらめる事が出来ない人間は鬼になるしかなくなる。
ストーカーって奴ですね。悲しいことです。

そのようなごく人間的なリアルな構造と心とテーマをうまくファンタジーに乗せて描ききっていると思います。
バッドエンドではありますが、最後の主人公の矜恃が光ります。

 

No.118 百億円の花器 32P もも 5点
なんかシンプルないい話ですね。どうやって花瓶が来たのか、 花瓶の制作者と同じように父子の確執か愛情のような物が、主人公と父と子にもあったのか?なんか投げっぱなしというか、スルーしていてもったいないという か食い足りないところもありますけど、主人公の青年と花瓶に絞って淡々と書かれているところも味と言えます。


No.114 深海病     29P     山野木世美 7点
不思議な病気のお話。悲しくてもばれないから。せつないラストでしたね。

 

No.122 ぼくらのこえ 38P 松山アラタ  7点
将棋は会話である。将棋を巡る内気ないじめられっ子の少年とそのライバルの少年の友情のお話し。良かったですね。
大阪に転向しても、転校先でもイジメられないか、ちょっと心配ですが、勇気を持てた彼なら大丈夫かな?勇気を持った彼に現在のイジメに立ち向かって欲しい気もしましたが、そこまでの事は描かないのがリアルなのかもしれません。
転校を機会にがんばって欲しいです。ネット将棋で会話し続ける事が吉か凶か。
最後の会話だから。というお膳立ての興をそぐ気もしますが、書かないと、確かにネットがあるじゃないか。

と突っ込まれそうですね。難しいとこです。

No.134 Big Cheer!    52P    奈央 7点
本格的なスポーツ根性物を久し振りに読みました。
すがすがしい作品ですね。180のトップと言うアイディアも秀逸ですし、チアリーディングの楽しさ、厳しさがよく伝わってくるチア愛溢れたいい作品です。
途中、主将の意図が割と早く分かってしまうのが惜しかったかな?
もう少し謎として、引っ張っても良かったかも。

No.135 告白    40P    鼻毛  6点
シンプルなインフレエスカレートギャグですね。
中二の想像みたいですごく楽しかったのですが、ちょっとオチが弱いかな。
可愛い絵です。

No.142 箇々露のうた 25P 椣川とまた 6点
女の子同士の友情ってこんな感じなのかな、大変だなぁ。
そうだよ趣味なんてあわなくて友情は友情だよね.関係ないよ。
仲直りできて良かったです。妖精さんたちが、途中いい仕事してましたなぁ。
あそこ、感動しました。

No.145  ホッカイダー    27P    バズ  8点
毎年のように北海道にスキーに行っているボクですが、そんなことではとてもい味わえない北海道の多彩な楽しみと、魅力がとてもよく伝わってきます。
何よりあまりドラマのない淡々とした語り口ながら旅の本質がよく描けていると思います。
旅嫌いのボクまでも北海道への旅へ誘う、楽しい作品でした。

No.167 エスパー黒岩成夫     13P     合間妹子  7
なんか羨ましいようなそうでもないような微妙な超能力ですな。
ラスト、友情というほどの関係もない男同士の、そこはかとない感情がいいです。
だからこそ「社会貢献」なんですね。何の役にも立たない能力が社会貢献を、人様の役についにたったのですね、それは主人公も喜びでもあるのでしょう。
肩を無言でポンと叩くラストが渋いです。
でも、これ、大石君の慰めになったのか?ほんとに?

No.172 アフロ警部の事件簿    74P    鼻毛  7点
本格的なミステリー。その構成が特殊で面白いですね。
倒叙ミステリの変形という感じでしょうか。意欲的な試みに敬意を送ります。
面白い試みだし見せ方も上手で、構成も構図も台詞もすごく洗練されていて手練れだなぁと感心しました。

隣人の彼の心情もよく理解できます。
しかし、解決法としてはちょっと意外性にかけるというか、ドン伝返しにしてはちょっと弱いとも感じました。

教授が確認に行くところと逮捕を描けないのもカタルシスにややかけます、しかし面白い手法ではあるし

雰囲気もすごく良いので違う作品も読んでみたいです。


No.185 漁場の人魚 99P えりつぃん 9
一途で不器用な人魚姫、可愛いぃいい!惚れました。
お姉さんもいいキャラしてますねぇ。男前。恋愛物としても姉妹愛物としても感動して読めます。

特に74頁の逆立ちして陸に取りに行くシーンが大笑いしながら、でも感動的でした。

 

No.188 一射入魂!! 44P 見原由真  7点
よくできたスポーツラブコメです。なんか懐かしい感じもしますがとてもオーソドックスで面白かったです。

スペクタクル感もあって、最後の一本の使い方も良いアイディアでした。

 

No.228    じじいとトレモロ    24P    たにやん   7点
もうね、トレモロちゃんが不憫で不憫で。大爆笑しました。
それにしても二話目が一話目と少しは違うかと思ったら全くの同じパターン。
強気のテンドンに、我が目を疑いました。
No.235 ゴッホのように散るだけだ     29P     チョビベリー  8
考えさせられる、身につまされるお話です。物書き絵描き、クリエイターの持つ普遍的な懊悩を見事に描ききってます。

No.232 独り言     16P     kmrno  8
日常の裏に潜む謎。怖いミステリーかと思ってゾクゾクしながら読んでたのに。
こ、こ、こ、こんなオチーーーーッ?!! あー、びっくりした。大爆笑しちゃった、やられたなぁ。

まぁある意味、この上ないハッピーエンドというか。

なかなか特殊な性癖って奥さんには求めずらいので、結果的によろしかったかと。末永くお幸せに。

しょうがないなぁ高得点。

 

No.240 ファットボール 47P  Taka   9
とにかくキャラが立っていて、面白かったです。台詞も構成もよく練られています。

欠点と言えるのはデブのキャラが格好良すぎてなんだか少しムカツクとこでしょうか。


No.244  二番手の男    32P    すずきくみこ 8
実在の華道の人物から得た着想、各々のキャラクター造形、プレッシャーのかけ方、緊迫感。

紙一重での逆転のアイディア、すべて素晴らしく、バランスがいいです。

ちょっと、ラストが尻すぼみというか、問題解決から畳むのが早すぎます。もう少し余韻が欲しいですね。

利家が天下取りたいと思ったのは、一度でも天下取った姿を家臣たちにに見せてやりたかったわけですから、

佐々木殿はじめとする家臣たちの感動の反応も描いて欲しかったです。

タイトルもちょっと分かりにくいかな。これは副題で、主人公に焦点を合わせたメインタイトルにしましょう。

 

No.250   闘☆GAY    34P    厳男子 7点
どんな芸術も、凡庸を乗り越え、個性の極みに達するには大変な集中力と研ぎが必要な物なのですね、勉強になりました。
これも「もし××な○○がいたら」系の発想のスタンダードなギャグキャラ造形だと思いますが、

ここまで突き抜いたらすごくいいです、最後まで押し切る勢いがすてきです。

 

以下、十作品を、第二次審査より推薦いたします。
●エルソナシンドローム 9
●小さな冒険 8
●てんぐ子 8
●チャラ男プログレス 9
●一万年眠り姫 9
●猟場の人魚 9
●ファットボール 9
●ゴッホのように散るだけだ 8
●独り言 8
●二番手の男 8


【総 評】
今回も個性豊かな作品が多くてとても楽しめました。特に今回は完成度が高く、バランスが取れていて

そのまま商業誌掲載に至るようなレベルの物が多かったように思います。

●チャラ男プログレス、ファットボール、二番手の男。一射入魂、Big Cheer! 、ホッカイダー、ぼくらのこえ。

などはそういう作品だと思います。

対して、ともすれば商業的な物から逸脱しているけれども面白いという作品、

●一万年の眠り姫、ゴッホのように散るだけだ。エスパー黒岩成夫独り言、リンゴォなどは、実に個性的で、

さすがネーム大賞。と思いました。どの傾向の作品も平均的に、とても高いレベルだったと思いますが、

今回はこのネーム大賞でないとお目にかかれないようなびっくりする作品はなかったように思います。

 

見ル野栄司・テキスト講評

 

No.024  ほんの小さな大冒険 136P 鼻毛

意外な展開を最後に仕込んであってよかった。
オチがお金でなくなにかよい出来事だともっとよかったかと。

 

No.026  リンゴォ     41P     ゴヤ十字6

箱物ドラマだが、不思議な魅力あり。ラストを解決あるいは脱出してほしかった。

 

No.048  てんぐ子    8P×3(24P)    仮面凸

まじあわらない二人をくっ付けたのが良かったです。

No.118  百億円の花器 32P もも

花瓶に見合う男になる部分…をもっと劇的にしてほしかったです。

 

No.134  Big Cheer!    52P    奈央

古き良きスポ根、素晴らしい。100年に一度の逸材か!?

No.145  ホッカイダー    27P    バズ

見やすい絵。リアルな北海道をおしえてくれた。

No.167  エスパー黒岩成夫     13P     合間妹子

スカートをめくれるエスパー。童貞ぽくてよい。

 

No.185  漁場の人魚 99P えりつぃん

人魚の恋  コマ割りうまし。絵うまい。

No.232  独り言     16P     kmrno

なにか不思議なシュールさがいい。

No.235  ゴッホのように散るだけだ     29P     チョビベリー
設定よし。正直な気持ちを漫画で訴えている。

言いたいことを魅力ある漫画設定に置き換えられる創作センスが素晴らしい。
見習いたいです。

 

※選出作品のみの掲載になります。何卒ご了承くださいませ。

山本英夫・テキスト講評

 

No.014 エルソナ・シンドローム(ネーム版)154P 左 紳之介 

絵の構図がとてもかっこよかったです。

No.024 ほんの小さな大冒険 136P 鼻毛 

オチまで長かったです。初めてのお使い、よりかはおもしろかったです。

No.026 リンゴォ     41P     ゴヤ十字6

これが一番おもしろかったです。シュールで人間の内側のみを表現していてよかったです。

No.042 オキナワメモリーズ   42P    佐藤ダイン

身につまされるような、とても身近なテーマでページが進みました。

No.048 てんぐ子    8P×3(24P)    仮面凸

小説では書きにくい、外見や見た目をテーマにした作品で、青春の風が吹きました。

No.056 チャラ男プログレス    83P    阿久津 圭

絵が可愛かったですね。

No.079 タッケン     45P     尾山剛彦

漫画の王道、いじめられっ子がいじめっ子に逆襲!おもしろかったです。

No.114 深海病     29P     山野木世美

ショートの映画のようで、アンニュイでした。

No.167 エスパー黒岩成夫     13P     合間妹子

パンチラ見たさにページが進みます。ご飯のお供!

No.250   闘☆GAY    34P    厳男子

主人公の髪型がいいですね。