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第7回ネーム大賞 Bチーム・
テキスト講評発表

Bチーム・テキスト講評(編集者・吉田円 漫画家・佐藤智美)

※1次審査Bチームのテキスト講評を発表します。サムネイルをクリックすると作品ページへ飛びます。
  • とある姉妹のものがたり

    B-001

    とある姉妹のものがたり 32P

    うづはる

    【吉田円】

    親を妹に取られたという思いの姉視点だが、よくある視点で、導入がダラダラしている印象。この手の目新しさのない設定は、冒頭8ページ以内にドキッとするようなオリジナリティーのあるセリフやシーンが欲しい。

     

    【佐藤智美】

    姉妹「あるある」…な作品。
    外面も愛想もいい妹のムツミと幼い頃から比べられて育った主人公・美紀。
    いつまでも頼りない存在だと思っていた妹との関係も、互いに大人になり
    徐々に変化が現れて…。
    「姉妹」という身近なテーマからイイ話を描こうとしている姿勢がひしひしと伝わってくる…とても良い作品だと思いました。ただ作品全体的に平坦な印象を受けます。故に最後の旦那さんの改心の仕方がかなり急展開に感じました。もう少しお話の途中で姉の美紀が妹のムツミを明らかに毛嫌いしてしまう…そういう画面を作った方が、最後のシーンも更にドラマチックに感じられるようになるなど、作品にメリハリがでてくるのではないでしょうか?

  • やもり姫

    B-002

    やもり姫 51P

    たからもも。

    【吉田円】

    冒頭から説明が長い。特殊設定だが、読み手に先を読みたい、こうなって欲しいと思わせるものが弱い。

     

    【佐藤智美】

    ページ数の割に長い印象…な作品。
    高校に通うため、祖母が亡くなり空き家となった一軒家に住むことになった主人公。久しぶりに訪れた祖母に家に一歩足を踏み入れると、そこには「ヤモリ」がうじゃうじゃ。大嫌いな「ヤモリ」に囲まれてうずくまる主人公の脳内に何かの「声」が響く。その「声」の正体はなんと…一軒家の住人である「ヤモリ」達だった!!
    お話自体はヤモリ「愛」(?)に満ち溢れ、「習字」への造詣を深めることができるという…とても興味深い作品であり面白く読むことができました。ただ今まで作者さんが得意としてきた作品のテーマ…「人と動物モノ」の別バージョン?…という印象が強かったです。
    お話の構成に関しては、特に1話目はモノローグでほぼ全て埋め尽くされているため、少し読みづらさがあり勿体無く感じました。時系列的に順を追って説明する姿勢は作者の誠実さが出ており好印象を受けますが、丁寧な分お話自体も長くなってしまいますし、画面的にも魅力が減ってしまうので、構成の順番を変えるなど工夫をした方が見やすくなり、さらに良くなるような気がしました。

  • 伽藍の処遇

    B-003

    伽藍の処遇 44P

    上田てふと

    【吉田円】

    ストーリーの起伏が弱い。この手の話は、ネームセンスがよっぽどないと読者のモチベーションを保てないと思います。それと、もう少し分かるようにネームを切って頂けると有り難いです。プロットが頭に入っている状態で読むなら問題ないですが、今回は読む側に予備知識がない状態です。

     

    【佐藤智美】

    主人公のキャラ設定が弱め?…な作品。
    祖父の葬式で親族が集まる中、祖父の住んでいた家をどうするかという問題を「いい大学に通っているから」という理由だけで押し付けられてしまう主人公・咲(さき)。咲は自身が通っている大学の中で謎の威圧感を身にまとう建築学科の教授・布袋の協力を得ながら祖父の残した古民家の再生に奔走する。
    「古民家の再生」というテーマが斬新かつ興味深い作品だと思いました。
    古民家ならではの建築ウンチクや工夫なども読んでいて「へぇ〜」と思うことが多く、建築に興味のある読者にとって「なるほど、こうきたかぁ!」と面白く読めるのではないかと思います。ただ物語を引っ張っていくはずの主人公が終始「受け身」な部分が多すぎることが気になりました。最後の方は教授に淡い恋心(?)のようなモノも抱くのでしょうか?このページ数であまりいろいろな事に話を振りすぎると物語の主軸がぶれてしまうかもしれません。とにかく、お話の主軸を絞りどこかで教授に主人公の「受け身」な部分を指摘され、主人公が自分を変えようとする…あるいはそれを表明する描写が必要かもしれませんね。正直なところ、この作品はこのネームだけでは判断するのが難しく、損をしてしまっていると個人的には思っています。「建物」がいかに魅力的に描かれているかも「鍵」となるので、主人公も含めてどのような絵が描き込まれるのか…楽しみな作品だと思いました。

  • プロミス!!プロミス!!

    B-004

    プロミス!!プロミス!! 52P

    グラス最強

    【吉田円】

    競馬愛を感じるネームで、読ませるだけのセリフや構図がありました。ただ、短い中でまとめている分、主人公キャラ(もしくは主人公馬かもしれませんが)が立ちきれておらず、ダイジェストの説明漫画を読まされているような印象になってしまったのが残念でした。

     

    【佐藤智美】

    実話を元にした…な作品。
    日本の競馬騎手&競走馬が世界を相手に闘った実録モノ…といったカンジの物語。作者の方の「競馬」に対する愛情と熱意を存分に表現した作品かと思います。特に馬の描写が躍動感があって非常に魅力的ですね。ただ、競馬に興味のない読者にも「読みたい」と思ってもらえるだけの「漫画の技術」がまだ不足しているため伝わりづらい部分がたくさん見られます。
    例えば物語での冒頭部分、この漫画の主軸となる2人の騎手の登場については単純に小さいコマで登場し、ライバルの外国人騎手に関しては「ガム」を膨らましていて顔が見えなかったり、肝心の主人公も名前と顔が一致するまでにかなりのページ数を要します。漫画のページをめくっただけ、絵だけ見ただけでも「この男性が主人公」「この男がライバル」という情報を読者に与える事は非常に重要かつ効果的な表現方法だと思います。主人公とライバル、そこに2人の乗る競走馬の情報…この4つを「文字」だけではなく「絵」で魅せようと意識的にコマ割るだけもとても読みやすい作品になるかと思います。これはこの作品だけでなく、すべての漫画表現で使える方法かと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

  • ブラック企業

    B-005

    ブラック企業 12P

    電気うなぎ

    【吉田円】

    ある意味での「釣りバカ日誌」的なノリだと思いますが、ページ数が少ない分、単なるネタで終わってしまった感じ。

     

    【佐藤智美】

    シンプルイズベスト!!…な作品。
    ドSな美人女性上司が君臨する「ブラック企業」のとある部署。今日もそのどS上司に蔑まれ罵られるべく、わざとミスを繰り返すドM男性社員がいる。ただそのミスを連発するドM社員の正体が……?
    ショートとして面白く読む事ができる作品だと思いました。ページ数といい内容といい…程良くまとまっています。最後の「1Pに戻る」のギミックもいいですね。この作者さんの長編の作品もぜひ読んでみたいと思いました。

  • 名どろぼう犬・ポポチ

    B-006

    名どろぼう犬・ポポチ 8P

    かきなし林檎

    【吉田円】

    昔懐かしい感じの絵柄とネームでした。ただ、今このノリとネタでいいのでしょうか?

     

    【佐藤智美】

    懐かしい…な作品。
    親に内緒ではぐれた犬に餌をあげている主人公。そんな中、主人公のお隣の家にどろぼうが入るという物騒な事件が起きる。次の日、はぐれた犬の飼い主がわかった主人公たちはその家にはぐれた犬を届けに向かう事にする。しかし主人公が向かったその先には……?

    絵柄といいお話といい懐かしい雰囲気の作品ですね。8pというページ数にもしっかりまとまっていますし、起承転結…漫画的なオチもしっかりと決まっています。
    ただ絵柄も含め全体的にすでにどこかで読んだことがある…既視感が強い作品だと感じました。また、読者層についてはどういった層に向けて描いているのかという所も非常に気になる部分かと思います。幼年層に向けて描かれたのであれば、もう少し主人公たちの造形に特徴をもたせた方がいい様に思いますが、でもこういった主人公たちが描き出す物語をぜひ現代の子供たちにも読んでほしいなぁ…という気持ちになりました。

  • 天才!はすきさんの日常

    B-007

    天才!はすきさんの日常 4P

    かきなし林檎

    【吉田円】

    講評は006と同じです。

     

    【佐藤智美】

    ショートショート…な作品。
    「 名どろぼう犬・ポポチ」と同じ作者さんの作品。1コマ漫画から4コマ漫画まで…多彩な作品が楽しめました。どの作品からも作者さんの誠実な人柄が滲みでてくるかの様です。唯一気になったのはタイトルにある「はすきさん」の存在でしょうか?作品内のどの登場人物にあたるのか、あまり関連付けられないのが残念だと思いました。

  • 時は前髪をつかめ

    B-008

    時は前髪をつかめ 33P

    橋田龍征

    【吉田円】

    テーマも展開もよくあるパターンですが、顔無しの幽霊を入れることでアクセントが生まれています。ただ、その幽霊の活用法がもう少し明確になっていた方が良かったように思います。

     

    【佐藤智美】

    男のロマン?…な話。
    極度に怖がりな主人公。クラスメイトに前日にTVで放送されていた心霊番組の話題を振られ、クラスメイトの前では強がって見せる主人公だったが実は毎夜毎夜自分の枕元に立つ裸の幽霊に悩まされている。幽霊の正体を突き止めなんとか解決しようと試みる主人公だったが……。

    思春期の男の子にありがちな日常、またテーマを描こうとしていることにまず好感が持てました。まぁ、途中で気になる女子生徒に迫られるシーンは少々うまく展開しすぎるというか「男のロマン」的な…「非日常」が入り込んではいますが、裸の幽霊のミステリアスな雰囲気と妙にマッチしており、不思議さを醸し出すのに一役買っています。この作者さんの今後描く作品が楽しみだと思いました。

  • 吸愛

    B-009

    吸愛 18P
    ※見開きでのページ数となります

    こいけ

    【吉田円】

    導入のマスカラの涙の掴みや、全体の構成もしっかりしたネームでした。先への期待感も持ちながら読めました。ただ読み切りのネームとしての既視感はありました。もう少し、愛した人を殺さないようにするための努力や方法を主人公が見つけ出して、懸命に愛して行くけれども…といった展開が欲しかったです。

     

    【佐藤智美】

    面白く読む事ができるけれど…な作品。
    借りるのに保証人がいらないという条件に惹かれてとある安アパートに住み始めた若い男性の主人公。しかしそこには思わぬ落とし穴が…。すぐ隣の部屋に住む「隣人」は明らかに問題を抱えていそうな若い女性だった。

    いわゆる吸血鬼もの&シリアルキラーものと言ったらいいのでしょうか?
    ネームも問題なくスラスラ読め、画力も高く描く人物も魅力的で…「漫画の基礎力」の高さを感じました。ただタイトルからまずネタバレ気味の作品で、勘のいい読者ならオチが読めてしまう可能性が高いと感じましたし、既視感のある内容なのが非常に勿体ない!!…というのが正直なところ。しかし既視感のあること自体は全く悪いことではなく、既視感がありつつもこの主人公でしかありえない、この主人公の行動がもう少し見てみたい…と読者に思わせるようなキャラ設定を行うなど、もう少し人間の内面に踏み込んだ作品作りをしてみるといいのではないでしょうか?

  • 未完全中2女子探偵 花咲みかん

    B-010

    未完全中2女子探偵 花咲みかん 34P

    カラクリタンス

    【吉田円】

    理由も分からず犯人だけが分かってしまう探偵という斬新な切り口で、理由をアインシュタインを引き合いに出して説明するあたり、面白く読めました。その後の展開も驚きがあって良いのですが、主人公の設定が特殊な分、犯人の設定も特殊なものにしてしまうと、稚拙な印象が出てしまいます。

     

    【佐藤智美】

    大変読みやすい!!…な作品。
    14歳…中学2年生の花咲みかんは証拠もトリックもわからないがとにかく「犯人」を言い当ててしまう「名探偵」。
    見事に犯人を言い当てて逮捕に貢献するも、学校のクラスメイトに「途中の証拠もトリックもわからないなんて、 ”未完全探偵”じゃん!!」といわれたことからそのクラスメイトたちを見返すべく証拠もトリックも暴く…「全部解決」をすると宣言してしまう。果たしてみかんは宣言通り犯罪の証拠を集め、トリックを紐解く…「全部解決」して犯人を捕まえることができるのだろうか?
    絵柄も見やすいですし台詞のテンポも良い…とても読みやすい作品だと思いました。
    また証拠もトリックもわからないがとにかく「犯人」を言い当ててしまうという主人公の設定も面白いですね。ただ全体的に「お話だなぁ…」という感じが強く、通常「名探偵コ◯ン」や「金田◯」のような「推理モノ」で必須の「犯人がわからない」とか「どんなトリックであるか」といった謎解き要素やドキドキ感が感じられないのが少し残念でした。
    まぁ、「推理モノ」というよりも「ギャグ」に近い作品なので謎解き要素やドキドキ感がなくてもいいのではと言ってしまえばそれまでなのですが、さすがに主人公を助けに来る特殊能力を持った刑事たちのオチは「ぶっこんできた」具合がすごかったですね(笑)ほんの少しでいいので主人公が活躍できる場を設けてから、最後の「結果オーライ」にまで繋げて欲しいと思いました。

  • とある姉妹のものがたり

    B-011

    ミラー・テーブル 41P

    星村定之

    【吉田円】

    進撃の巨人のような設定ですが、展開もあって良かったと思います。ただ、言い回しで伝わり辛い部分が幾つかありました。カッコいい言い回しを求めるのは重要ですが、客観的に見て、読み手にストレスなく伝わっているか見直してみてください。

     

    【佐藤智美】

    戦隊モノ…な作品。

    突如「世界鏡」という物質に地球の半分が覆われてしまった世界が舞台。「世界鏡」の向こうがどうなっているのか気になり、通ろうとした人間は元の姿では帰ってこられず、見た事もない巨大な怪物になって還ってくる…。 鏡の向こう側からやってくる「ミラーマン」と呼ばれる怪物と残った地球の半分に生息する人間との闘いを描いた物語。 時代劇や戦隊モノのようで、良く言えば「安定」した作品です。ただあまりにも既視感が強くテンプレ過ぎる所が気になりました。 しかしその一方で、「ハーフ」と呼ばれる「ミラーマン」と「人間」の中間的な存在、「ミラーマン」をも倒せるというキャラがこのお話の軸となって進んでいくのですが、「ハーフ」である所を読者にみせるための「見せゴマ」が「絵的に弱い」のが残念ですね。 「ハーフ」である事自体はまだ推定だと言いつつも、主人公はその「異様な腕」を隠すつもりはなさそうですし、ここは敢えてベタな「テンプレ」で…。 「異様な腕」を「わかりやすく大きく描く」事こそが、読者にとって「親切な表現」のような気がします。 設定にもの凄く目新しいといったモノがないので、独自性を出すべく、作者サンご自身も作品の最後に方で描いている「ハーフ」になってしまったモノ&主人公たちの苦悩などを物語の軸に置くなど、もう少し「人物」を掘り下げて描くといいのではないでしょうか。

  • カレー兄弟

    B-012

    カレー兄弟 12P

    えりつぃん

    【吉田円】

    冒頭、椅子に座りながらゲームする弟のポーズからいい感じの匂いがしましたが、全体を通してテンポも良く、ラストのメニューも実際に食べてみたくなるようなオチで良かったです。

     

    【佐藤智美】

    元気いっぱいギャグ!!!…な作品。

    日本でカレーレストランを営んでいる弟の元に現れた兄。しかし弟はカレーを作る所か携帯型ゲームのレベル上げをやっていて…。 オチは途中で少し読めるモノの…テンポもよく飽きさせない、非常に楽しい作品だと思いました。ページ数も丁度いいですね。とにかく弟キャラが可愛い!! 他の作品も是非読んでみたいと思いました。

  • さよならの前に

    B-013

    さよならの前に 15P

    水嶋きい

    【吉田円】

    良くある話ですので、もう少しキャラクターや設定に特徴を付けてみるか、ご自身の体験をもとに展開を工夫してみましょう。

     

    【佐藤智美】

    初々しい…な作品。

    卒業まであと2日。それまでに想いを寄せている委員長(♂)に告白すると決めた主人公(♀)。果たして「告白」する事ができるのか、そしてその行方は……。 学生時代の淡い恋心を思い出させてくれる…なんともキュンとする作品でした。ただこの作品の物語のピークが「告白するかどうか」の部分にあり、それが主人公の友人からの後押しするような一言がきっかけで意外とあっさり成就してしまうため、読者の満足度は低いかもしれません。告白するかどうかの所でもう少し読者の気持ちをヤキモキさせるような展開にしたり、また告白しても一度振られてしまうなど主人公が乗り越えなければならない「壁」のようなモノが必要かもしれません。その「壁」を主人公がいかにして乗り越えるか…またその「壁」が分厚く高い方がドラマ性も高まるので、それを意識して今後も漫画作品をたくさん書き続けていって欲しいと思いました。

  • 白神ルキアの誰にも言えない。

    B-014

    白神ルキアの誰にも言えない。 74P

    tyasu

    【吉田円】

    妹もの+女装男子という入りでしたが、徐々に女装男子の方にウエイトが移って行っている印象があります。あそこまで強く妹を意識している入りですと、読者は当然、妹ものを本線として期待してしまうと思います。もう少しバランスを考えるといいかと思います。

     

    【佐藤智美】

    爽やかな変態図鑑…な作品。

    主人公・白神ルキアは誰にも言えない秘密を抱えている。それは自分の双子の妹・真琴に想いを寄せているという事。そしてその想いは自身が女装し、双子の妹にそっくりの姿になるという事で「消化して」過ごす日々。歪んだ性癖の持ち主と自覚するルキアに引き寄せられるかのように、様々な性癖を持つ人物が現れて…。 面白かったです!! …が、テーマが「◯親相姦」モノということでなかなか際どい部分をついた作品かと思います。この作品は読み切り作品ではなく、どういう結末を迎えるかわからない…まだ未知の作品でもあります。ただ現時点でも十分に作者さんの絵柄と内容の絶妙なバランスには多大な魅力と可能性を感じます。 エロのテーマとして「近親相◯」を描くよりも、そうなってしまう心理状態の方に焦点を当て、ねちっこく描くというスタイルがこの作品が一般的な「近親相◯」モノと一線を画す部分かと思います。 今後、主人公がどうなっていくのか非常に気になる作品だと思いました。

  • ぬんちゃく先生

    B-015

    ぬんちゃく先生 11P

    矢間啓三

    【吉田円】

    その場のノリで展開している印象。もう少し丁寧に構成した方がいいと思います。

     

    【佐藤智美】

    とにかく熱血?…な作品。

    首輪をつけられ「ブタ語」を話すようクラスの生徒に要求される…冴えない高校教師が主人公。そんな主人公が学校の帰りに立ち寄った骨董品屋で「とある」いわくつきの「ヌンチャク」を手に入れて……。 暴力ありエロありのギャグとして面白かったです。 ただ折角の「ヌンチャク」ネタなので、ラストは安易に下ネタには走らず、アクション的な要素でもっと突き抜けても良かったような気がしました。

  • きみのわたしに

    B-016

    きみのわたしに 30P

    中尾あみ

    【吉田円】

    猟奇的な話ですが、少し意味の取り辛い部分が見受けられました。心情を分かりやすく表現する努力をすると良くなると思います。

     

    【佐藤智美】

    もう少し工夫を…な作品。

    家族から毎日のうように「ブス」と呼ばれる為、自分が他人にどう映っているのかが気になる主人公。学校で自分の絵をこっそり描いている男子生徒を発見した主人公はその絵を確認すべく、誰もいない教室でその男子生徒の机をこっそり確かめるのだが…。 不幸な生い立ちと境遇のせいで心を病んでしまってる系の主人公の話。 まず最初の数ページでもいいので登場人物をもう少ししっかり描いてくれるとありがたかったです。1Pの「ブス」と言われている女の子と2P以降の扉絵から最初の数ページで登場する「美人でクラスの人気者」の女の子が「同一人物」であるという設定に後の家族が再登場するシーンまで気づけず、非常に困惑してしまいました。他の登場人物についても同様で、主人公に想いを寄せているっぽい(?)男子生徒「橋田くん」のしっかりと正面で顔がわかるコマはなく、クラスメイトの「岡部さん」の初登場については「手紙の後付けの署名」だけです。この登場のさせ方だと読者は間違いなく「岡部って誰?今までそんなキャラ出てきたっけ??」的な反応をしてしまうのではないでしょうか? 誤解して欲しくない点として、上記の「登場人物をもう少ししっかり描いて欲しい」という要望は決して「綺麗な絵柄を清書して入れる」という意味ではないという事です。 作者さんの「やりたい事」は読んでなんとなく伝わってはきますが、とりあえず今の「ネーム力」だけでは作者さんの本当にやりたい事を読者さんに受け取って貰うには難しいかもしれません。「登場人物と名前を結びつける」という絵を入れる工夫をするだけでも、グッと読みやすくなるのではないでしょうか?

  • メテオドライブ-スターダスト地下迷宮

    B-017

    メテオドライブ-スターダスト地下迷宮

    002 003 004 005 006 007 008 009 010 011 012 計308P

    lafal

    【吉田円】

    探査ものの話ですが、ノリ的には不思議の国のアリスのような感じ。ですが、読者の興味を引く導線が弱く、ページ数の割に話が進まないため、退屈に感じてしまいます。やりたいことを整理して、もう少しコンパクトに構成を考えてみてはどうでしょう?

     

    【佐藤智美】

    熱意溢るる壮大なSF漫画…な作品。

    上官の命により未知の惑星を探索する女性主人公の冒険を描いた作品。 まずは全12話、総ページ数308Pという…まさに「超大作」という言葉がピッタリの作品かと思います。なにより12話で「しっかり完結させている」ところが素晴らしいですね。ただ作品全体を通し、すべて説明的に展開していくのが勿体ないと思いました。もう少し「絵」だけで観せるなど、「これは一体なんだろう?」「次はどんなところへ行くのだろう?」と読者に想像を委ねてしまってもいいのではないでしょうか?

  • 最適な手段

    B-018

    最適な手段 14P

    てらおか現象

    【吉田円】

    高尚な話から世俗的なオチへという綺麗な構成になっています。絵柄的にもオチを予想させない部分が良かったと思います。

     

    【佐藤智美】

    オチが一瞬?…な作品。

    物事を論理的に考えようとする男の話でスタート。 ただただ後半まで淡々と男のモノローグが続きます。モノローグオンリーでなかなか話は見えてこないのですが、途中「ああ、そういう考え方はなんかわかるかも?」と共感できるのが魅力の作品だと思いました。そしてなぜこのようなことを男が考え続けるのかは最後の最後でわかるのですが……。 読者全員(特に女性?)が果たして「例のグッズ」を知っているのかどうかという疑問が残ります。 せめて最後のコマはグッズがどういうものか…野暮は承知でもう少し説明してあげる必要があるかもしれませんね。

  • MACHINE MAIDEN X-零

    B-019

    MACHINE MAIDEN X-零 26P

    大窪劍蒔

    【吉田円】

    ロボットギャグものですが、内輪ウケなノリが気になります。

     

    【佐藤智美】

    もしもシリーズ?…な作品。

    突如人類の前に現れた敵を倒すべく開発された最終兵器…その名も「MACHINE MAIDEN X-零(マシンメイデン・エックスゼロ)」。なんとそれはメイドの姿をした巨大ロボットだった……!! ドリフで言う所の「もしも◯ンダムがメイドさんだったら…」的なパロデイ作品と言ったらいいのでしょうか?鉄の処女(=アイアンメイデン)のように、鋼鉄の女性ロボの中に男性を乗せてみたくなってしまったんでしょうかね。とにかく作者さんが楽しんで描いているのが伝わって来る作品だと思いました。ロボだけでなく、敵キャラがクマのぬいぐるみという所も可愛らしくて良かったです。 漫画作品的にはやはりパロディ作品としての要素が強いので、万人に受け入れられる、または理解してもらえるかどうかが気になる所です。残念ながら世の中のすべての人が「ガンダ◯」ファンあるいは理解者ではありませんので…。基本的にとてもテンポも良く読みやすい作品だったので、是非この作者さんの「オリジナル作品」も読んでみたいなぁ〜と思いました。

  • シャワー

    B-020

    シャワー 8P

    なかつきほづみ

    【吉田円】

    シャワーの心を語った作品で、良くできているのですが、漫画でやる意味が弱いように思いました。

     

    【佐藤智美】

    シャワーの悩み(?)を描いた作品。

    着眼点と発想がすべての作品ですね。シャワー「あるある」を見事に表現しきっており、言葉の選び方&センスの良さが非常に魅力的だと思いました。 面白い作品であると思いますが、ページ数が短い事とそのシュールさに、読み手を選びそうな気がしました。

  • ウエオの不満

    B-021

    ウエオの不満 12P

    えりつぃん

    【吉田円】

    名前を使ったギャグものですが、オチにも意外性がなく弱い印象です。

     

    【佐藤智美】

    しっかりした…な作品。

    一家でテーブルを囲み食事をとる…まさに「一家団欒(だんらん)」を絵に描いたような状況の中、一人顔色の優れないウエオ。とうとうウエオは自身の大好物の「肉じゃが」を目前に自分の名前にまつわる不満を両親にぶつける!! 面白かったです!!親というのは子供にとって実に身近な「創造主」。DQNネー…いや「キラキラネーム」も案外こんなノリでついてしまうのではないかと思わせる、実に深い作品である…と、個人的には思っています(笑)ページ数とのバランスもイイ…良作だと思います。

  • 衣食獣

    B-022

    衣食獣 16P

    なかつきほづみ

    【吉田円】

    狐を使った話ですが、いじめを解決して行く展開は楽しく読めました。いじめられていた女の子の心の方も解決できるともっとスッキリできたように思います。

     

    【佐藤智美】

    消化不良…な作品。

    故郷がダムに沈み、住む所を失った「化け狐」が主人公。都会に出て居場所を探すうちに、なぜが高校のクラスのいじめられっ子(人間)の姿に。果たして「化け狐」の運命は……? 全体的に漫画の基礎力は高く、読みやすい作品だと思いました。 特に化け狐が高校になんとなく通い始めてしまう経緯が違和感なく描けているのがすごいですね。ただ2P目の人間に変化した「化け狐」の胸?(お腹??)部分に描いてる「狸」という文字は「狐」の誤植なのか、それとも作者の方が意図的に書いたものなのか分からず、「あれ?この話…狐が主人公だよね??」と困惑しながら読みすすめていってしまった為、前半部分から純粋に物語へのめり込む事が出来ませんでした。 読者は思っている以上に作者から受け取る情報を漏らさないようにと、細かな部分に目を向けているモノです。もし「狸」というロゴの衣服が特に今後の物語の展開等に深く関わらないようであれば、ミスリード気味だと思いますので避けたほうがいい表現かもしれませんね。

  • スイミング

    B-023

    スイミング 68P

    わらび

    【吉田円】

    睡眠をテーマにした作品で、いろいろと睡眠ネタを入れていることに好感がもてました。

     

    【佐藤智美】

    日本初?「睡眠指南」漫画…な作品。

    物語の舞台は201×年、日本で最も寝る事が好きな男・安眠 枕(やすたみ まくら)が主人公。日々の安眠に命を賭ける(?)主人公だったが、ある日自身が勤める寝具店の新人女性社員の教育係を命じられ……。 少し長く感じましたがしっかりまとまっており、面白く読むことができました。この作品を読めば快眠間違いなしですね(笑)ただ最初にも指摘したように全体的に話が長い印象です。 わかりやすい部分でいえば、主人公の父親と守護霊のエジソン…2人の存在とそれぞれの回想が一つの作品に入っている所でしょうか。ページ数のかかる回想の多用は避けるべきだと思います。 また上記の2人のどちらかは「夢」、どちらかはこの物語の相方の女性に「実際に話して」聞かせるなど、表現方法を変える等の工夫があった方がいい気がしました。 さらに、この話の家族の中で「父親」はキーパーソンですが、母&姉はそれほど重要ではないカンジです。 ならばその2人は思い切って「出さない」など…読者の読みやすさの為にも、もう少し工夫ができるかと思います。ページ数を減らして修正すれば、もっとわかりやすくクールに決まる作品だと思いました。

  • ガネーシャ

    B-024

    ガネーシャ 45P

    えりつぃん

    【吉田円】

    インドの神たちを使ってのファンタジーで、話も良くできているのですが、展開に既視感が強くありました。

     

    【佐藤智美】

    連載第一回目…な作品。

    ミニゾーという名の小さなゾウと一緒に旅をする商人・ラシェル。旅の途中、カーリーという殺戮の女神の呪いにかかった少女の属する盗賊団に遭遇してしまう。女神の呪いにかかった少女の有する不思議な能力を狙う他の盗賊団も現れ、ラシェルも次第にその闘いに巻き込まれていく…。個人的にインド神話は好きなので、「ガネーシャ」「カーリー」と言ったお馴染みの単語が出てきて、少年漫画的なノリで楽しく読むことができました。…ですが、読み終わっても「少年漫画らしい作品を読んだなぁ」というのが感想として残るだけで、特に何か目新しい価値観や情報を得るということはありませんでした。お話自体も連載作品一話目、あるいは漫画の投稿作品にありがちなラスト「物語はここから始まる!」系ですし、…だとしたら「続きがもっと読みたい」と読者に思わせるだけのインパクトが弱いのではないかと思います。せめて主人公かヒロインどちらかの「成長」あるいは「心の変化」などが必要なのではないでしょうか?

  • もしもしここは仙台ですよ? ~房毛のリケとシムケンの素敵な一週間~

    B-025

    もしもしここは仙台ですよ? ~房毛のリケとシムケンの素敵な一週間~ 80P

    佐藤彩

    【吉田円】

    先へ読ませる導線も引かれていて、細かい伏線も回収できています。 ネームが多すぎるのが気になりましたので、少し整理できるともっと読みやすくなると思います。

     

    【佐藤智美】

    生まれも育ちも仙台市…生粋の「仙台市っこ」の主人公(♂)は「ここではない何処かへ行きたい」と願う日々を送っている。

    電車内では痴漢に間違えられ、自転車通学に切り替えるも飛んできたビニール袋を飛び出した猫と間違えてすっ転ぶという…実に冴えない日常の中、突如一人の女性と出会う。その女性はまるで旧いヨーロッパ映画に出てくるような美しい女子大学生・リケだった。 面白かったです。女性作家さんの漫画特有の「空間のない描き方」のせいで、少しだけ画面的に読みづらいと感じる部分もありましたが、作者さんの言いたいことが詰まっているカンジがしました。とても素晴らしいことだと思いますので、このままその「想い」を「武器」にたくさんの作品を描いていって欲しいと思いました。

  • Exif

    B-026

    Exif 31P

    gibo

    【吉田円】

    展開は読めてしまうのと、いろいろと突っ込みどころはありますが、スマホで撮った写真の位置情報をもとに写真の女性を探しに行くという主人公の童貞っぽさが楽しく読めました。

     

    【佐藤智美】

    シンプルさが魅力…な作品。

    ネットから適当に拾ってきたエロ画像。お気に入りの女性をスマホで眺める主人公は、ある日その写真からその画像の「撮影地」…つまりその画像の女性の「所在地」までわかることに気づく。「ちょっと一目拝みにいってやろう!(そしてあわよくば付き合ったり突き合ったりなんかしちゃったり…)」という「欲望」を胸に画像の女性の「所在地」を訪ねるが…。 童貞ミーツ現実…「童貞あるある」なカンジを率直に描いていて好感が持てます。ただ途中で登場するもう一人の人物「童貞の老人」について、最後の方は放ったらかしなのが勿体ないと思いました。もう少し出てくる人物を掘り下げるというか…主人公の「成長」をきちんと描ければ、もっといい作品になるのではないでしょうか?

  • 結婚飛行

    B-027

    結婚飛行 38P

    深空

    【吉田円】

    蟻の擬人化もので、切なさもあり、楽しめました。ただ、心情のネームが多く、展開がないので、読んでいて退屈になる部分もありました。現在進行形でもう少しエピソードを作ってもらえるともっと良かったと思います。

     

    【佐藤智美】

    胸にグッとくる…な作品。

    羽アリが独立し新しい巣を作るための儀式…「結婚飛行」を目前に控えたバジリア。バジリアは新女王として強い子孫を残すべく「他の巣のオスとの結婚」を要求される。しかし彼女には同じ巣で育ち、幼い頃から想いを寄せるオス羽アリのヴィトゥスがいて……。読み切り作品として完成されている作品だと思いました。最初の説明の部分は長くてとっつきにくいので、もう少しネームを減らすなどブラッシュアップする必要があるかもしれませんが、ファンタジーというジャンルで見事に他者を愛する事とその葛藤、別れ、そして未来…虫の一生を描きながらも「雌雄に分かれた生物全般に共通する」ような作者の想いが丁寧に描かれた作品だと思いました。

  • AERIAL

    B-028

    AERIAL 45P

    しゅんしゅん

    【吉田円】

    ファンタジーな内容ですが、著者の頭の中では重要だったり、出来上がっている世界観があるのかもしれませんが、読み手にとって不親切な部分や重要でない部分が散見されました。

     

    【佐藤智美】

    既視感が強め…な作品。

    伝説の大陸「アトランティス」を目指す空賊たちの物語。飛行船「キャッツ・タン」に病気の母親を共に乗船する主人公・ルゥ。 船乗りたちの憩いの場である「タワー37」で一時停泊する事となった主人公はそこで突如不思議な声に導かれる。脳内に響く声に従い「キューブ」と呼ばれる物質に触ると自らを「風の王 ネム・ラトゥール」と名乗り、主人公の先祖であるという一人の美しい少女が現れて…。 いわゆるファンタジーな作品で、白髪に褐色であること以外には一見普通の少年が実は王の末裔であることがわかり、ご先祖様との出会いをきっかけに特殊な力を手に入れて戦うというモノ。いろいろな既存のファンタジー作品から影響を受けており、上記のお話の流れをまとめる際細かな単語表現が分からないため、思わず「天空の城◯ピュタ」「ワン◯ース」を検索し参考にしてしまったほど。 非常に既視感が強めな作品ではありますが、「こういう作品が描きたい」という想いが溢れていてキラキラしています。 いまはまだ他の作品の影響されている部分が多く見られますが、ここに作者さん独自の価値観や実経験などを入れていけるといいのではないでしょうか。今後の作品が楽しみだと思いました。

  • ゴーストライター

    B-029

    ゴーストライター 26P

    中村あいさつ

    【吉田円】

    粗いながらもしっかりと纏めてきているネームで好感が持てました。

     

    【佐藤智美】

    ラストが…な作品。

    「僕は父のゴーストライター」というモノローグで始まる… 小説家の父の代わり「ゴーストライター」を務めている息子・タクヤの物語。ラスト一歩手前まではすごく面白く読めましたが、最後の最後で一気に「え〜〜〜っっ??」となってしまいました。「盛り上がるのはこれから」というところで終わってしまって非常に残念です。作者の方の表現したいことによるかとは思いますが、このままの状態では読者のカタルシスを昇華しきれていない感をぬぐうことが難しいかと思います。父への復讐、あるいはいじめた同級生への報復など方法は多種多様にあると思いますので、最後の最後は主人公として何らかの困難を乗り越えたり、解決をして欲しいと思いました。

  • コルテックス

    B-030

    コルテックス 35P

    池上トーヨー

    【吉田円】

    ストーリーというよりも、こんなことが起こり得てしまうのでは、という提言にとどまっているように思います。この先のストーリー部分を読みたい作品です。

     

    【佐藤智美】

    「起」で終わってしまっている…な作品。

    まずは物語のあらすじを…と思ったのですが、肝心の物語の「起承転結」の「起」の部分で終わってしまっ ているため、説明が難しい作品だと思いました。 一体最初に描かれたオペレーションシステム「テセウス」とは何だったのでしょうか?このままではよく分からないというのが正直な感想です。さらに35Pも 費やして「起」の部分を描いているということは、残りの「承転結」の部分…話の全容を掴むだけでも140Pくらいは必要ということでしょうか? これはなかなかの大作の予感がいたしますね。ただサイレント部分もしっかり描けているし、読みやすい構図も取れるのが魅力だと思います。 もう少しこのお話の続きを読みたいと思いました。その際は是非ページ数はあまりかけずに 短めに制作されることをお勧めしたいと思います。

  • 宇宙から…

    B-031

    宇宙から… 32P

    ハルマン

    【吉田円】

    変な宇宙人と子供ものという良くある設定ですが、こんな設定おもしろいんじゃない?的な思いつきで描かれたネームの印象が強いです。もう少し不特定多数の人にとって共通して面白いと思ってもらえる設定になっているか考えてみてください。

     

    【佐藤智美】

    ギャグかストーリーものか?…な作品。

    未確認飛行物体が目撃されたというニュースが流れた翌日、2人の子供が公園に向かうと、そこには1人の酒臭いオジさんが…。どこから来たのかと尋ねると空を指差すため、そのおじさんが宇宙人であると思い込む子供たち。酒臭い「宇宙人」おじさんを匿うことを決意する子供たちだが……。ギャグ作品として読む割にはギャグ要素が弱く、ストーリー物として読むにはベタにETのパロディを入れつつありきたり…どっちつかずで大変困惑してしまう作品でした。「笑って泣かせる」的なお話にするならばもうひと工夫必要な気がしました。

  • 怪奇事件解決部

    B-032

    怪奇事件解決部 15P

    またたび中毒

    【吉田円】

    プロットを作って、1カ月くらい経ってから客観的に見てみるところから始めるといいと思います。

     

    【佐藤智美】

    ライトなギャグ?…な作品。
    世界に溢れる怪奇事件を解決しようと試みる「怪奇事件部」。部活紹介で部員勧誘を試みるも結局一人も入部希望者が現れない。そんなある日近所の山で「謎の泥人間」が目撃されたという情報が…。「泥人間」の正体を突き止めようと早速現場に向かう怪奇事件部だったが……。短いページでスッキリまとまっている所がいいと思いました。ただ冒頭の部活紹介は無くてもいいような気がします。いきなり山から入って→部活のコンセプト紹介(廃部になる事も入れる)→最後のオチ…そういった方向でもいいのではないでしょうか。このシリーズで数本あるとやっと全体像が見えて来るような作品かと思います。逆にいうと一本では印象が薄いのかもしれませんね。

  • シャンプーとリンス

    B-033

    シャンプーとリンス 8P

    なかつきほづみ

    【吉田円】

    シャワーのシャンプーとリンス版ですが、シャワーのネームと同じ感想です。

     

    【佐藤智美】

    絶妙…な作品。
    シャンプーとリンスの気持ちを綴った、「物あるある」をテーマに描かれています。 内容とページ数が丁度いい作品だと思いました。最後もハッピーエンドで良いですね。ただ、個人的な意見としましては、この作品だけだと読んでも満足感が得難い作品かと思います。この作者さんはこの「シャンプー」という作品の他に似たような「物あるある」的な作品を書いているので、その作品と一緒に…ある程度まとめて読めるようにすると良いのではないかと思いました。

  • 弾丸ミメシス

    B-034

    弾丸ミメシス 26P

    アジ029

    【吉田円】

    パニック系の作品ですが、導入があまりにも唐突過ぎて読みづらかったです。

     

    【佐藤智美】

    雰囲気はバッチリ…な作品。
    車の中、目を覚ます一人の男。車から一歩外に足を踏み出すと地震が起こったようにあたりは崩れ…どうやら主人公はトンネルに閉じ込められてしまっているようだった。そのままトンネル内の探索に乗り出すも、生存者はなく内部だけが食べられているという奇怪な屍体が転がっている。更にその空間には得体の知れないものも蠢いていて…。
    絵も上手く、読みやすかったです。ただ物語の最後の方になると急にファンタジー要素が強まり、物語の軸が一体なんであったのかが、よくわからなくなり残念だと思いました。「記憶を消されてしまうため思い出せない」という主人公の設定&こだわりは作者にとっては大事ですが、読者を置いてけぼりにする事の方が不親切で問題かと思います。もう少し設定を小出しにして読者を置いてけぼりにしない工夫をするとさらによくなる気がしました。

  • Moonlight Shadow

    B-035

    Moonlight Shadow 7P

    吉野睡蓮

    【吉田円】

    既視感が強い作品でした。何かの作品のワンエピソードと言った方が正確な感想かもしれません。もう少しご自身の中でキャラを動かし、ストーリーを積み重ねて、オリジナルな部分が見えてきてから書いてみてもよかったのではないでしょうか?

     

    【佐藤智美】

    綺麗で無色透明すぎる…な作品。
    「恋人がしている事は恋人じゃ無くてもできる」…セフレの男女の物語。女性の方に彼氏が出来そうなことをきっかけに、互いの関係を解消しようとする2人だったが…。 絵柄が綺麗でお話に非常にマッチしているかと思います。お話自体もとても詩的にまとまっていて…ただ全体的に全て綺麗すぎていかにも物語というカンジがしました。登場人物も少し「お人形さん」のようであまり「人間的」に見えないのが非常に勿体ないところかと……。もう少し男女のどちらかが「カッコ悪い」行動あるいは言動をする方が登場人物に「人間味」が出て、作品全体にも「色」が出てくるのではないでしょうか?

  • ゴミ屋敷

    B-036

    ゴミ屋敷 19P

    阿久津圭

    【吉田円】

    ゴミ屋敷に入ってみたいという少年のわくわく感に共感が持てましたが、最終的に少年の日の一日を切り取った日記になってしまっていて、広がりを感じませんでした。もう少し、この少年たちを見てみたいという欲求に駆られるキャラが作れていたら、この子たちの日常を追いかけて行くストーリーが作れたかもしれません。たとえば、ゴミ屋敷の男の子を暗くない、逆に明るく特徴的な子にしてみるとか…。

     

    【佐藤智美】

    もう少し続きが読みたい…な作品。 
    「なー お前んち何で あんなきったねーの?」小学生3人組の帰り道の会話から、「ゴミ屋敷」に住むその3人のウチの一人の家に遊びに行くことに。見たこともない異様な空間にわくわくする子供たちだったが……。 同級生あるある…的な作品で、自宅以外の友人の家の「常識」や「日常」が他者にとっては「非常識」であり「非日常」であるという事を上手く表現できている作品だと思いました。犬の餌を食べてしまったり、おばあちゃんの焼いている肉が気になったり…そもそも同級生のご両親は?最後がかなり情緒的で他者に委ねすぎるカンジに終わっていてしまうのが勿体ないです。子供らしく「おばあちゃんの食べていた肉はなんだったんろう」とドキドキし、同級生の家庭環境や今現在を少し垣間見せるなどした方がいいような気がしました。

  • KEEP DRY!

    B-037

    KEEP DRY! 23P

    手袋

    【吉田円】

    濡れるとカッパのなってしまう美少女といい設定を上手に使っている作品でした。ネームも書き馴れた印象で、テンポも良く、読みやすかったです。

     

    【佐藤智美】

    とにかくカワイイ♡…な作品。
    好きな娘にフラれ雨の中全力で走る主人公。雨脚が強まった為、雨宿りに立ち寄ったコインランドリーに入り、早急に服を乾かそうと乾燥機の扉を開けると、そこには制服姿の少女が居て……。 絵柄とお話…共に可愛ら強い作品だと思いました。ただ少年漫画か青年漫画か、それとも日常系なのか…どの読者層に向けて書いているかが謎な作品だとも思いました。少年漫画ならカッパになる能力で事件解決系が王道だし、青年漫画系ならもう少し女子に「エロ」が必要かと思います。今のままなら「日常系」?。読み方をもう少しナビゲートしてくれるとありがたいなぁと思いました。

  • おばけのユー子…

    B-038

    おばけのユー子 5P

    さゑ子

    【吉田円】

    何を面白いとしたいのか、設定にブレがあるように思います。

     

    【佐藤智美】

    4コマ系ながら…な作品。
    幽霊の彼女を持つ主人公の物語。全8本の4コマで構成されており、途中よくわからない表現が幾つかありつつも、しっかり完結…し、”オチ”ているところが良いと思いました。ただ本作は「もしも彼女が幽霊だったら」…的なワンエピソードで作っている為、「幽霊あるある」の要素が尽きてしまうとお話が続いていかないかもしれないのが心配ですね。また読者もこのままだと「ぜひこの作品の続きを」という欲求にまで届きにくいかもしれません。もう少しこの作品の続きを描きたいと作者さんが思っているようでしたら、彼女が幽霊であるということ「以外にも」魅力的な特徴を登場人物に持たせてあげる必要があるかもしれませんね。

  • マナコ

    B-039

    マナコ 24P

    テツオ

    【吉田円】

    目が自由に移動できるという設定自体はいいですし、それでエロいことをしたいというところまではいいのですが、彼女を巻き込んだ先も性癖の話題になると、単に猥褻な話で終わってしまって残念だった。

     

    【佐藤智美】

    発想が面白い…な作品。 

    職場の新人(女性)に一目惚れしてしまった主人公。

    ある日職場で取り扱う商品を身につけたことで自身の「眼(まなこ)」を自分の好きな体の部位に移動させることができるようになる。突如得た能力を生かし、一目惚れした新人店員を観察しまくる主人公だったが…。  発想が面白いところが魅力の作品かと思います。ただラストが非常に勿体ない印象。結局好きになった女性の変態性の方が主人公の性癖よりもディープで、主人公が呑まれてしまっていますね。是非もう少し主人公の性癖をパワーアップさせてみてはいかがでしょうか?

  • 誰にでもできるお仕事です。

    B-040

    誰にでもできるお仕事です。 40P

    アキコトリ

    【吉田円】

    介護の世界の事は詳しく書かれていて良いのですが、芸能界を諦めて介護士になったという設定はあまり生かされていないように感じました。

     

    【佐藤智美】

    連載第1回目…な作品。 
    28歳までに芸能界に居場所が見つけられなかったら…という自分内ルールにより、グラドルとして活躍していた過去を捨て、老人介護施設で働くことを決めた主人公・涼子。思った以上に大変な職務に自信を喪失するが、果たして涼子は日々起こる様々な試練を乗り越えることが出来るのだろうか?老人介護漫画として誠実かつ丁寧に描かれて居る良作かと思います。ただ本当に「連載1回目」な作品なので、これだけではなんとも言えないというのが正直な感想です。主人公が元グラビアアイドルだったという設定、また老人介護施設で働いている…主人公と過去に何かあった風な男性職員との関係なども「一応いれるだけ入れて」、この1話目だけでは回収できていない状態ですしね。 ただ非常に読みやすく、漫画としての完成度は高いと思いますので続きが純粋に気になります。是非続きを読みたいと思いました。あ、あと登場人物の顔は比較的に大きく描いた方がいいのではないでしょうか。

  • 緑のジイちゃん

    B-041

    緑のジイちゃん 12P

    間佑知

    【吉田円】

    幼い日の思い出を綴った日記のような作品で、そこから広がらないのが残念。

     

    【佐藤智美】

    胸にグッとくるエッセイ…な作品。

    入学したての小学生の登校の付き添いをする「みどりのおばさん(学童擁護員)」を街で見かける度に主人公は昔のあることを思い出してしまう。それは自身の小学生の時、集団下校の際に付き添いをしてくれる「緑のジイちゃん」とのことだった…。 面白かったです。人間ならばひとつは持っているであろう「心の古傷」を描いた作品。また「戦争」についても考えさせられる作品となっていて、是非現代っ子にも読んでほしいと思わせる内容でした。 ただ、漫画としてはページをパッと開いてみればわかるのですが、モノローグ&セリフで埋め尽くされ、モノローグ&セリフの載っていないコマがとても少ない印象です。読み手は少し疲れてしまうかと思います。セリフはカットするのではなく、4Pほど増やしてでもいいので、読者の考えることのできる何もないコマを入れるようにするとさらに良くなるのではないかと思いました。

  • 七つ子猫背家の五男

    B-042

    七つ子猫背家の五男 16P

    中山ラナン

    【吉田円】

    シュール過ぎて面白さが分かりませんでした。

     

    【佐藤智美】

    思わず2度読み…な作品。

    まずは作品のあらすじを…と思ったのですが、1回読んだだけでは意味が読み取れず、2回3回と読んでなんとなく「こういう話かな?」と理解ができた作品。恐らく「とある家族」…「猫背(ねこぜ)家」の人々が祖父母から孫まで皆同じ顔&背格好な中、唯一違う容姿に生まれてしまった五男の受難のお話なんだろうな…という。まずは読者が一読して読むことができる作品作りを心がけてみると良いのではないでしょうか?

  • アナタガキライ

    B-043

    アナタガキライ 8P

    鱒田ろく

    【吉田円】

    いじめをテーマにしていて、描きたいことはあるはずの作品ですが、作品としては拙い印象です。

     

    【佐藤智美】

    ストレートさが魅力…な作品。

    小学生の時にいじめ「られ」ていた主人公。中学生になり、ある日一人の転校生が。その転校生こそ主人公をかつていじめ「ていた」同級生だった。 「いじめっ子」が「いじめられっ子」に…という設定は「いじめ」を描いた漫画では非常に良くあるテーマだと思います。ストレートにその様子と心情を描いているところに大変好感が持てます。また、主人公がいい子なので、最後には救われるお話である所もいいですね。 この作品は8Pとページ数が少ないので、描いてある内容もそれに伴って薄い印象になっていると思います。次に描く作品はもう少しページ数を増やし、さらにドラマチックな作品作りにチャレンジしてみるといいのではないでしょうか?

  • 今日もEひでありますように

    B-044

    今日もEひでありますように 67P

    しばやま文治

    【吉田円】

    バンドを組んでいる女子高生たちのちょっとエロい日常といった作品ですが、あまり萌えませんでした。

     

    【佐藤智美】

    日常系?…な作品。

    学校の「軽音部」(?)に所属する4人の女の子の日常を描いた作品。 可愛い女の子4人が描かれていて、ちょっぴりエロいシーンも盛り込まれており、好きな人にはたまらない作品なのではないでしょうか? ただ作者さんの「可愛い女の子たちが楽器をいじっている姿をとにかく描きたい」という願望の現れなのでしょうか、冒頭シーンから主人公たちの説明が特になく唐突に始まり、サラサラ〜〜…と4人の行動を描いているだけなので、お話全体に起伏が少なく読み終わっても記憶に残るかどうかという部分が気になりました。もう少しそれぞれのキャラクターの性格と担当楽器を結び付けて読者の印象に残る画面&お話作りをしてみてもいいのではないでしょうか?

  • 時を刻む世界

    B-045

    時を刻む世界 41P

    電気うなぎ

    【吉田円】

    時を止める力と母への思いという二つの要素を上手く組み合わせているネームでした。止まるだけでは何も解決しないという切ない思いもしっかりと伝わってきました。

     

    【佐藤智美】

    誠実な…な作品。

    ある日自分以外の人や物が動かなくなってしまったことに気づき、「時間(とき)が止まった世界」をただひたすら彷徨う主人公。なぜこんなことになってしまったのか、その原因を考えながら彼女の唯一の肉親である母の元に戻るが…。丁寧に「イイお話」を描こうとしている姿に好感を持ちました。最後も主人公が前向きに生きていこうとしており、「ハッピーエンド」を意識して締めくくっている所もとても良いですね。

    一方残念な部分としては、①物語の8割以上が主人公の「モノローグ」で進んでしまっている所。 ②主人公の成長あるいは気づきのきっかけが能動的でないこと。③借金返済と主人公のその後。 上記の3点が未解決なままお話が終わってしまっているということです。①と②は2つが絶妙に関係していると思うのですが、「時間」が止まってしまった原因究明がただひたすら彷徨って家に行ったり来たりしているうちに「あ!原因はあれじゃないかしら??」と一人で勝手に思い出して解決してしまっているんですよね。読者は結局彼女の自問自答をずーっと聞かされている状態だったということです(しかも物語の8割がモノローグ)。正直な所、あまりそこにドラマは感じないのではないでしょうか? 原因が解明するまでのドキドキ感を「主人公の動き」や漫画表現で出せるともっと良いのではないかと思いました。 ③については、かなり細かいことだとは思いますが、読後感に関わってくるのでしっかり描いてあげたほうが良いと思います。精神的に母の死を乗り越えただけでは「真のハッピーエンド」とは言えないのではないでしょうか?親族の借金はしっかり返せたのかどうか、また主人公は一人で生きていくのか?それとも親族の誰かの元に身を寄せるのか…。その判断とその後の生き方にこそ主人公らしさが出るのだと思います。

  • 僕とトモダチの果てしない話~かわいい~

    B-046

    僕とトモダチの果てしない話~かわいい~ 23P

    リュウセイ

    【吉田円】

    何となく読めてしまうのだが、延々と談義を繰り返しているだけのネームなので、長くなると飽きてくる。

     

    【佐藤智美】

    作者さんのコラム?…な作品。

    カフェで待ち合わせをする男性2人。先に待っていた一人が自分の姪っ子の動画をスマホで楽しそうに眺めていたことから「 ”かわいい”って何だ?」を巡って2人の論争(?)が始まってしまいます。絵柄は大変綺麗で魅力的な作品だと思いました。ただ肝心の作品の内容については自分の思想をひたすら描いた作品という印象。作中の登場人物は2人ですが、実際は「1人」。しかもその中身は作者サンご本人ですね?作者サンご自身が日頃思っていることツラツラと書き連ねた「コラム」といった方がいい気がします。作者サンに大変に興味がある方が読めば「なるほど、作者サンは ”かわいい ”ということをこんな風に考えてるんだなぁ〜」と大変興味深く読むことができるのかもしれませんが、初めて読んだ人にとっては「ネームが多い!読みづらい!!」という感想が真っ先に出てくる可能性があると思います。コマは一応割ってあり、漫画という「体裁」は整えていますが登場人物は終始お茶を飲み、スイーツを食べながら話をするだけで、「動」を感じられるような画面は残念ながら皆無です。これでは「コラム漫画」ではなく、挿絵入りの「コラム」となってしまいます。今の段階では登場人物は2人ですが、自分の主義主張を円滑に表現するために一人がレールを曳いて、その上を自己主張の強いもう一人が走っているという状況です。自分とは異なる思想、自分でも制御できないような真逆の「他人キャラ」を登場させることの方がよりドラマが生まれるような気がしてなりません。この作品を「コラム」から「漫画」にするにはまず登場人物を「1人」ではなく「2人」することから始めてみてはいかがでしょうか?

  • 江戸っ子だよ全員集合!!

    B-047

    江戸っ子だよ全員集合!! 20P

    コタニジュンヤ

    【吉田円】

    もう少し相手に読ませることを考えてネームを作ってください。

     

    【佐藤智美】

    で、結局犯人は?…な作品。

    ある日「バカ田警察署」に配属されることとなった主人公。「バカ田警察署」の署長は「てやんでえ」が口癖のチャキチャキの江戸っ子。主人公が配属早々、「バカ田警察署」の管轄内では次々と事件が起こって……。 もしも自分の配属された警察署がみんな「江戸っ子」だったら…的な発想の元に生まれた作品。テンポも良く、大変読みやすかったです。ただ全体的に「ボケ」て「ボケ倒す」スタイルを貫いているため、最後のオチでは犯人もわからずに「それでいいんか〜〜っっ?」と思わず突っ込みたくなる印象です。最後ぐらいはベタに主人公が「ツッコミ役」を演じるのもいいのではないでしょうか?

  • 好きな人の殺し方

    B-048

    好きな人の殺し方 32P

    トラタツ

    【吉田円】

    構成は凝っていますが、しっかりと分かるように伝えているネームでした。メッセージもあって良かったです。

     

    【佐藤智美】

    空気感が…な作品。

    クラスの金魚の飼育係をしているユキとハルオ。ユキはハルオに告白をするもまだ返事待ちの状態。そんなある日ユキは自分は神の使いであるという少女・ミコに出会う。 ラストが少し分からなかったのですが、面白かったです。まぁ良くある話といえばそうなのですが、この作者さんの持つ「漫画のセンス」に魅力を感じました。絵柄もありますが、この独特の「空気感」は作者さんの構図の取り方などにあるのでしょう。是非完成原稿で読んでみたいなぁと思いました。文章の冒頭に述べた「ラストが少し分からなかった」については、ユキの友人たちが作品の冒頭部分…しかもユキに直接的に話しかけることもないという登場のさせ方に問題があるのかもしれません。最後の電話でのやり取りの相手が瞬時に冒頭のユキの友人であるという認識ができませんでした。 今のままでは「ユキの友人」というより「ユキのクラスメイト」ぐらいのポジションにしか見えないので、しっかりユキと友人たちの間で会話をするシーンをいれる、あるいはお話の途中で友人たちとの関わりを読者に見せる等の工夫をした方が、よりわかりやすく「親切」なのではないでしょうか?

  • 韓国に行って考えたこと

    B-049

    韓国に行って考えたこと 6P

    れんげ

    【吉田円】

    韓国に行った際の事を綴ったエッセイですが、淡々としすぎていて、もう少し抑揚をつけてもいいのでは?と感じました。

     

    【佐藤智美】

    ルポ漫画…な作品。

    作者サンご自身が韓国を訪れた時に感じたことを描いた作品。 面白かったです。韓国で実際に体験された事…「良いこと」も「悪いこと」もどちらも描いていることに大変好感が持てました。ただ6Pというページ数だけでは韓国について、また作者サンのことを理解するには少し不十分な「量」かと思います。6~8Pの短いページ数のモノがもう数本くらいあった方が読者さんの印象に残りやすいかもしれませんね。

  • 世界樹の庭

    B-050

    世界樹の庭 21P

    栢尾和美

    【吉田円】

    ザックリとしていて雑な印象です。

     

    【佐藤智美】

    と……途中(??)…な作品。

    あらすじのご紹介を…と思ったのですが、少し難しい作品ですね。まず冒頭部分から「夢」ではじまり、「夢」から覚めた主人公はその直後に「回想シーン」に突入してしまうという……。時間軸&登場人物もよく分からないままお話が進んで行ってしまっている印象です。登場人物については表紙を見る限りでは2人の女の子が登場するということまでは推測できますが…作品内で2人がしっかり描かれているコマはなく、色分けされていることでなんとなく「別の人物らしい」ということが窺い知れるといった状態です。 そんな状況で読み進めていくと登場人物の名前に「ロキ」と「オーディン」という名前が出てくるので…北欧神話がベースになっていることまでは分かってきました。そして肝心のラストですが…残念ながらお話の途中で終わってしまっているようですね。 今までの流れから推測すると、作者さんは「北欧神話」をベースにしたファンタジー…。 フツーの女の子がある日突然「北欧神話」の神さまの「お嫁さん」になってしまう的なお話を描きたかったのかなぁ…と。ただこの作品は物語の「起承転結」の「起承」あたりで終わっているカンジですので、登場人物をもう少し初見の方が読んでも分かるようにある程度描き込みつつ、ストーリーは残りの「転結」まで書いてみると良いのではないでしょうか?

  • ストライン

    B-051

    ストライン 36P

    リュウジン

    【吉田円】

    不思議なメガネと指から出る糸という設定を生かしながら、両親の仇を討つというストーリーだが、オチがしっかりと付いていて、読み応えのある読み切りでした。

     

    【佐藤智美】

    ミスリード?…な作品。
    恋人と街中を歩く主人公。突然とある店のショーケースにへばりつくと、そこには長年探していたメガネが。そのメガネこそ主人公の幼い時、両親を殺した犯人がかけていた…「物的証拠」となるメガネだった。試しにそのメガネとかけてみると、不思議なことに自分の恋人との間に「糸」が見えるようになって……。 ミステリー&アクションな作品。絵も上手く大変読みやすかったです。ただ最後の主人公の職業が「オチ」という…。少し後味の悪い作品かと思いました。お話の中盤あたりで彼が自分の職業を語らせる上で、わざと曖昧にしているところが気になりつつ読まなければならなかったという気持ちが残っているので、「なんだろ、これ……」と成ってしまったのかもしれません。
  • あっ!!タグチ先輩 ティース!!!

    B-052

    あっ!!タグチ先輩 ティース!!! 12P

    上木けんすけ

    【吉田円】

    冷静な先輩と独特なノリの後輩という二人のキャラのバランスがいいネームでした。

     

    【佐藤智美】

    き、嫌いじゃない…っていうか、むしろ好き?…な作品。
    気がついたら小学校から大学まで同じというタグチ先輩と横山クンの日常系ギャグ。ギャグの面白さは「好み」に左右される傾向が強いですが…いいですね。私は好きなギャグです ww 体育大に居ながら細めでインテリ風のタグチ先輩と筋肉モリモリの後輩・横山クン。上下関係なんて生まれそうにないような正反対の2人の会話劇が軽快で心地いいです。暑苦しくて少しウザい横山クンをなんだかんだ言って可愛がっているタグチ先輩と同様に読者もまた「まったくヨコ(横山クン)の奴…ウザいけど可愛い奴だな……?」と思わせしまう魅力があると思います。ただ、本当にウザくて暑苦しいと思う人もいるかもしれませんが(笑) 今後とも2人が活躍するを姿を希望しております!!
  • アマリリス

    B-053

    アマリリス 3P

    おかめ中華

    【吉田円】

    何となく思いついたシーンを描いただけという印象。

     

    【佐藤智美】

    やりたいことは伝わってくる…な作品。
    病室で女性に「アマリリス」の花の形をしたリングを手にプロポーズする男性主人公。 女性はプロポーズを受け入れ、アマリリス柄のドレスを用意してほしいと願うが……。3ページでやりたいことは伝わってくるのはすごいですね。 ただ物語の基本の構成が「起承転結」だとすると、3Pだとそれぞれに1Pづつ割り当てても足りない気がしました。この作品の場合「起承転結」の「承」の部分がない感じです。また根本的な問題としては「アマリリス」の花言葉を読者が知っているかどうかという事です。残念ながら私は存じ上げませんでした。2人にとって「アマリリス」がどのように大切なキーワードであるか、また「花言葉」についても読者に一度伝える必要性があるのではないでしょうか?この作品は3ページという超ショートな作品ですが、今後は4P、8P、16Pと少しづつページ数を増やしながら、物語と想像の翼を広げていきましょう。
  • りそー

    B-054

    りそー 22P

    橋田龍昇

    【吉田円】

    何となくノリで描き出しているような印象。

     

    【佐藤智美】

    ネームが多すぎ…な作品。
    「君の魂で君のどんな願いも叶えてあげよう」と持ちかける悪魔の誘いに乗る人々の人間模様を描いている作品。 最初から狂言回し的な役回りとして登場する「悪魔」を終盤で物語に「参加させる」というスタイルは斬新だと思いました。ただ全体的に「ネーム」で埋め尽くされいて読みづらいのが非常に勿体ないように思います。もう少し画面とネームのバランスを整えてみるといいのではないでしょうか?
  • 小泉小梅のスタイリッシュな世界

    B-055

    小泉小梅のスタイリッシュな世界 26P

    西野杏

    【吉田円】

    妄想女子が主人公。いろいろと過去にイジメにあったなどの設定もあるのですが、どうにも共感して読めなかったネームです。それから、ファッション誌の表紙やファッション誌からとったような写真を使っていますが、ネームといえども公に発表するという意味では著作権的に危ないと思います。気を付けてください。

     

    【佐藤智美】

    変化が足りない…な作品。 

    自分に相手が好意を寄せているかどうかがわかるという女性が主人公。まずは講評のためもう一度読もうと試みましたができず残念でした。人物の過去を掘り下げるだけで、物語のはじめと終わりで主人公が1ミリも成長した印象がないという点に問題があるのではないかと感じました。そこを修正するだけで格段に作品が「変化」するのではないでしょうか?
  • 君と僕の地球侵略

    B-056

    君と僕の地球侵略 48P

    眼鏡川 幸次郎

    【吉田円】

    歪んだ主人公で導入は入り辛さを感じますが、描きたい部分がしっかりしているので、読み進められる作品でした。

     

    【佐藤智美】

    リアリティゼロ…な作品。
    ある日、「自分は宇宙人」と名乗る女の子と出会う主人公。その後「血の契約」を結んでしまった2人は宇宙人である女の子の求めるまま「地球侵略」を目論むが……。 爽やかな絵柄で読み心地が非常にいいですね。ただその分いじめの描写や主人公とヒロインの女の子との関係、人物の葛藤…学校内をペンキで汚してしまったことの始末等々、全て「なんとな〜〜く」で済んでしまっているので非常に中途半端な印象を受けました。どれか一つでもガツンと掘り下げてみると読者の印象に残るストーリーになるのではないでしょうか?
  • 怪奇!パン人間

    B-057

    怪奇!パン人間 35P

    三沢左右

    【吉田円】

    スーパーマンとアンパンマンを足して2で割ってギャグ漫画にしたような作品。私はこのノリは面白いと感じなかったです。ギャグの重きを置いているのか、キャラに重きを置いているのか、中途半端な感じがしました。

     

    【佐藤智美】

    うまくまとまっているけれど…な作品。
    普段はパン屋でパンを焼き、街中(まちなか)で一度事件が起きれば謎の「パン頭の怪人」として活躍する女性主人公。ある日事件を解決中、地元スーパーから煙が上がっているのを目撃してしまって……。絵柄、ネームの運び方もキレイで読みやすい作品だと思いました。ただ某幼児向けヒーローの「パロディ」で止まってしまっているのが勿体ない作品かと思います。「ワンパンマン」などはタイトルは前述の某幼児向けヒーローをそのまま想起はさせてはいるものの、内容自体は非常に独自性を持っていますよね。 この作品に関してはもう「パロディ」として開き直ってしまって、中身は実は綺麗な女性である、なのに結局顔見せ…みたいな点を突っ込んでくれる「人物」あるいは「狂言回し」的な存在(?)等がいればもう少し違う切り口の作品になるかもしれませんね。是非修正を試みてみるのも、いいのではないでしょうか?
  • 黎明に向かう世界の端っこ

    B-058

    黎明に向かう世界の端っこ 18P

    雷希

    【吉田円】

    主人公が描き切られる前に終わった印象。現状ではただの1シーンの切り抜きに感じます。

     

    【佐藤智美】

    連載1回目 "未満"…な作品。 人と機械の戦いが続く世界が舞台。闘いに明け暮れる中、人々の間では「能力者」という人力外の力を操る存在について俎上(そじょう)に載せるが…。
    ①人と機械の戦いが続く様子→②「能力者」と呼ばれる突然変異した人類がいるという話題→③機械に攻め入られピンチ→④「能力者」登場…という様な構成に前半から中盤までにかけては成っていますが、この構成からあのラストにいってしまうと、①〜③の必要性が全く感じられません。また主人公の活躍も見れない上、他のボス的なものを倒しに行くから…と人々を置いて去って行ってしまう姿に「主人公像」としての魅力は感じられず、読者は戸惑ってしまうような気がします。 連載作品1回目のラストに「マザー」といった未知の存在を小出しにして、2話目への興味を引きたい作者さんの気持ちもわからなくもないですが、肝心の主人公たち自体にに「もっとこの人たちの活躍をみたい」という圧倒的な魅力がなければ読者も着いていかないのでは無いでしょうか?
  • 竜の居る世界

    B-059

    竜の居る世界 28P

    千秋楽太郎

    【吉田円】

    竜の狩人を描いた作品で、ネームもしっかりしています。ただ、作品的には既視感が強い印象です。竜の狩人にもっと特化した視点の話にするなど、差別化できると良かったと思います。

     

    【佐藤智美】

    良質なファンタジー…な作品。
    竜とヒトとが存在する世界が舞台。その二者の境界を守るものを「狩竜人(かりゅうど)」という…そんな存在を世間に周知させるべく取材を行う記者。仕掛けておいた罠を見にいくという狩竜人に「小屋からはでるな」と釘を刺されるが、思いがけない竜の出現に記者はその小屋から飛び出してしまう……。面白かったです。「ファンタジー」と「竜」という組み合わせに当初「またか…」というイメージが一瞬よぎりましたが、読み進めるうちに独特の世界観にどっぷり浸っていく感じがなんとも言えなかったです。 竜が居そうな世界観、また人物の服装もこだわりを持って描かれており、細かな部分ではありますが、そういったディテールがファンタジーの場合大切なんだなぁと思いました。そして個人的にファンタジーには一番大切だと思っている「ファンタジー内リアリティ」。竜を狩る主人公とそれを取材する都市部からきた記者(?)の会話に竜を狩ることに対する「偏見」を話し合っているシーンがあるのですが、とてもいいシーンだと思いますし、この物語の「テーマ」であり「問題提起」だと思いました。ただラストでは残念ながら上記の「問題提起」の解決よりも「この作品で連載したい」という作者さんの「願望」の方が勝ってしまった様ですね。 気持ちはすごくわかるのですが、しっかり「問題解決」を行った方が作品の質がグッとあがりますし、読者の「続きも読んでみたい」という気持ちにつながるのでは…?と思いました。
  • 小さい星

    B-060

    小さい星 42P

    鶴川かきお

    【吉田円】

    ストーリーは破綻していないのですが、主人公が不在な漫画のように感じます。ゆえに、感情移入の主体を見つけられないまま、事象を読まされている印象です。

     

    【佐藤智美】

    SFショートショート…的な作品。
    とある惑星に着陸したと思われる探査船(?)。コールドスリープ状態から目覚めた探査船のたった一人の女性乗組員が目を覚まし、早速降り立った惑星の探査に出かけるが……。
    非常にまとまっており、読みやすい作品だと思いました。長さも丁度いいですね。 勿体無い部分としては、やはり冒頭部分の惑星探査のパートでしょうか?主人公があまりにも葛藤も躊躇もなく宇宙服の上から注射器をぶっ刺したり装備を外してしまうなど「そこって宇宙なんだよね?大丈夫??」という表現が所々あり、なんとなく途中から「これってなんかの実験系?」という疑念が勘のイイ人なら湧き上がってしまうでしょう。物語の「創造神」である作者の「この次はこの展開だからこのくらいで…」という甘えが少し感じられてしまいます。 惑星探査のパートはもっと「本気で」描いた方がラストの切なさをもっと引き立ててくれるのではないでしょうか?
  • 池メン

    B-061

    池メン 3P

    あめいろたまねぎ

    【吉田円】

    一ネタギャグ漫画ですが、ツボに嵌りませんでした。

    【佐藤智美】

    やる気は十分伝わってくる…な作品。
    主人公のカオリは彼氏募集中のOL。「森林浴で出会いアリ」という占いを信じてやってきた森の中で池にはまった自称「池メン」男性と出会うが……。3Pという超ショートなギャグ漫画。 お話自体は「おいっ」と突っ込みたくなるようなオチで面白いのですが、パッとみても2点ほど勿体無い部分がありました。 1点目は「池メン」登場シーン。髪が長いので一目で「男性」とは分かりづらいかと思います。折角裸なので上半身は見せてもOKなのでは無いでしょうか? 2点目は3Pの2コマ目。ここはオチで大事なシーンなので大ゴマで…できればめくって偶数ページの1コマ目で見せたいところです。3Pの1コマ目の擬音はオチのシーンにかぶせてしまえば大丈夫だと思いますよ。 いまは3Pですがもう1〜2P増やして、上記のように修正してみるとさらに面白くなるのでは無いでしょうか?
  • ひとりっこ

    B-062

    ひとりっこ 16P

    サキマサ

    【吉田円】

    オチも綺麗な二段オチになっていて、読み切り作品としては良くできた作品だと思いますが、最後に救いは欲しかったです。

     

    【佐藤智美】

    人の心を丁寧に…な作品。
    母親と喧嘩してしまった主人公。その日を境に母親は家事を一切やらなくなってしまう。母親の代わりに全ての家事をするようになった主人公が何度も何度も謝っているのに母親はなかなか許してくれない。でもそれには理由があって…。 人の気持ちを描こうとしたイイ作品だと思いました。中盤以降少し早足になってしまったのが少し残念です。喧嘩の理由はしっかり描いた方が良いと思います。 私たちの日常で「あるある」な親子ゲンカであればあるほどイイのでは無いでしょうか?是非その部分を足して修正してみるとさらに良くなる作品では無いかと思います。
  • 否定ちゃんと肯定くん

    B-063

    否定ちゃんと肯定くん 35P

    枝谷

    【吉田円】

    同性愛者をテーマにした漫画ですが、2パターンの同性愛者を出すことで、お互いのキャラを上手く引き出していました。エンディングも爽やかで良かったです。

    【佐藤智美】

    難しいテーマに挑戦…な作品。
    学校内で「同性愛者」として有名な男子生徒・月島は、ある一人の女子生徒に「付き合ってほしい」と声をかけられる。最初は言葉通り「男女として付き合う」と意味だと受け取り断る月島だったが、その女子生徒は「手伝ってほしい事がある」と言い放つ。お礼目的でその女子生徒を手伝う事になった月島だが…。 「同性愛者」というテーマをさらっと描きこなしてしまう、すごい作品ですね。BLでも百合でもなく、「同性愛者」が受ける偏見にスポットを当てて描いているところ、しかも「確かにこういう苦悩ってありそう」という部分を切り取って描いているのが印象的でした。 作者さんが意図的に行っているのかどうかわかりませんが、この作品の主人公は男の子でしょうか、女の子…それとも「2人」?個人的にはどちらか一方を主人公にした方が読みやすい気がしました。この場合男の子方が自分自身が「同性愛者」である事を受け入れすでに自己確立しているので、女の子の方が彼との付き合いの中でどのように変わったかを描けばバッチリかと思います。さらなるネームのブラッシュアップを期待しています!
  • 苦いひととき

    B-064

    苦いひととき 19P

    錦甲斐

    【吉田円】

    生徒と教師の説教を延々きかされている印象。どちらもキャラ的に立っているわけでもないもで、メリハリも感じませんでした。

     

    【佐藤智美】

    これだけでは判断しづらい…が…な作品。
    期末テストで欠点(落第点)を取ってしまった生徒・向笠(むかさ)が向かった先は「科学室」。若い科学教師は一癖も二癖もありそうな向笠を教師として「不得意」な生徒と思いつつも気になりだしていく。 この1話目だけだと正直に言って物語の全体像や目的までは読み取れませんでした。ただ生徒と教師のやりとりが実際にありそうな会話というかリアルな空気感があって、続きが気になる…そんな作品だと思いました。
  • パソコン部とは名ばかりの

    B-065

    パソコン部とは名ばかりの 10P

    ひこ助

    【吉田円】

    日記を漫画にしたような作品。第三者からすると「だからなんなの」という感じになってしまいます。内輪ウケにならないよう、もう少し、不特定多数の読み手の立場に立って考えましょう。

     

    【佐藤智美】

    主人公は誰…?な作品。
    数学のテストでひどい点数を取ってしまった主人公。そんな主人公に友人が「パソコン部に入って、担当の先生に勉強を見てもらおう!」と誘いかける。勉強を見てもらうために入部するとそこにはインディゲームを黙々とする唯一の男性部員・戸田センパイが居て……。 まだあまり漫画を描き慣れてない方なのでしょうか?2ページ目に人物紹介がされていますね。ネーム大賞ということで絵の補足として「人物紹介」をつけることはあっても、まず「読み切り」でこのような事を行うことはほぼありません。作品内で誰が主人公で、お話を引っ張っていくのか…それは構成とコマ割りで見せていく必要があります。 3ページ目では主人公の登場シーンなのに横向きでロングの姿で描かれています。むしろ担任の先生の方が主役の登場の仕方をしている状態です。残念ですが多くの人が誰が主人公であるかこのページからは分からないでしょう。 まずは誰が物語の主人公であるか…絵でもわかるように工夫してみるといいのではないでしょうか?
  • ゴリラブ

    B-066

    ゴリラブ 44P

    トラタツ

    【吉田円】

    言葉を話せて文字が書けるゴリラが主人公。たとえばこれが、いじめられている男の子が主人公だったら普通のストーリーですが、ゴリラがやることによって意味を持ってくる。そこが面白かったです。

     

    【佐藤智美】

    ギャグなのかストーリーなのか…な作品。
    夜の動物園の監視室。一緒に過ごすおばちゃんから読み書きを教わり、言葉を話せるようになったゴリラのマサオ。昼間動物園に来るたび、ゴリラの展示の前に居る少女・ハナに渡すために書いた「ラブレター」をついに渡すことに成功するマサオだったが……。 言葉が話せるようになったゴリラの主人公が、恋する人間の少女のために頑張るファンタジー(?)。コマ割り、構図などが非常にうまくサクサク読み進められることが出来ます。かなり漫画の基礎体力が高い作品と言えるでしょう。 印象的だったのは、少女・ハナが母親の交際相手の男に刃物を突きつけられるという…マサオが恋する少女のピンチを助けに行くようおばちゃんに促されるシーン。。「男かどうかだろ?」とおばちゃんがゴリラのマサオに語る、この台詞には思わず声をだして笑ってしまいました!! …というか、このシーンは読者的には「笑って」しまってOKなシーンなのでしょうか?個人的にこの作品は「ファンタジー」であり、「ギャグ」的なお話だと思って読んでいるのでこのような反応になってしまいましたが…。絵柄も爽やかでなんとな〜く…サラッと読めてしまうのが魅力である一方、読み終えると「でも…あれ?これでいいんだっけ??」という疑問が残ります。 上記のシーン以外にもハナの母親の交際相手の男が「ゴリラアレルギー」であるとか、少女・ハナがほとんど言葉を話さず自分の意思をあまり出さない…「幼女っぽさ全開なカンジ」過ぎるところとか、マサオの手紙をハナの母親と内縁関係にある男性が読み、他の人間の男性から渡された手紙と勘違いしてその子供に包丁を突きつけるというぶっ飛んだ行動を取るなど…これらも「ゴリラが話す」とあまり変わらないくらいの「非日常」であり、「ファンタジー」要素が満載であることからワタクシ個人としては「ストーリー漫画」として読むことよりも、「なんでもありのギャグ漫画」として受け取ってしまったようです。 もし作者さんが「ストーリー漫画」として描こうとしているとすれば、少し色々と設定的に無理が生じている可能性があるかもしれません。「ストーリー」か「ギャグ」か…もう少し読者にはっきりわかるようにした方が親切かもしれませんね。
  • 悪魔がいた…!

    B-067

    悪魔がいた…! 10P

    西山 田

    【吉田円】

    オチはブラックな内容で、しっかりとオチになっているのですが、良くある展開という印象でした。

     

    【佐藤智美】

    ブラックユーモア(?)…な作品。
    孫が話す「あいたーい」という喃語(なんご)を、「靉靆(あいたい)」という難しい熟語を話していると勘違いする祖父。孫、祖父、息子夫婦…なんの変哲もない家族とその日常、しかしそんな家族の中に実は「悪魔」が潜んでいていて…。絵もネームも達者で苦もなく読み進めることができます。ただ「ブラックユーモア」な作品と一言で片付けてしまうには「倫理的にかなり微妙」で、あまり後味のよくない読後感が気になりました。嫁と祖父サイドからみれば「ブラックユーモア」…「笑える」ネタかもしれませんが、息子&孫サイドからみると全くもって「笑える」要素はゼロですよね。一度息子&孫サイドから物語を捉えてしまうと「ブラックユーモア」的な所からかなり遠ざかってしまいます。「ストーリー漫画」として真面目にこのテーマに取り組むか、あるいは「エロ」としてこういうジャンルも需要があると言うことならまだわかるのですが、このまま「ブラックユーモア」あるいは「ギャグ」漫画として貫こうとするならば、誰からも好意的に読んでもらえないのではないかと思いました。その部分を是非修正されてみてはいかがでしょうか?
  • 宙空のパンドラ匣

    B-068

    宙空のパンドラ匣 47P

    天領哉・純友良幸

    【吉田円】

    密室空間での妙な連帯感から、最終的なオチへの構成は出来ているのですが、リアリティーを考えると少々強引な印象が否めません。

     

    【佐藤智美】

    どんでん返しが…な作品。
    山奥…地中に埋められた箱から人が出てくる描写から始まる。場面は変わり、舞台はとあるデパートへ。一人の男性がピアスを万引きした女子高生を追いエレベーターへ乗り込むも、そのエレベーターが急遽止まってしまう。エレベーターに閉じ込められた人物は全部で6人。果たして6人は無事にエレベーターから出られるのか、そして救出を待つ間に明かされる6人それぞれの意外な正体、さらにその結末は…? 閉所恐怖症の小太りの男性、万引犯の女子高生、上品な老女、厳(いか)つい男性、チャラいラップ男、グラサン&マスクで完全防備の女…。エレベーターという「匣(はこ)」の中で織り成される人間模様を描いた作品となっており、サスペンスとしても楽しめる作品。よく考えられ、作り込まれた作品だと思いました。ただ「登場人物が多すぎる」…というのが、実は最大の欠点となっているかもしれません。人物が多ければ多いほど「この人物、すごく怪しい…?」という妄想も膨らみやすく、読者も色々「推理」なんかも出来て楽しめるのでは……という配慮からかもしれませんが、別にこの時点で誰か死んだりしているわけではありませんし、サスペンスでお約束の「犯人探し」の必要は特にないですよね?このお話はどちらかというと「お話の構造」を楽しむタイプの作品なのではないでしょうか? 6人を丁寧に描き過ぎるあまりに、物語全体にとって大事な「縦軸」となる「はこ」というキーワードがかなり曖昧な印象になってしまった気がしました。冒頭の山奥で地中に埋められた「箱」から、人が出てくる描写のことなど覚えている読者はごく僅かではないでしょうか? 単純に閉じ込められる人数を減らす、特徴は紹介してもわざわざ全員のエピソードをそこまで丁寧に掘り下げないなどの修正を行えば、スパッと切れ味の良いサスペンスとなるような気がしました。
  • 雨がやむとき

    B-069

    雨がやむとき 12P

    りんごヨーグルト

    【吉田円】

    ナレーションの繋ぎ方に稚拙さが感じられます。作品的には童話や詩のような世界観ですので、日本語の表現力をもっとつけて、稚拙に感じない表現の仕方を見つけてください。

     

    【佐藤智美】

    統一感を…な作品。
    とある町で一匹の犬と不思議な子供が出会う…そんな描写から始めるストーリー。漫画というよりも絵本のような読後感の作品です。先に死んでしまったご主人様を想う飼い犬が、主人が待つ天に召されるという描写を綺麗に描こうとしているところに好感を抱きました。 まだ漫画とも言い切れない部分もありますが、細部をもう少しきっちり描くといいのではと思います。 まずお話の舞台。現代劇なのか空想の世界なのか…天使と現代のいじめっ子の両者が存在する世界ならばそのような世界観をしっかり描く必要があると思います。 「現代劇」が舞台で…天使は「見える人には見える存在である」というならそのように、作品を読むための「ルール」を読者にしっかり伝えた方が親切ですね。もう一点は小道具について。犬をいじめているいじめっ子が最後に犬を刺してしまう「剣」ですが、現代劇であればあの形状の剣を持つことはかなり難しい事だと思います。どちらかというとファンタジーの世界に出てくる剣ですよね。 読者にうまく提示あるいは表現できていないときは、大体作者さん自身も決めきれていない事が多いように思います。 読者のことを考えて画面作りをすることがまず「描き手」としての第一歩だと思いますので、是非挑戦してみてくださいね。
  • トイレット

    B-070

    トイレット 10P

    増井理佐子

    【吉田円】

    途中から状況の羅列になり、ストーリーの方もまとまらない形で終わってしまった印象です。

     

    【佐藤智美】

    「つづく」ないで下さいっっ!!…な作品。
    重度の便秘症に悩む女性が主人公。 いろいろな便秘解消法を試し、いよいよ「その時」が迫るも主人公は……? 「便秘」……元来腹筋が弱い女性の抱えがちな問題。 女性「あるある」を取り上げた興味深い作品だと思います!! …が、お話の本当に途中で終わってしまっているのが非常にもったい無いですね。 安易に「つづく」とせずに、是非その先を描いてみると良いのでは無いでしょうか?
  • 振り向いて!実くん!!

    B-071

    振り向いて!実くん!! 12P

    あめいろたまねぎ

    【吉田円】

    Ifを使ったストーリー展開で、短いながらもやりたいことをしっかりと表現できていると思います。

     

    【佐藤智美】

    オチありき…な作品。

    ありえたかもしれない…ほんのちょっとでも可能性があったかもしれない未来に戻る能力を持つ主人公・レル子。片思いの同級生・実を振り向かせるため能力を使い、彼の「理想の女性」になろうと頑張るが……。

    主人公の「能力」とオチまでの流れを最優先に作られたような作品で、漫画作品としては非常にまとまっていると思いました。

    ……が、片思いの同級生の実が主人公を嫌っている理由として「じぶんのことしか考えていない、世界の中心は私と思っている」と指摘している通り、レル子のあまりにも「自己中」な最後の行動&結末が読後感としてあまり良くなかったのかもしれませんね。

    物語において「主人公の変化」を見たいと思っている読者にとってこの作品は、肝心の主人公の「変化」の部分が「未来に戻る能力」のセイで見事に割愛されてしまっているので、彼女の行った努力や苦労等を全く感じ取ることはできません。彼女の持っている能力はあくまで「未来に戻る能力」であって、「望んだモノになる能力」ではありませんよね?

    確かに「自己中」な主人公ですが、片思いの彼の要求に応えるべく「五億六千五百十万二千三百七十五回」も頑張った「努力家」。作者サンは是非そんな彼女の魅力も引き出してあげるべきなのではないでしょうか?

  • なまの不自由

    B-072

    なまの不自由 18P

    かこなー

    【吉田円】

    SF作品で労働力としてのロボットと働かない人間という設定は良くある展開ですが、オチをしっかりと作っているところが良かったです。

     

    【佐藤智美】

    いろいろと荒削り…な作品。

    「逃げなきゃ、逃げなきゃ…」と、街中を何者かから逃げるために疾走する一人の少女。警備ロボットに見つかりそうになる瞬間、もう一人の少女に助けられる。「少女」の姿をしているが実は「ロボット」であるという2人。仕事をすることを彼女たちのような「ロボット」に押し付けている「人間たち」を変えるべく、その元凶だという「タワー」という場所を2人は目指すが……。

    「ジブンは◯◯と思い込んでいたけど、本当は…」という、SF作品に良くある設定で描かれた作品。出てくるモノ全てが既存の漫画やアニメ、映画でどことなくみたことがあるモノで溢れている上に、「こんな設定とか、世界感あるよね?それを元に読んでね??」と、上記の創作物から得た読者の持つ「SF経験値」に委ねてしまうほど、とにかくディテールが甘く…「荒削り」感が否めません。ただ扉絵と最初の数ページから察すると可愛らしい絵を描きそうな印象を受けます。この作品の中で作者さんの最も描きたかったモノはこの「2人の少女型ロボット」の造形と、ラストの絵なのかもしれませんが…だとしたらせめて人物の造形の描写には力を注いで欲しかったです。

  • 月になる男子

    B-073

    月になる男子 31P

    文化パーマ

    【吉田円】

    学園祭の1日を描いた作品ですが、その中にしっかりとキャラクターやその心情が描かれていて、熱い青春ものになっていました。

     

    【佐藤智美】

    人物を絞ったほうが…な作品。

    カメラにハマっているユカとその友人ミキ。文化祭の真っ最中の校内を彷徨く2人の前で何やら始まる様子。そこにはミキのクラス内でひとり浮いている男子・中西が「プロレス」をしている姿があって……。

    「人と違う」ことにこだわるユカ、「フツーが一番」のミキ…名前をしっかり覚えてもらえないほどクラスでは存在感がない「中西」が文化祭で「プロレス」のパフォーマンスをすることをきっかけにそれぞれの意識が変わってく姿を描いています。

    個人的には26Pのシーンが好きですね。(プロレスファンからは異論もあるかもしれませんがw)

    実際にやったら…と言われること必至かもしれませんが、漫画ではこういうシーンを作品に入れるだけで印象に残りますし作品全体が引き締まるのでいいと思います。

    作品全体を通しては「文化祭」をきっかけに思春期にありがちな「個性」をめぐる葛藤を描こうとしているのに、うまくいっていないカンジがしました。

    まずは「人と違う」ことにこだわるユカ、「フツーが一番」のミキという2人の女子の存在。この2人については役目を1人に集約したほうがいい気がしました。このままだと3人の中で誰が「真の主人公」であるかが正直言ってよくわかりません。「人と違う」ことにこだわる女の子が、「プロレス」のパフォーマンスをする「中西」の姿を目の当たりにすることで本当の個性に気づく…的なシンプルさでいいかと思います。

    また一方で「中西」についても、いまのネームの段階では彼の本名は「中西」なのに、存在感の薄さから「田中」と間違えて覚えられてしまっているという設定があまり活きておらず、大変もったいないですね。

    バンドのステージに乱入するシーンで、ギターを奪い取り壊していますが、ここはプロレスお馴染みのマイクパフォーマンスを…。

    屋根に上り飛び降りる前あたりで「俺は田中じゃねぇ、中西だぁあああ~」的なことを言ってもいいのではないでしょうか?登場人物を絞ってそれぞれの変化をしっかり描ければ、かなり面白い作品になると思います!!是非修正に挑戦してみてくださいね。

  • 生活

    B-074

    生活 8P

    ALI

    【吉田円】

    ショートストーリーとして綺麗にまとめています。前半の主張部分は少しナレーション過多に感じました。

     

    【佐藤智美】

    日記みたいな…な作品。

    ひとり暮らしの女性。いい天気にも関わらず休みの日に部屋でゴロゴロ。

    ゴロゴロしながらぼんやり「生活」についてアレコレ考え始めるが…。面白かったです。タイトル通り、ひとり暮らしの女性の「生活」を定点カメラで覗き見してしまったようなカンジと言ったらいいのでしょうか?モノローグが多いところが少々気にはなりますが、いろいろと哲学的に考えるも結局最後は「そこかいww!」というカンジが良かったです。これでご飯が美味しく描けていれば今流行の「お一人ご飯漫画」、「独身生活」を切り取った作風を同じように描き続けていけば1コマ漫画『一人暮らしのOL』っぽくて面白いのではないかと思いました。

  • 散歩

    B-075

    散歩 9P

    戸川賢二

    【吉田円】

    独特の雰囲気があるので読めてしまいますが、読者を選ぶネームでした。

     

    【佐藤智美】

    独特の空気感が…な作品。

    学校をサボってお散歩する女子学生のお話。何てことのないお話…と思いきや、独特の空気感がなんともいえませんねw

    5ページ目から6ページの一コマ目への流れと、最後の「終わりです」の一文が個人的にツボにハマりました。ページ数が少ないのでこの作品だけだと判断が難しいかと思いますが、すごくネームのセンスがある方だと思います。

    是非他の作品も読んでみたいと思いました!

  • さよならマスターベーションマン

    B-076

    さよならマスターベーションマン 14P

    庭野丈助

    【吉田円】

    性癖の異なる二人がお互いを同じ性癖だと勘違いして話してゆくという仕掛けが上手く機能していて良かったです。

     

    【佐藤智美】

    構成にもう一工夫…な作品。

    まっ昼間から公園に佇む大人の男性2人。「公園の遊具フェチ」と「ロリコン」…2人の異なる嗜好を持った「変態」が織りなす ”超”心理バトル!!「公園の遊具フェチ」と「ロリコン」…特に「ロリコン」要素がいまの商業雑誌的には正直「OUT~~~~!!!!」…な気もしますが、お話の発想自体はお笑いのコントのようでとても面白かったです。お互いに「もしかしたらコイツ…同志!?」と内心思いながらも少しづつ噛み合わない…誤解し合っている描写をもう少し整理してうまく表現できていれば更に良かったですね。さらなるブラッシュアップを期待しております!!

  • ワンコイン

    B-077

    ワンコイン 30P

    お子様ランチ

    【吉田円】

    1枚の500円玉から始まる男女の物語が爽やかに描かれていて好感が持てました。展開は少しファンタジーな感じがしますが…。

     

    【佐藤智美】

    安定感のある…な作品。

    道に落ちていた「500円玉」をきっかけに始まる恋物語。面白かったです。絵も可愛らしいですし、30Pというページ数も丁度良く…特に最後の女の子の行動は可愛かったですね。ほっこりするお話がうまくまとまっていて、漫画って、物語ってこういうことだよなぁ…と思いました。ただあまりにまとまりも良く、安定感もありすぎるので作品としてのフックが弱いという印象、「いいお話だったね~~」という感想で留まってしまう可能性も…?ほんのちょっぴりだけでも「毒素」が盛ってあってもいいのかもしれませんね。

  • 見ているぞ

    B-078

    見ているぞ 14P

    おぎぬまX

    【吉田円】

    万引き犯と視線をテーマにしたホラーチックな作品で、オチもそつなく出来ています。ただ、目新しさがない点と目を引くキャラクターがいない点が残念でした。

     

    【佐藤智美】

    良くも悪くもセオリー通り…な作品。

    書店で立ち読みをしている男性。本を万引きして書店を後にしようとすると、「見ているぞ!!」という見開かれた両目の描かれた万引き防止のポスターが目に入る。書店を後にするも、いく先々で例のポスターの「両目」に見られているような感覚に襲われて……。「◯にも奇妙な物語」の作品のようなお話で、ホラー&サスペンス系漫画では定番というか…かなり既視感のあるテーマでした。…が、しっかり「古典」を「古典」として描ききっている事が素晴らしいと思います。

    作者さんは漫画を描く際、もしかしたらまだ他の創作物を規範にしているかもしれません。そういった事から学ぶ事も大切ですが、自分しか知らないあるいは自分の身の回りの事を取り入れて作品を描こうとするだけでグッとオリジナリティが生まれると思います。次の作品を描く際には是非挑戦してみてくださいね。

  • 心配ショー

    B-079

    心配ショー 8P

    たっつー

    【吉田円】

    咳=ガンとなる前提が弱く、その時点で作品世界から距離が出来てしまいました。オチの魚の骨と禁煙という関係も繋がりません。もっともらしく感じるような設定が必要だと思います。

     

    【佐藤智美】

    確かに「ショー」的…な作品。

    学校から帰る小学生の男の子と女子高生の姉。最近父親の咳が酷いことから、重い病気ではないかと男の子が心配しだして……。

    父親の咳が酷いことから重い病気を心配するが実は喉に魚の骨が詰まっていただけだった…という、シンプルなお話をなんとなくタイトル通り…「ショー」的に盛り上げてしまったのでしょうか?

    いまのネームのままだと、「父親の咳が酷いことから重い病気を心配するが実は喉に魚の骨が詰まっていただけだった。」ということも、もしかしたら読者にきちんと伝えきれていないかもしれません。まず父親の登場シーンで、父親をわざわざ後ろ向きで登場させるのはなぜでしょうか?また姉の父親の呼び方が「パパ」だったり、「たけし」だったり…呼び方が変わるのはなぜでしょうか?最後の方では途中に魚を食べているようなシーンを回想風に入れてしまっているのは…。

    いろいろ挙げましたが、読者を不必要に混乱させてしまう…不思議な表現が非常に多いです。

    上記部分は無理矢理回想にせず、シンプルに飛び出した魚の骨を見てから「そういえば◯日前に魚を食べたんだっけ?」→「もう心配して損した!!弟クンは心配症だな!」→「でも大好きな父ちゃんが無事でヨカッタヨカッタ!!」でもいいのではないでしょうか?

    身近な…「家族」をテーマに作品を描こうとすることに好感が持てますし、また絵柄も可愛らしいので、是非上記の点をクリアにしてネームの修正を行ってみると良いのではないでしょうか?