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第8回ネーム大賞 Bチーム・
テキスト講評発表

Bチーム・テキスト講評(編集者・吉田円 漫画家・佐藤智美)

※1次審査Bチームのテキスト講評を発表します。
  • “少年”

    B-028

    “少年”  18P

    夏浦純己

    【吉田円】

    SNSを通じてのイジメと自殺というテーマに殺人事件やマスコミをからめたことで、膨らみが出たように思います。ラストはもう少し分かりメッセージがやすくても良かったのでは?

     

    【佐藤智美】

    いかにも短編らしい…な作品。

    地元で起きた事件に自分の気に入らない同級生を関連付け、ネットで拡散する主人公。
    「気に入らねぇ奴が減れば 学校生活が快適に」…そんな気持ちから行っていた行為だったが、 ある日その同級生が自殺をしてしまって…。

    SNS、◯ちゃんねるなどをテーマに「因果応報」を描いた短編作品で…「世にも奇妙な◯◯」とかでありそうなお話だと思いました。
    確かに今やSNSなどを利用した「いじめ」は、中高生の間では当たり前…また何か事件が起これば個人情報&本人の写真まで流出される…社会的にも深刻な問題ですよね。特に「いじめ」に関しては現実社会でも自殺にまで発展しているケースもあるかと思います。

    テーマも大変興味深く18Pの短編として「まとめて」きてはいますが、テーマとページ数の割に内容が薄い…そんな印象を受けます。
    おそらく「人間の心理や感情」よりも「18Pという短編で綺麗にまとめること」の方に、作者サンが重きを置いてしまっているからではないでしょうか?

    「人間の心理や感情」にもう少し重きを置こうとするなら、まず主人公は自分の身に降りかかる「因果応報」的な人々の仕打ちに思い悩んだり追い詰めらたりし、自分がしてしまったことの重大さ、または自分が自殺に追いやってしまった同級生への何らかの想いなどが描かれるのではないでしょうか?

    主人公の「死ぬこたぁないだろうに…」というモノローグ同様、このままの描き方では「え?主人公…このくらいのことで死んじゃうの?」と「主人公よりも警察に誤認逮捕までされていた同級生の方が大変だったハズ」…といった気持ちが大抵の読者は沸き起こってしまうのではないでしょうか?

    お話の「流れ」ももちろん大事ですが、人の心の「流れ」はそれ以上に大切であることを忘れないで欲しいと思いました。
     
  • しりがある。

    B-029

    しりがある。  56P

    メソンダ・モンズラー

    【吉田円】

    オナラだけでこれだけ引っ張るのは凄いですが、全体的にダジャレ、下ネタとナンセンスという組み合わせで、ちょっと着いていけませんでした。

     

    【佐藤智美】

    尻好きにはたまらない…な作品。

    主人公のお尻に取り憑いてしまった「お尻族」(?)との奇妙な共同生活について描いたギャグ作品。
    作者の方が楽しんで描いているカンジが、物凄く伝わってくる作品でした。
    「楽しんで描く」は実はとても大切な事だと思います。
    ただギャグ作品については技術云々よりも「読者の好み」に左右される事が多いと思います。
    この作品は「お尻」を中心としたライトな「下ネタ」、そして「おやじギャグ」色が色濃いので、
    それこそ「そこ大好き!!」という読者の心には「どハマり」しますが、それ以外の人にはなかなか受け入れ難いかもしれませんね。

    このままの「下ネタ&おやじギャグ」路線を貫くか、別路線で攻めてみるのか…作家サンの今後が非常に気になる作品だと思いました。

  • カリスマの血

    B-030

    カリスマの血   36P

    イヌ・ウマナリ

    【吉田円】

    色々とエピソードやショッキングさを取り込んでいるものの、設定や何を面白いと思って読んでほしいのかがスッと入ってこない作品だった。

     

    【佐藤智美】

    雰囲気がイイ…な作品。

    高校生にして絵の才能がある主人公・神崎渚。
    作品を納品するアトリエに同じ学校の同学年・豊平銀河がバイトとして入ってきて…。

    主人公が自身のルーツを求める話…と受け取っていいのでしょうか?
    モノローグは少なめで、登場人物の会話でしっかり進んでいくところがいいですね。
    また絵柄や作品全体にも独特の雰囲気があります。

    思春期の青年が自分の本当の父親に遡る事で自身のアイデンティティを確立していこうとする姿が描かれているのだと…私は受け取ったのですが、正直にいってあまり自信がありません。

    なぜなら作品内で主人公の「真に求めるモノ」がきちんと描かれていないからです。
    「モノローグ」に頼りすぎる漫画も読み難いですが、主人公の求めるモノがしっかり盛り込まれていない作品もどう読んでいいのかわからず読みづらいのだと思います。

    自身の本当の父親を探し出す事で、主人公が何を得たいと思っているのか…
    その部分を作品内で明記するだけでも、さらにもっと読み易くなる作品だと思ました。

  • 阿修羅をさがして

    B-031

    阿修羅をさがして 51P

    ラジカロイド

    【吉田円】

    剣豪の生きざまを描いた作品で、しっかり構成されているが、ネームの絵柄ではなくリアルな絵柄になったらどうなるのかを考えると、相当に演出力のある絵でないとギャグになる懸念が…。
     

    【佐藤智美】

    ロングや俯瞰を大切に…な作品。

    乱世の時代が舞台。
    鬼のような目つき、鬼のような怪力を持ち…刹那の剣さばきで腕が無数にあることからついた通り名を持つ「阿修羅」という剣豪をめぐるストーリー。

    今では雑誌ですっかり少なくなってしまった時代劇…剣豪モノに挑戦している作者さんの姿がまず素晴らしいと思いました。通常漫画の時代劇モノ…特に「剣豪モノ」では「強さとはなにか」と言ったストーリーになりがちであるのに対し、本作は「復讐心」にスポットを当てているところが面白いと思いましたね。「復讐を果たすこと」に意義などないかもしれないと知りつつ、でもその「復讐心」や「恨み」を持つことで主人公が「生かされてきた」という事実…それを大切にしたいという気持ちに焦点を当てている所が良かったです。
    ただ非常にもったいないと思った部分が「画面作り」。
    まず主人公の登場シーン。主人公が「阿修羅」の似顔絵を差し出しているのは、実は「足」なのですが、あのコマと構図からその事を読み取る事が一瞬できませんでした。また後半の目の見えない剣豪の登場シーンも同様の理由で、後にセリフで説明されるまで「目の細いキャラ」としか認識できませんでした。
    「実は足である」「実は目の見えない」と言った事は、この作品の今後の展開に関わる重要な情報だと思うので、アップやロング&俯瞰などをしっかり使って読者に分かりやすくする工夫をすると、さらに良くなるように思いました。

  • 小学生イカ

    B-032

    小学生イカ  20P

    海月 進太

    【吉田円】

    小学生以下のやつに小学生以下で対応するというテーマはしっかりあるのでしょうが、ナンセンス過ぎて面白さが伝わってこなかった。

     

    【佐藤智美】

    ダジャレがいっぱい…な作品。

    タイトル通り「イカの小学生」が主役のギャグ漫画。
    「小学生以下(イカ)」また小学生イカの変身後の姿(?)「あたり面ライダースーガ」など、作品の其処彼処に「イカ」関連語録がちりばめられており、また他のキャラクター達も「たらこ」と「ラッコ」を掛け合わせた(?)「たらっこ先生」、「小野妹子」風の「おののポテト」等の「ダジャレ」が満載で、作者さんが楽しんで描いてる様子が目に浮かぶようでした。
    ギャグ漫画というよりも「親父ギャグ漫画」と言った方が作品のテイストがよく伝わるであろう本作ですが、出て来るキャラクター名からセリフ…オチに至るまで終始「ダジャレ」で攻めてこられる為、「ダジャレ」がそれほど好きでない人にとっては「食傷気味」と感じるのではないでしょうか?特に「オチ」まで「ダジャレ」縛りにしてしまうとなかなか厳しそうです。「ダジャレ」というのは「言葉」を非常に限定してしまうので、「ああ、きっと最後はこういう事言いそうだなぁ」と読者にも容易に予想ができてしまいます。
    個人的には「ダジャレ」はキャラクターの名前&セリフでたまに使う程度にとどめて、「オチ」は変えるなどした方がいいように思いました。
    「ギャグ漫画」にしかできない、「意外な展開」を期待しております。
  • シガイッパイ

    B-033

    シガイッパイ 35P

    ユカコ

    【吉田円】

    自殺したものたちの集まる天界で生き返ることをテーマにした展開に引き込まれた。暗いテーマだが、ラストまで読み進めさせるネームの力があった作品。

     

    【佐藤智美】

    最後の部分が…な作品

    「死んだ人間」が集められた、とあるビルの屋上。自分が死んだ理由を人々が語るなか「クド」と名乗る謎の男が突然現れる。「死を管理する…死神みたいな存在」であると自ら名乗るクドは、死ぬ人が多くて下界も天国もいっぱいなので何人か「生き返らせる」と言いだして…。

    「死神モノ」がテーマで、「良い話」というか…「読後感が良いモノ」を描こうとしている作者さんの姿勢が良いなと思いました。
    絵柄もポップで、多くの読者に好印象を持ってもらえそうです。
    終わり方もハッピーエンドで読後感も良いはずなのですが…何となくモヤっとしてしまいした。
    恐らくその「モヤっと感」は主人公と少女の行動よりも、この作品のキーパーソンである「クド」の存在にあるのだと思います。
    「結局『クド』という存在は…?」
    「彼(クド)はこんな回りくどい状況をわざわざ作って、一体何がしたかったんだろう?」

    …読み終わった後にそんな感情が湧き上がってきます。

    クドはどうしてこのような事をしたのか?
    また、どうしてこれほどまでに人間に興味があるのか?

    クドが上記のような事に対する「答え」を述べているシーンを入れた方が、
    作品の主旨が明確になりスッキリするのではないでしょうか?

  • 人工神

    B-034

    人工神  33P

    び?だまc

    【吉田円】

    人工知能による予測をもとに将来の犯罪者になりそうなものなどを事前に処刑する神という設定が面白かった。ラストも綺麗な終わり方だったが、綺麗すぎたようにも思う。全体的にもう一歩、テーマを深く掘り下げられると、独自の世界観が生まれたように思う。

    【佐藤智美】

    ラストが分かりづらい…な作品。
    未来予測が可能となり、それをもとに犯罪者、不適正人物の可能性を割り出した「人工神」が、「天誅」という名の「抹殺」を人々に行うという近未来が舞台。
    「人工神」が誕生してから3年が経ち…その是非がいまだ問われる中、ある日反体制勢力のテロによって破壊された施設から「人工神」が忽然と姿を消してしまった。「人工神」の向かったその先には……?

    SF・ド定番の「人間の感情」を持とうとする「機械」の葛藤を描いた作品。

    普通の人々との「ふれあい」をきっかけに自我が芽生え出す「人工神」の姿が牧歌的でいいですね。
    ただそのシーンが全ページの中で考えると…少し短いような気がします。
    また後半からラストについてもいろいろ端折り過ぎ…
    特にラストについては「え?これで終わり??」と言った読後感が残ります。

    人工神が自我に芽生え始め、「低ランク不必要人物」のピックアップのやり直しを行ったにもかかわらず、自分の関わった少女たちは「低ランクで不必要人物」という結果になってしまう。
    どうなるんだろう…果たして「人工神」は彼女たちを「粛清」してしまうのだろうか…??

    …という、上記のドキドキ感や「人工神」の葛藤などがこれから描かれるのかなぁ~~…と思った矢先に終わってしまったカンジが勿体ないかと思います。

    SF作品は舞台設定でページ数を多く使ってしまいがちなので、非常に難しいかと思いますが、読者が一番見たい部分をしっかり描いた方がいいのではないでしょうか?
  • 森の千代古齢糖

    B-035

    森の千代古齢糖  24P

    神月 一八

    【吉田円】

    女郎蜘蛛というアイテムを使って、生きることや愛の姿を描く構成は、文学的な雰囲気もあって良かった。ラストには賛否あると思いますが…。

    【佐藤智美】

    読む人で好みが分かれるかも…な作品。

    「最上の愛の形とは 何だろう……?」

    愛する妻子が居ながらも、休日には昆虫採集に森へ出かけしまう主人公。
    仕事や家庭に追われる日々のなか、森だけが普段の喧騒を忘れさせてくれる場所だった。
    そんな折、アゲハに夢中になっていた主人公は足を踏み外し、大きな穴へ滑落してしまう。
    体が痛くて身動きが取れない主人公の目の前に、一匹のメスの蜘蛛が現れて……。

    大変面白く読むことができました。
    タイトルに含まれた「千代古齢糖(チョコレート)」とは
    「蜘蛛は食べるとチョコレート味」という逸話を意識したモノだったんだなぁ…と、知っているヒトには少々先が読めてしまう展開ではありますが、ホラーあるいはサスペンス系の漫画として、しっかり作者さんが程よく読者にヒントを与えながら話を進めていってくれるので、とてもスムーズに読むことができます。

    ただ、気になる点が2つ。
    主人公が「虫を食べるシーン」と最後の「妻を食べるシーン」。
    どちらもかなり直接的に描かれているので、あまりホラー&サスペンス系が得意でない人には若干の抵抗を感じるかもしれないと思いました。
    また個人的な意見でありますが、最後の「妻を食べるシーン」も、ちゃんと描いてしまうより、妻の耳元あるいは首筋に主人公が「噛みつこうとする瞬間」程度で止めておいても、読者はその後の展開を容易に想像できるハズです。

    ホラー映画等ではよくある手法かと思いますが、最後を読者の想像に委ねて完結できる優れた方法だとも思います。
    是非修正の際にはご検討を!

  • 激怒の道

    【吉田円】

    読み切り作品としては綺麗な構成になっていたと思います。

     

    【佐藤智美】

    発想が面白い…な作品

    レジ前でお金が足りずに困っている老婆の支払いを代わりを引き受けてくれた親切な青年。
    そのお礼をしようと思った老婆の目の前に、その青年は一つの「石」を差し出す。
    「この石をなでてください…」
    宗教か何かと訝しがる老婆に、青年はその「石」に纏わる自分の過去を話し出す。

    発想がすごく面白い作品だと思いました。また「石を撫でる」「激怒の道」などのキーワードの一つ一つが大変印象に残りやすいです。特に己の「激怒の炎」を飲み干すシーンはその表現もさることながら「五臓六腑が焼ける」ような怒りが伝わって来る良いシーンだと思いました。
    この作品は原作と作画と分業されているようですね。時折画面の端に「※」マークで作画用の指示の書き込み(?)のようなものが見受けられます。ネーム段階では構いませんが、原稿にする際にはしっかり「絵」で表現できると良いですね。
    原稿化がとても楽しみな作品だと思いました。
  • 白いワルツ

    B-037

    白いワルツ  34P

    三沢左右

    【吉田円】

    何がしたかったのか、今一つ伝わりずらいネームだった。

     

    【佐藤智美】

    雰囲気が素敵な…な作品。

    「縁切った。もうお前とは口利かない!」
    友人から一方的に絶交を突きつけられてしまう主人公・ベル。
    そのベルを励ますかのようにパペットを持った、美少年・フーが突如現れて…。

    不思議な雰囲気…といったら良いのでしょうか?「童話」の世界に迷い込んだような読後感の作品です。
    通常舞台が外国だったりファンタジーだったりすると、絵柄やお話、世界観などでどこか一部分が「浮いて」しまっていたり、整合性がとれないことがあるのですが、この作品は絵柄とお話の雰囲気が見事にマッチしているのが素晴らしいですね。
    ただ、大変勿体ないと思ったのが肝心の「お話」の部分です。
    まずは主人公と友人の絶交の理由、あるいは原因はなんであったのか?
    フーと共に旅する女旅芸人・シモーヌはなぜ消えてしまったのか…?
    なぜフーがわざわざ男装する必要性があったのか??
    最後になぜ主人公は絶交していた友人と仲直りしようという思いに至ったのか???

    とにかく、「?」なことが多かったのが残念でしたね。
    「童話」や「絵本」で描かれるようなお話は「ファンタジーだし、なんでもアリ!!」のように思われがちですが、子供にもわかるように「シンプル」に、さらに「教訓」がしっかり伝わりやすいようにできているものが多いです。
    この作品は読み終わった後に上記の「教訓」、また「教訓」とまではいかなくとも「作者が読者に伝えたいこと」が明確ではない印象です。

    「?」の部分をクリアにし、作者さんの「これだけは伝えたい」「感じて欲しい」ことを加えることで、絵の雰囲気にあった素敵な作品になるのではないでしょうか?

  • 最後の一服

    B-038

    最後の一服  27P

    竹内茂樹

    【吉田円】

    最後の煙草をめぐる物語だが、リズムが単調なのと長い印象が残った。それから、これはネームとは関係ないが、アップの際、原稿が小さくレイアウトされていて、ほとんど読めない文字が散見され、読み辛かった。

    【佐藤智美】

    淡々としたコマ運びが魅力…な作品

    妻の妊娠をきっかけに「禁煙」を試みる主人公。
    「最後の一服」にふさわしい場所を探し求め、彷徨うが…

    面白かったです。
    基本的に「会話劇」なので「モノローグ」も多めなのですが、作者さんの会話のセンスというか…
    話の運びがもの凄く自然なのでスッと読むことが出来ました。
    個人的には公園でのホームレスとの会話がツボでした(笑)

    「大人の雰囲気」を醸した「会話劇」が魅力のこの作品…読めば凄く楽しめるのですが、一見パラ読みするとコマ割や人物のデザインが良くも悪くも「シンプル」…単調な作品と読者によっては思われてしまいそうだなぁ…とも思いした。

    もう少しコマ割などを工夫をしてみるといいかもしれませんね。
     
  • 生きる意味が本当にあるのか?

    B-039

    生きる意味が本当にあるのか?  25P

    高橋邦博

    【吉田円】

    メッセージ性のあるネームですが、ナレーションのみで構成されていて、漫画としての面白さに関しては、不足しているように思います。

     

    【佐藤智美】

    「漫画」というよりも…な作品。

    生きることがツライと感じている主人公がその胸の内を滔々と語りながら、それを克服するプロセスを描こうとした作品。
    「漫画」というよりも「イラスト付きの詩(ポエム)」という印象を受ける作品で、まだ「漫画」になっていない作品だと思いました。また、主人公がツライ状況を乗り越えたきっかけが一冊の本であると言うことですが、この描き方だと主人公の出会った本…あるいは作者さんご自身がオススメの「本の宣伝」のようなお話になっていて、「主人公の克服へのプロセスを描く」という本筋から随分離れてしまったように感じます。
    「漫画作品」にするには、まずは「モノローグ」の使用をやめてみることをオススメします。
    そしてしっかり主人公を画面内で動かしてみるといいのではないでしょうか?
  • そこから、これから

    B-040

    そこから、これから   41P

    ぬっきぃ

    【吉田円】

    シーンの繋がりがスムーズでない点と、読者の興味を牽引してゆくことが不十分だったように感じる。

     

    【佐藤智美】

    爽やかな某文学賞作品…な作品

    「ここは東京都中野区にある とある地下劇場 今日はお笑いライブの日」
    芸人仲間の解散ライブ見ている主人公・くる子は、隣席に居る友人の芸人から「羨ましい」という表情をしていると指摘される。
    「私は解散じゃ泣けない」とコボす「くる子」はアイドル志望の相方との関係にずっと疑問を持っていて…。

    某お笑い芸人が受賞した小説を彷彿とさせるような作品…?
    …と、一瞬ちらっとは思いましたが、「プロとしての姿勢」をテーマにしっかり「人の気持ち」を描こうとしているところが凄く良いなと思いました。
    「やりたくないことでも笑顔を振りまく私と 納得いかないって諦めて腐った来須さん(※くる子)…プロはどっちだと思う?」
    という相方のセリフはグッときましたね。

    ただ、気になる点として1話の読み切りの割に登場人物が多い気がしました。相方にスカウトする男性芸人はまだ必要だとしても…元相方の男性芸人をここまで登場させる必要はあるのでしょうか?
    また絵柄の問題もあるのかもしれませんが、出て来る登場人物の髪型が似たようなカンジの「ボブ」か「ショート」…、更にシーンよってメガネをかけたりかけなかったりするので、正直なところ途中から「誰がダレ??」とかなり困惑しながら読むことになり大変なストレスを感じました。

    作品の為に本当に必要な登場人物は誰か……?
    もう少し整理してから修正すると更に良くなる作品だと思いました。

  • 佐藤家男子

    B-041

    佐藤家男子 64P

    そむはいむ

    【吉田円】

    それぞれの心情の描写がキーになる作品だったと思うが、読み切りと考えると登場人物が多かった分、それぞれの心理描写がしきれていないのが残念。もう少し人物を減らしてもよかったかもしれない。
     

    【佐藤智美】

    人間関係を絞って…な作品

    4兄弟だけで生活をする「佐藤家」の朝に思わぬ「闖入者(ちんにゅうしゃ)」が!!その正体は「高崎みなみ」と名乗る高校生。しかも「体は女」だが「心は男」だと言い出して……。

    BL×トランスジェンダー…な作品と言ったらいいのでしょうか?
    上記の組み合わもなんとなく「複雑になりそう」な雰囲気がすでに漂っていますが、
    現時点においても「登場人物が多すぎて複雑」!!!…というのが率直な感想だったりします。
    「佐藤家」4兄弟、トランスジェンダーの子、彼女のストーカー、トランスジェンダーの子の同級生、編集者(?)、バーへ配達に来た人…と 64Pの中にすでに9人もの登場人物が!!!!
    この作品自体は連載1回目っぽい作りなので、きっと上記の登場人物のほとんどのキャラは今後の作品内で動く、重要なキャラなのだということはもの凄く良くわかりますが、この1作品だけでまず10人近くの「人物と名前」を覚えることが難しいです。

    この作品自体が「途中」であるという事も評価を難しくさせていますが、連載作品の1回目として読んでもこのままの登場人物の数では問題があるように思います。

    作品のテーマはもちろん、まずは人間関係を絞って描いた方が良いように思いました。

  • MUSHI MONSTER

    B-042

    MUSHI MONSTER  46P

    あまの

    【吉田円】

    蟲が見えるという病を患っている若者の葛藤、苦悩が伝わってきやすいネームだった。ラストの持って行き方も綺麗だった。

     

    【佐藤智美】

    思春期特有…な作品。

    人によって体中を虫が這いずり回る姿が「視えて」しまう…。
    そんな奇病(?)のようなモノが社会現象となっている中、主人公・智広も「視えて」しまう体質であった。
    誰にも相談できず、他人となるべく距離をとって生活を送っていたが…。

    人間の体の表面に虫が這い回るという…画面的になんとなく「ホラー」的な要素が強そうな作品のようですが、内容は思春期の青少年にありがちな「自己」と「他者」をめぐる悩みをテーマに描いているところが、大変面白いと思いました。
    作中内で何度か出てくる「ネットの書き込み」の表現については、少し工夫をする必要があると思います。特に見開きの書き込みのシーンですが、残念ながらあの量は余程根性がある読者しかしっかり読まないと思います。
    しっかり読んでもらうならそのように画面を「整理」する、または最悪読み飛ばしてしまってもその後の展開がわかるようにした方が読者への配慮がなされている…良い作品になるのではないでしょうか?
  • 早合点とストーカー

    B-043

    早合点とストーカー  15P

    中尾あみ

    【吉田円】

    早合点な主人公と思い込みの激しいヒロインという組み合わせですが、どちらのキャラも感情移入しずらいので、心に残るものが少なかった。

     

    【佐藤智美】

    理解できるキャラがいない…な作品。

    何事にも「早合点」してしまう主人公・隼人。そんな隼人を「強引で…すてき!」と言い出す娘が現れる。「鈴山千津」という彼女はなんと過去にストーカー行為で停学になったこともあるという娘で……。

    早合点の主人公、ストーカーの娘、薬を売る老婆…それぞれのキャラの特性は大変わかりやすく「設定」されており、作者さんがそれぞれの「特性」を理解し、作中で一生懸命動かしているということは伝わってきました。
    ただ肝心の「内容」については、全く頭に入ってこないというか…。
    おそらく主人公とストーカー娘の「恋愛」を描こうとしているにもかかわらず、肝心の「恋愛」の部分が描ききれていない…「心情」がきちんと描かれていないので、登場人物の誰にも感情移入ができないまま話が進んでしまうセイなのではないでしょうか?

    「創作物」…「漫画」のキャラとはいえ「人の形」で描かれているなら、読者は「一人の人間」として認識して物語を読みます。もう少し描くキャラの「心情」を汲み取り、作中に織り交ぜてお話作りをしてみると良いのではないでしょうか?

  • ギャンブラーエックス

    B-044

    ギャンブラーエックス  55P

    長谷川

    【吉田円】

    ギャンブルのトリック1ネタで引っ張るには、ページ数が長すぎるように感じます。

    【佐藤智美】

    やりたいことはわかるが…な作品。

    ある日突然、知り合いの女性が経営するカジノ施設が倒産。
    さらにその女性が失踪したため、
    連帯保証人となっていた主人公・カケルは莫大な負債を背負う事に。

    失踪した知り合いに会うべく、カケルは友人と共にアフリカに向かうが…。

    F本伸行氏の「◯イジ」を彷彿とさせるような「ギャンブルもの」…と言ったらいいのでしょうか?
    作者さんのやりたいテーマ、目指したい事はものすご~~~く伝わってくる作品だと思いました。
    難しいテーマに取り組む事は大変いい事だと思います。
    ただまだお話作り自体が「粗い」上に、「漫画」の文法も巧く扱えていない印象を受けました。

    「なぜ主人公はカジノの連帯保証人になっていたのか?また『大学生』にしてカジノオーナーと付き合いがあるのはナゼか??」
    「カジノオーナーの居場所がアフリカだと分かっているのに、なぜ倒産させた本人に負債を支払わせないのか?」
    「多分この物語の舞台は日本…。ヘリでアフリカまで行く事は可能なのか??」
    「そもそも、この主人公のサークル仲間の女性が作中内に存在する必要性は??」

    肝心のギャンブルシーンに行くまでの過程で、ザッと挙げただけでも上記のような「疑問」が浮かんできます。
    作品の要(かなめ)である「ギャンブル」のシーンの為にも、なるべくそこに行くまでの
    「疑問」は解消しておいた方が良いように思いました。

  • 弱小球団ドリーム球場へようこそ!

    B-045

    弱小球団ドリーム球場へようこそ!  24P

    おさつサンドイッチ

    【吉田円】

    ギャグ漫画なのでしょうか? 紺野さんのセリフが○×△などになっている意味などが不明でした。


    【佐藤智美】

    野球愛orキャラクターの成長?…な作品

    舞台は弱小野球球団ドリームスの本拠地・ドリーム球場。周囲の人に若干ヒかれる程の
    やる気&「ドリームス愛」を持った紐本(♂)と、一方顔は良いがコミュ障の紺野(♀)。性格も行動も正反対の2人の新入社員はそれぞれのやり方で弱小チーム・ドリームスの為に頑張るが……。

    絵柄が可愛らしく、「野球愛」に溢れた作品だと思いました。
    またそれぞれのキャラが活き活きと描かれているカンジがイイですね。
    ただこの作品の主人公・紐本のように作者サンの「野球愛」が全面に出すぎている為か、肝心の「読者からの目」を見失ってしまっている…そんな印象を受けました。

    そもそも「球団」で働いている人は皆その球団の熱烈なファンであるか?
    仕事で業績を上げた人への報酬が「球団の限定グッズ」でも大丈夫なのか?(※ぶっちゃけ賃金でなくていいの?)
    同じ新入社員なのに、なぜ紐本は同僚・紺野よりも偉そう(?)なのか…。

    残念ながら野球を頻繁に見る習慣がなく、球団経営や運営には詳しくない私には上記のようなことが、「よくある光景」であるかどうかの見極めができません。
    それは読者にも言えることだと思います。

    野球球団…そもそも野球にもあまり興味がない、あるいは全然わからない人でも興味を持って読めるような、導入&お話の展開にした方が良いように思いました。

  • ネーム大賞に応募してみた

    B-046

    ネーム大賞に応募してみた   18P

    nemu

    【吉田円】

    アイデア勝負したかったんでしょうが……。

     

    【佐藤智美】

    ご応募ありがとうございます!…な作品

    『ネーム大賞』へ応募する過程を描いた壮大なストーリー!!!?
    まずはほとんど漫画を描いた経験が無い、またお忙しい中「ネーム大賞」へ作品をご応募いただき…本当にありがとうございました!!
    「ネームで応募できる」また「副賞が魅力的」など、まさに「ネーム大賞のPR」の為に描かれたような作品であることに喜びを感じてしまいました。
    私自身もまだPCも普及していない中、書店で漫画の描き方の本を買ったり、漫画雑誌の後方に掲載されている「漫画の描き方」講座を何度も読み返して、何とか漫画を描いた…そんな記憶が蘇ってくるようでした。

    ご自身でも「まだ慣れていない」ことを自覚してらっしゃるとは思いますが、まず簡単な「こうした方がいい」という部分を指摘させていただきますね。
    それは作者さんの描かれた「漫画のテキスト(文字)」についてです。

    作者さんの作品の「テキスト」は「横書き」であるにもかかわらず、「コマ割り」は通常の漫画の順番で読まなければなら無い…これはかなり読みにくい状況です。
    日本の漫画は「右綴じ」&「(テキスト)縦書き」が基本です。
    このフォーマットは「日本語」に大変特化した「独特の表現」だといえるでしょう。

    では作者さんの作品を読み易くするにはどうすればいいか?
    下記の2点が考えられます。

    ①「テキスト」を「縦書き」にする。
    ②「コマ割り」を「横書き」用に再構成する。

    作者サンの利用されているnoteというサイトは漫画用のビューアーでは無く、通常の「横書き」タイプなので、作品を今後もアップする際は上記のことをご自身で決めてアップされることをオススメします。
    まだWeb漫画の多くは①の「テキスト縦書き×フツーの漫画のコマ運び(右上→左下)で公開されていますが、世界の基準からすると「日本のマンガ」の読み方はかなり特殊。
    今後は②の「テキスト横書き×横書き用のコマ運び(左上→右下)もアリかもしれないので、興味がありましたら是非試してみてくださいね。
     
  • 男性禁制・童貞ごっこ

    B-047

    男性禁制・童貞ごっこ  8P

    みのる

    【吉田円】

    隠喩的なもので表現されているのだと思いますが、このショートのネタだけで面白いとまではいかなかった。

     

    【佐藤智美】

    ほのかな??…な作品

     

    男子学生の日常を描いた(?)な作品で、8Pとかなり短編の作品です。
    ただのたわいも無い学生同士のやりとりの中にほのかに香る「BL臭」が…なんとも言えないですね(笑)
    一人は「BL臭」をプンプン出しまくってるのに対して、もう一人はかなり無邪気で…その「平行線」具合もおかしかったです。
    ただ2人の外観が絵的にかなり似すぎていて区別がつかず、最後の会話だけのシーンで「どっちがドッチ??」となってしまった事、またページ数が少ないので、この作品だけでは作者サンのこの作品の意図が今ひとつはっきりしないというのが大変勿体なかったかと思います。
    短編でも構いませんが、その代わりに数作分 にするなど…もう少し「量」があるといいですね。

  • 湖に眠る

    B-048

    湖に眠る  48P

    グレアム

    【吉田円】

    入りのネームが唐突過ぎる印象。キャラの魅力を出さずに推理にどんどん入ってしまうのが残念。

    【佐藤智美】

    しっかりした…な作品。

    湖に男性の死体があがった。。。
    男性の死は「事故死」、亡くなった男性の家族の元へ刑事とその姪が事情聴取の為に向かうが…。

    2時間ドラマのサスペンスのような…絵柄&お話共にとてもしっかりした作品だと思いました。
    ただ本当に良くある「2時間ドラマの定番」な流れですし、また登場人物も刑事と子供(♀)という組み合わせではありますが、子供とは思えない程の落ち着きぶりに「刑事の相棒は別にこの女の子である必要はないのでは…?」と思ってしまうほど。
    その時テレビで人気の子役が「子供探偵」としてサスペンスドラマに出演している、そんな印象を受けました。

    推理モノで「子供」が主役の漫画といえばまず思い浮かぶのは「名探偵◯ナン」だと思いますが、「中身は大人」の主人公が「体は子供」という…一見事件の捜査には不利と思われる状況にも関わらず、むしろその状況を「最大限に活用」することによって難事件に立ち向かっていく姿に読者はドキドキするのだと思います。

    この主人公にしかできない、彼女でなければ事件解決は無理だったであろうという展開にできればさらに良くなるのではないでしょうか?
     
  • バド戦記

    B-049

    バド戦記  45P

    えりつぃん

    【吉田円】

    導入がバタついた印象。後半持ち直していただけに残念。もう少し整理してみた方がいいと思います。

     

    【佐藤智美】

    熱血☆バトミントンもの…な作品。

    「自由!!それが俺の青春だ!! 」

    高校進学と同時に「自由」を求め、数々の部活の勧誘には目もくれず「帰宅部」を選択する主人公。
    充実した学校生活を送れると思っていたが「最近何かが違う…」と感じ始める。そんな折「パシーン パシーン」という羽の音に誘われるように体育館を覗いてみると、そこには鬼気迫る表情で練習をするバドミントン部の姿が……。

    男子のバドミントンもの。
    心から夢中になるモノが見つからない主人公が、「とあるスポーツ」と「強力なライバル」を得る事によって、今まで眠っていた才能を見事に開花させる…まさに「スポーツ漫画」の王道をまっすぐ直線コースで行ったような作品だと思いました。
    バドミントンの事を知らない読者の為に「競技用のバドミントンの羽&ラケットは硬い」あるいは「握り方が違う」などといった基本的な知識も盛り込んでいるところもしっかり気配りが出来ています。
    ただ、あまりにも随所に今まで読んできたスポーツ漫画で見た事のある展開、ある意味「テンプレート通り」にお話が進んでいってしまうので、読んでいても「きっとこうなるんだろうなぁ」とあまりドキドキしませんでした。
    また主人公、ライバル共に「まっさら」というか、デザイン&性格的にかなり「無個性」なのでさらに「テンプレート感」が倍増というか…「お話の流れ」だけを読者は読んでいるような感覚になるのではないでしょうか?

    人物が無個性なら「バドミントン」の競技自体をものすごくカッコよく描く、あるいはもう少し主人公に個性…「魅力」を付け加えるなどもう少し工夫が必要なのではないかと思いました。
  • ゴールド・ラッシュ!

    B-050

    ゴールド・ラッシュ!   62P

    いなずまたかし

    【吉田円】

    少年誌のスポーツ漫画の王道的人物配置が無理なくできている。その中で双子の妹が喘息もちという設定がぴたりとハマっていた。

     

    【佐藤智美】

    野球×バド…な作品

    野球に一心に打ち込んできた主人公。しかし団体競技にありがちな、各個人の競技への熱量の差に耐え切れず…主人公は「野球」を断念してしまう。何もする事がなく家でゴロゴロしている主人公は、ある日双子の妹・真琴から「一緒に市のバドミントン大会に出よう!!」と誘われる。「嫌や!」と瞬時に断るも、病弱でもバドミントンに日頃から打ち込む妹の姿を目にしていた主人公は妹との出場を決める。

    面白かったです。
    野球のバッティングの技術をバドミントンに応用させていくシーンは、どれだけ主人公が今まで野球に打ち込んできたか、またその努力が報われるような気持ちがしてドキドキしました。
    また妹の存在もこの作品では非常に光ってます。
    腐っていた兄にバドミントンを始めるきっかけを与えるだけでなく、バドミントンのラケットを持つと彼女自身が「もの凄く強い」という。ウ◯トラマンのタイマーの様に「いつまで闘えるんだろう?」と読者に思わせる事が出来ますし、もの凄く強いのに「病弱」な為普段は部活の試合に出る事ができないという「切なさ」がなんとも言えないキャラです。
    話の流れ上、主人公がバドミントンを選び取るのは納得ですが、強いていうなら、妹の方にもバドミントンでの今後の展望を…「いまはまだ試合にちゃんと出られないけど、自分は全然諦めていない。もっと大人になったら喘息はよくなるかもしれないし、新しい治療法だって…。」あるいは「圧倒的な強さで最短で勝つようになる!!」などを付け加えてくれると嬉しいですね。

  • ミリオンエナジー

    B-051

    ミリオンエナジー 71P

    ヲヲクラゲ

    【吉田円】

    無敵の不良がスポーツで軽くあしらわれて、真剣にスポーツをやっている奴らを尊敬する、というある種の王道で、突っ込みどころも多いネームですが、楽しめました。
     

    【佐藤智美】

    王道(!??)…な作品

    凄い「ケリ」と「リーゼントモヒカン」がトレードマーク…「上中の狂犬」という異名を持つ「空 百万馬力頑張る造(そら ひゃくまんばりきがんばるぞう)」。
    変わった名前をいじられる度に確実にキレる「頑張る造」は、ケンカに明け暮れる日々に飽き飽きしていた。

    高校入学式当日、式場で生活指導の教員に目をつけられ…さらに「名前」を嘲笑されたことをきっかけに教員に殴りかかる頑張る造。
    しかしその瞬間、頑張る造を遮る「ある人物」が現れる。
    彼らは「南高フットサル部」と名乗る一団で……。

    『心から夢中になるモノが見つからない主人公が、「とあるスポーツ」と「強力なライバル」を得る事によって、今まで眠っていた才能を見事に開花させる…まさに「スポーツ漫画」の王道』!!な展開を更によく分からないカンジ(?)にしたような作品だと思いました(笑)
    作者さんもその点についての認識があるのでしょう、少しでも「王道路線」に「独自性」を出そうとしてか…主人公を始めとする「キャラクター」に物凄く力を注いでいるのが伝わってきます。
    ただ、あまりにも登場人物に「謎の力」を注ぎすぎて「絶対実在し無さそうなキャラ」しかおらず、誰にも感情移入ができないのが勿体ないです。

    また「キャラ」が最優先な為か、全体的にまだ「話の構成」が「力技」というか、かなり「雑」なので、せめてフットサル部の乱入シーンくらいは分かりやすくてもいいのかもしれません。例えば、主人公が教師に突っかかる→「フットサル部」登場→ざわつく会場→「ヤツら…またやりやがった」「毎年恒例だなww」と会場内の上級生がフットサル部の事を口にするのを耳にする新入生たち。

    「毎年恒例」は最後の方に作者さんもネームで書いているとは思いますが、あの描き方では印象に残りづらいかと思います。
    作中の新入生たちも目の前で突然起こった出来事にビックリですが、読者も同じくらい「な…なななな、何?」となってしまっていると思うので、ちゃんと補足してあげた方が親切だと思いました。
    キャラは元気一杯…「やりたい放題」でもいいですが、肝心のお話については「やりたい放題」で「読者」を置いてけぼりにしないよう、気配ることも意識されるといいのではないでしょうか?

  • 美少女と美少年の神話

    B-052

    美少女と美少年の神話   43P

    ヲヲクラゲ

    【吉田円】

    神は人間に読まれて初めて存在しうるという設定に、強引ながらもなるほどと思わせるものがあった。

     

    【佐藤智美】

    芯のちゃんと通った…な作品

    「美少女」「16歳」「処女」というキーワードから選ばれた少女・なっちゃん、一方「美少年」「16歳」「童貞」というキーワードから選ばれた少年・カズヤ。
    ある日神々の住まう「高天原(たかまがはら)」へ呼び出された2人は、天の岩戸に篭ってしまった太陽神・アマテラスを呼び出すため、スサノオがプロデュースする「S-1グランプリ」への参加を求められるが…。

    「人間」と「世界の神々のバトル」という単語が出てきた時点で、「かなり壮大な話になりそう…?というか、この話…40P前後でしっかりまとめられるのだろうか??」という思いを抱きながら読み進めました。
    冒頭の「S-1グランプリ」の説明の部分だけで「18P」も使っているかと思えば、ラスト部分の「人間2人」の描写がかなり「雑」というか、随分「あっさり」していたりとバランスの悪さも目につきましたが、思いの外スラスラと読むことが出来、なおかつ「芯の通った」作品であるという印象をウケました。
    (ページ数が途中でしっかり5万ページ分飛んでいるところも気が利いていますしねw)

    ただ作者サンも作中で仰っている通り、「世界の神々」「美少女&美少年」「童貞」「処女」「16歳」…そういった単語に多少でも興味がある読者であれば読み進めることができるとは思いますが、興味のない方の場合読み進められるのだろうか…そんな疑問が頭に浮かびます。
    まずは「S-1グランプリ」の説明の部分だけでもわかりやすく且つ手短にすること、
    ラストの人間2人の心情にもう少しスポットを当ててみると良いのではないでしょうか?
     
  • 個サルに行ってきます!!

    B-053

    個サルに行ってきます!!  23P

    竹田一義

    【吉田円】

    日記のような感じの分かりやすいネームだった。ただ、父と娘のやりとりなど、ベタすぎる印象。

     

    【佐藤智美】

    実体験なのか?妄想なのか…な作品。

    「個人参加型フットサル」…通称「個サル」へ通う主人公(独身)の姿を描いた作品。

    「個人参加型フットサル」という存在を知らなかったので、「へ~、こういう社会人の趣味サークルがあるんだなぁ~」という感想がまず浮かびました。
    「39歳・独身で婚活中の主人公。とある中小企業の課長である主人公は真面目だけが取り柄でつまらない男と周囲の人たちには思われがちだったが『個サル』で様々な人と出会い、活動に打ち込む事で徐々自分をはじめ周囲の人々の反応も変化していく」
    …と、上記のような事を作者サンは表現したかったのかなぁと個人的には思いましたが、現状では「…かなぁ」と思ってしまう程、「お話」にメリハリが無い為「『個サル』に通うだけでそんなに何でも上手くいくものかなぁ~」と思ってしまいました。

    「個サルに通っていたらこんないい事があった」いや「こんないい事があって欲しい」という作者サンの「願望」(妄想?)の方が前面に出てしまっている状態かと思います。

    おそらく「39歳・独身で婚活中」であるという「切実さ」みたいな感情がこの主人公からはあまり感じられない事、またそんな主人公への周囲の人の対応が「それほど酷く無い」という事にあるかと思います。
    「主人公の『個サル』にハマってる感が薄い」(というか、何についても「卒なく」こなしており全体的に頑張ってる感が薄い)…そいう部分をもう少しわかりやすく「演出」してみると良いのではないでしょうか?

    「漫画」にも最近では「日常系」というか、起きている事(日常)をそのまま描くというジャンルが存在しますが、基本的に漫画は「創作物」であり「人の心を動かす」モノであると思うので、「人に読んでもらう工夫が必要」かと思います。
    「この主人公の現状に共感する」「わかるよ、主人公の気持ち」といった読者の心の動きも意識して描いてみると良いのではないでしょうか。

  • KAGUYA ?ある囚人の物語?

    B-054

    KAGUYA ?ある囚人の物語?  25P

    大橋宇宙

    【吉田円】

    設定説明がかなりウエートを占めていて、現在進行形で進んで行く物語が少なかった。

    【佐藤智美】

    同人誌的…な作品?

    宇宙空間を自由に行き来し、「新たな生物を創造する」までに科学技術を発達させた人類。科学の発達を追求するあまりに科学者たちは「鬼」と呼ばれる危険生物を生み出してしまう。
    「鬼」に両親を殺された主人公「かぐや」は「鬼」を抹殺すべく動き出すが…。

    日本最古の物語「竹取物語」の「それ以前」を描いた作品…ということでしょうか?
    このお話内の主人公・かぐやは実は罪を犯した「宇宙人」、「竹取物語」内に登場する「人間」も実は「鬼」と呼ばれる生物だった…ということを描いているのだと思いますが、ただ本当に「実は『竹取物語』にはこんな「前日譚」がありましたよ~」という事だけが描かれている印象です。
    また肝心のラストも「竹取物語」の冒頭シーンに繋がって終わりであるため、この作品は完全に「『竹取物語』ありき」の作品であって「竹取物語」のアナザーストーリー、あるいは「同人誌的な作品」に止まっています。

    さらに作者さんの描いたラストから話を考えると、この後「罪人・かぐや」は「運良く優しい『鬼』の老夫婦に育てられて、最終的には月…元居た世界(?)に戻る」という事を示唆してしまっているわけですが、その解釈で良いということなのでしょうか?
    作者サンの描いている「鬼」は「獰猛」で「危険な生物」ということなので…「ん?それでいいの?」という思いがどうしても拭いきれません。

    きちんとオリジナルの作品にするには、この作品の「かぐや」が「鬼」たちの世界に行った「後の事」まで描く必要があるように思いました。

  • 永遠の証跡

    B-055

    永遠の証跡  40P

    志奈

    【吉田円】

    不死の妖精と人間の恋物語という設定だが、雰囲気で持って行っているので、もう少し明確な牽引するラインが欲しい。また、妖精の大きさがシーンによって変わり過ぎているのが違和感があった。

    【佐藤智美】

    情感が豊かな…な作品。

    人間と妖精の恋愛を描いた作品で、絵柄も可愛らしくお話にとてもにマッチしているなぁ…と思いました。
    「不死」の妖精と命に限りのある人間との「恋模様」…結末は分かっているとは言えやはり切ないですね。
    哲学者である主人公の「終わりのある中に『永遠』は存在するのか?」という問いをお話の中心に据え、組み立てているので非常に読みやすかったです。
    一方「絵的」には「顔&バストショット」中心の画面が多い為、理解しづらい場面が所々にありました。特に収穫祭で女の子が倒れた所を主人公が助けるシーンや妖精・エリスが突然全裸になっているシーンなど、その場面の前後あるいは全身が描かれていないので「唐突」な印象を受けました。
    またラストについても、主人公との切ない別れを経験した割にすぐに次の「出会い」(?)を描いてしまっているので「ちょっ、エリス…気持ちの切り替え、早っっ!!」と個人的には思ってしまいましたね。

    とは言え、この作品の作者サンは情感豊かさが最大の魅力だと思うので、その部分を大切にした作品作りを今後も楽しみにしたいなぁ…と思いました。