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第8回ネーム大賞 Bチーム・
テキスト講評発表

Bチーム・テキスト講評(編集者・吉田円 漫画家・佐藤智美)

※1次審査Bチームのテキスト講評を発表します。
  • きえない花

    B-056

    きえない花   32P

    hino

    【吉田円】

    高校時代と今をクロスする作りのネームが綺麗に構成できていましたが、主人公の自意識が強すぎて「なぜ、そう考える?」「なぜ、その展開になる?」と思う節があった。

     

    【佐藤智美】

    女同士の複雑な友情…な作品

    特に仲良くなかった高校の同級生の事を思い出す主人公。そんなある日、主人公の勤める会社の向かいにフラワーショップが開店する。主人公はそこで例の高校の同級生が働く姿をみつけて…。

    おとなしかった印象の人が、久しぶりに逢った際ものすごい「ハツラツ」とした…「社交的なキャラ」になっていたりすると「自分の知らない間に、色々あったんだろうなぁ…」なんて意外に思うと同時になんとなく寂しさも覚えてしまう…そんな事を思い出させるような作品で、読んでいて「あ~…こういう距離感の友達いたなぁ」または「こういう事ありそう」という気持ちになりました。

    人の感情を丁寧に描こうとする姿勢に好感が持てますし、作者サンが持つ「人に対する観察力の高さ」を感じる事ができます。

    一方、技術的に細い部分ではありますが冒頭部分…主人公ではなく同級生でスタートするのが絵的にもったいないですね。「主人公のヒールのアップ」→「主人公の顔」あるいは「全身」→女子学生の集団…特に「おさげ髪の子」のとすれ違う際になんとなく例の同級生の事を思い出す…くらいの方がシンプルいいのではないでしょうか?

    またこの作品全体のテーマの一つに「花」というキーワードがあると思うのですが、ラストは「メロン小豆」という飲み物に切り替わってしまっている所が「……アレ?」という印象。
    もちろん「メロン小豆で乾杯」は良いラストではありますが、せめて主人公が気になっていた花の名前が分かるシーンがあって欲しかったです。

    もう少し修正すれば、さらに分かりやすく面白くなる作品だと思いますので是非挑戦してみてくださいね!
     
  • エアロ

    B-057

    エアロ   31P

    奇之下

    【吉田円】

    空を飛ぶ競技という架空の設定がなければ、ごく普通の青春スポーツもの。このスポーツの特異性や危険性などをもう少し描けると、他のスポーツと違う面白さが見えてくるように思う。いずれにしても、画力や画面の構成力がないと評価を受けるのが難しい設定。

     

    【佐藤智美】

    必要性はあったのだろうか…な作品

    空を飛行できる「エアロスーツ」を装着し、途中に設置された「リング」をくぐりながらいち早くスタート地点に帰ってくるレース競技「エアロ」。その「エアロ」をめぐる2人のライバル同士の姿を描いた作品。

    「天才vs努力家」というスポーツ&レース漫画で定石のテーマを、作者サンの考えたオリジナルの競技で行っている所が…とにかくチャレンジ精神があっていいですね。
    ただ「天才vs努力家」という構図、表面的に反目し合うが実はお互いを認め合っている所とか、ライバルの死後何かに目覚める主人公など本当にセオリー通りなのが気になりました。
    特に「ライバルの突然の死」がこの作品で本当に必要であったかどうか…。

    個人的な意見ではありますが、話の展開というか主人公の急激な成長のためだけに安易に「死」をストーリーに組み込む事よりも、作者サンご自身が作り出した「エアロ」という競技「だけ」が生む面白さや世界観、2人の切磋琢磨する姿が見たかったなぁ…と思いました。

  • 青のめばえ

    B-058

    青のめばえ   16P

    宮本みえ

    【吉田円】

    後半の展開が急だったように思う。もう少し丁寧に展開しても良かったのでは?

    【佐藤智美】

    雰囲気が魅力…な作品。

    青い花で埋め尽くされた広い温室に死んだ猫を埋めてあげた事からはじまった…年の離れた男女の恋愛物語。
    「漫画」というよりは、一編の「詩」あるいは「ミュージッククリップ」を観たような読後感(?)でした。

    作者サンの思い描いている世界観と展開がギュギュッと詰め込まれていて、一旦ページをめくるとその想いが一気にどわ~~っっと流れ込んでくるような?
    そういう所が大変魅力的だと思います。

    ただその一方で、このページ数で「2人が結ばれる」ということを大前提にがっちり組まれた世界観すぎる為、あまり受け手である読者に考える余地がなかったような気がしました。
    途中で突然挿入される「主人公」の出生の秘密や父娘関係もよくよく考えるとかなりディープでドロっとしたモノなのに、結局「主人公たち2人がよければそれで良し!!」となってしまっていて、「この話…次はどうなるの?」とか「この2人どうなっちゃうんだろう?」的なページをめくる時に生まれるドキドキ要素があまり感じられないのが勿体なかったかと…。

    今回は16Pと短編ですが、次は是非読者も作品に参加できるように工夫しながら、もう少し長めの作品にチャレンジしてみてもいいのではないでしょうか?
     
  • フィルムガール

    B-059

    フィルムガール  23P

    「柴原カイ」

    【吉田円】

    映画を撮ることに青春を掛けた大学生たちの雰囲気は出ているが、展開的には既視感が強い。もっと映画撮影の話を深く掘っても良かったのでは?

     

    【佐藤智美】

    一所懸命に打ち込む姿が…な作品。

    大学4年生…同級生が就活で慌ただしい毎日を過ごしたり最後の学生生活を満喫する中、映画の撮影に没頭する女性主人公の姿を描いた作品。

    一生懸命何かに打ち込む姿はやはり観ていて気持ちいいなぁ~…という読後感でした。
    でもまだこの物語も主人公についても「長い映画人生…『映画道(みち)』の入り口辺り」を描いているのかな?という印象です。

    もっと本気でその世界に行ったら、ものすごい大変だろうし人生のアップダウン激しそう…(←ましてや就活してないし)
    そんな気持ちで読むと「何となく気が向いて行った合コンの相手との映画デートをすっぽかした」というエピソードだけではドラマ要素が少ないというか…「なんかもう…可愛いなぁ??」という感じで、読む側の感情の振れ幅も小さい気がしました。

    また最後に一点気になった事としては19Pの3コマ目。
    あのセリフは主人公の言っているモノでしょうか?
    だとしたら「映画観るわ」ではなく「映画撮るわ」なのかなぁ~~と思ったり…(←違ったらすいません)
    フキダシに「しっぽ(?)」がついていないので、少し分かりにくかったです。

    細かいところではありますが、読者への読みやすさ&気配りも忘れないように出来たらいいですね。
     
  • メンスチイ

    B-060

    メンスチイ   40P

    花門初海

    【吉田円】

    やりたいことがはっきりとしているし、見せ方もしっかりしている作品。あとはもう少し読者が入り込む視点を明確にした方がいいように思う。今のままでは、単にサイコなキャラ同士のサイコな作品で、読者が自己投影できる部分が弱い。

     

    【佐藤智美】

    共感できる存在の有無…な作品

    人食い殺人鬼が現代日本に黄泉(よみ)返る…!!
    100年以上前に何者かによって殺された人食いを趣味とする男・アルベルタ。
    彼は自分が女子高生・京子の「体」に蘇り、彼女が眠っている(意識の無い)間は主導権があることを自覚してる。

    寝ている時に留まらず、日を重ねるごとに「彼」でいる時間が増えていくなか、最近巷で話題となっている猟奇殺人事件の現場に遭遇してしまい…。

    絵もとても上手い上、漫画の構成&構図も達者でストレスなく読み進めることが出来ました!

    主人公の少女が内側から操られているという表現や、猟奇殺人事件現場の遺体の描写など印象的に残るシーンも随所随所に散りばめられていて飽きることなくページをめくることが出来ます。
    最後の猟奇殺人犯との闘いでは彼女の体に黄泉返った殺人鬼が本領発揮して返り討ちにする…最大のヤマ場が待っています!!

    主人公(?)のアルベルタは有名映画「羊たちの沈黙」シリーズのレクター博士を彷彿とさせるような人物ですね。

    ただホラー&サスペンス系の映画やドラマに慣れ親しんでいる(私も含む)読者にとっては、楽しんで読める作品となっていますが、人によっては「苦手」と感じる方もいらっしゃいそうです。

    またこの作品の主な登場人物の構成は、「人食い殺人鬼」「殺人鬼を殺した謎の人物」「少女」「猟奇殺人犯」…「ノーマル」なキャラは「少女」だけで、他の人物は「アブノーマル」…ほとんど「殺人のプロ集団」状態ですよね。

    上記の映画「羊たちの沈黙」ではレクター博士は非常に印象深い存在ではありますが、連続殺人事件を追う女性FBI捜査官が物語の中心となって物語を動かしているため、多くの視聴者は彼女に「共感」を寄せて物語にのめり込んでいける…そんな工夫がされていたように思います。
    一方この作品には彼女…「FBI捜査官」のような存在がいないので更に読む人を絞ってしまうような気がしました。

    限定的な読者に向けて描くか、もっと一般的な読者サンに向けて描くかは作者サンの決めることだと思いますが、後者の読者に向けて描く際にはもう少し「少女」の行動&リアクションを増やすなど、一般の人が「共感できる存在」や「価値観」を設けてくれると物語に入りやすいのではないかと思いました。

  • おじさんとさかなちゃん

    B-061

    おじさんとさかなちゃん 32P

    河森佐和

    【吉田円】

    作品の世界観や雰囲気は良く伝わってくるのですが、おじさんがママを好きという設定が前ふりなく唐突な印象でした。それを受けての少女の葛藤なども、会話で済ませるよりエピソードで表した方が良かったと思います。
     

    【佐藤智美】

    修正された…な作品

    「半袖半ズボン」で男の子っぽいことを理由に同級生の男子達から「さかな」とからかわれてしまう少女・ささな。
    そのことをめぐりまた同級生とケンカした帰り道、ささなは立ち寄った公園である一人の男性と出会う…。

    前回のネーム大賞で応募した作品に対して修正及び加筆を行った作品。
    同じ作品に対し、作者サンが修正を行ったこと…その姿勢がまずはとても素晴らしいと思いました。
    作品に対して寄せられた意見や感想を元に、修正することは大変力がいることですし、1つの作品の完成度を上げるための努力は漫画家になる過程でとても大切なことだと思います。

    ただ作品の修正の仕方でも気をつけなければならないことがあり、そこがうまく行っていないためでしょうか、1つの作品内に「主人公・ささなが抱くおじさんへのほのかな恋心」と「おじさんとささなの母親との恋愛(?)」の2つが大変分かりにくい状態で組み込まれてしまっている印象を受けます。

    おそらく前回の時に審査員や読者の方から寄せられた感想・出された課題などを「一つ一つクリアする」ような修正を行ったのだと思いますが、そのために肝心の物語の「核」となる部分がぶれてしまったのだと思います。

    読んだ人の「声」は大変貴重ではありますが、作品にとっては時に「雑音」になるものも含まれています。
    与えられた課題を「一つ一つクリアする」よりも、「自分が表現したいことは何かを明確にする」また「伝わっていない部分はどこか探す」ための「参考」くらいに考えた方が良いように思います。

    「自分はこの作品でどういう事が伝えたかったのか…」
    『原点回帰』と言ったらいいのでしょうか、もしこの作品を再度修正するような事があれば、「話の核」となる部分を見つめ直してみると良いのではないでしょうか?

  • イマワリセット

    B-062

    イマワリセット   64P

    おのた

    【吉田円】

    前半部分の設定説明が長いのと、最後、目的を達成する流れが今一つだった。「その手があったか!」的なオチを期待していた。

     

    【佐藤智美】

    頑張っている事は伝わってくる…な作品

    成績優秀・スポーツ万能…さらに世界に影響力を与えることでチヤホヤされることを願う主人公・暁カケルは自分の持つ壮大な願望とは裏腹に「うだつのあがらない生活」を送っていた。そんなある日カケルが通う夜間学校の教師から「カケルの運命を好転させる方法がある」という話を持ちかけられる。その方法とはとにかく死んでしまうことが決まっている少女・瀬戸内リツカの命を2週間後まで繋ぎとめることだと言い出すが…。

    物語の中心人物であるカケルとリツカ、そして作者サン…とにかく懸命に頑張る気持ちに満ち溢れた作品だと思いました。
    ただその想いが強すぎるのでしょうか、作者サンの持つ世界観が時折わからない…または物語についていけないと感じる部分が多く見られました。

    まず冒頭の主人公の「うだつのあがらない」という現状として「ゴミ収集の作業員」で「夜間学校」に通っている姿を描いていますが、私個人としては全く「うだつのあがらない」姿だとは思いませんでした。
    むしろ働いて学校にまで通っている真面目で懸命な姿に写りますし、現実にそういう職種についている方、また働きながら学校に通う生活を送っている方が読んだ際、どのように捉えられてしまうか…かなり心配な表現であると思いました。
    作者サンの「一途でまっすぐな主人公像」を守りたい…そのお気持ちは痛いほどわかりますが、ここは「彼自身に何らかの問題が有る」という状況…たとえば口先だけで努力を怠っていたりするなどとした方がいいように思います。

    作品の後半部分では、死神が存在する世界観や「運命カルテ」の登場がかなり唐突な印象で、思わずページをめくって読み直しを行ってしまいました。

    学校の先生が「運命を司る神に仕えている者」だったり、「死んだ事をリセットできるリング」については作中で説明が行われているので、まだ理解できるのですが…「死んだら死神が迎えに来る設定」や「運命カルテ」についての説明が全くなかったので「え?そういう話だったっけ?」とよく分からなくなってしまいました。

    「死神」や「運命カルテ」は「作者サン個人の死生観」或いは「価値観」であって、あまり一般的とは言えないのではないでしょうか?

    作家サンご自身の「面白いと思っていること」また「伝えたいこと」の表現はできていると思いますので、ぜひ次は「読者の目」を意識した作品作りに挑戦してみると良いのではないでしょうか?
     
  • ドロシー戦記

    B-063

    ドロシー戦記  57P

    マジコ

    【吉田円】

    何を面白いと感じてもらおうとして構成しているのか伝わりずらいネームだった。設定説明も多く、簡潔でない印象。複雑な印象を与えることで面白さを半減させているように思う。

     

    【佐藤智美】

    ザ・王道☆児童向け漫画?…な作品

    遺伝子操作によって強化された「人間」を基礎(ベース)に対魔人用反物質生成装置「666」が移植された混血(ハイブリット)…人間界と魔界の秩序を守るべく「戦うためだけに」生み出された悪魔・ドロシーの物語。

    少年誌…あるいは児童誌に掲載されていそうな作品で、作者サンがそのキャラクター&世界観を愛し…とても楽しんで描いている事が伝わってくる作品だと思いました。
    漫画を描く上でとても大切ですし、大変良い事だと思います。絵柄もとても可愛らしいですね。

    その一方で、まだ作者サン自身の楽しみの方が優先されているため、残念ながら読者への配慮が少ない部分が多く見受けられます。
    例えば13Pくらいから始まる主人公へ向けた「世界観の講義」は、そのまま「読者」に対して行われたモノになるかと思いますが、主人公・ドロシーと同じく読者も「ひぃ~~…、こんなの一気に覚えきれない!!」…そんな気持ちになってしまそうです。
    できればこの作品全てを読んで「世界観は一通りわかった」くらいの作りや説明の方が親切かと思います。

    また「少年誌…あるいは児童誌に掲載されていそう」と前述しましたが、
    お話のラストは主人公が活躍し…問題解決をしっかり行った方が「王道の主人公」らしくて、どちらの読者層に対しても読みやすいように思いました。

  • コレクター

    B-064

    コレクター  32P

    ちわっす鈴木

    【吉田円】

    女性の綺麗なパーツを石膏で集めるコレクターというのは、設定的には面白いが、1話完結の中では無難にまとまってしまった印象。これからどうなって行くのかと、期待を、持たせる流れも作れたように思う。

    【佐藤智美】

    最後にもう一捻り…な作品

    「自分も何かのコレクターになりたい」…
    「簡単に手に入らずお金では買えない…みんなに羨ましがられる」そんな「自分オリジナルなコレクション」を探し求める主人公は友人の一言をきかっけに「女性の身体の一部」を石膏で固めてコレクションする「パーツコレクター」となるが…。

    面白く読む事ができました。「誰かの身体の一部をコレクションする」といった「コレクター系」の物語自体はホラー&サスペンス物ではポピュラーな題材ですし、さほど珍しいモノではないですが、わざわざ石膏で型を取る為に女性と付き合うという「面倒くさい」プロセスを挟んでいる所がとても興味深かったです。

    途中、主人公よりもインパクトの強い「使用済みコンドームをコレクション」をする女性とのやりとりまでは引き込まれて読むことができたのですが、ラストは少し予想外というか、「へー…、そうなんだぁ~」とかなり拍子抜けしてしまいました。

    この作品の主人公は「コレクション」の為なら、簡単に女性を口説いて肉体関係を持ち、別れることも平気な…パーツには愛情はあるらしいけれど、本体というか「女性」自身には特に何も感情を持たないキャラであることが話を読み進めていくうちに読者は分かってきます。
    そして後半には「パーツ」をコレクションすることよりもそもそも「誰かを愛することがない」「他人に無関心」といった「人間的感情の欠落部分」の方が「奇妙な恐ろしさ」になっているのに、作者サンはそこには一切触れることがない状態で終わっているのが勿体ないカンジがしました。

    さらに彼がそういう素質…「もともと他人に対して無関心」な人であったのか、それとも「コレクション」の所為でそうなっていったのか…
    そういう「変化」に焦点を当てるだけでも、さらに一捻りがきいた作品になるのではないでしょうか?

  • オニ×カミ

    B-065

    オニ×カミ  33P

    ありすけい

    【吉田円】

    鬼ごっこと実際の鬼を組み合わせる設定は良かった。読み切りとして綺麗にまとまっている印象。

    【佐藤智美】

    とても読みやすい…な作品

    「何かあると体が勝手によける」という特技のセイで「逃げのハヤテ」というあだ名をつけられてしまった主人公・鬼童ハヤテ。昔よく遊んだ神社の前を通る際「私と鬼ごっこしないか?」と「奇妙なモノ」に突如話しかけられて…。

    少年誌に載っていそうな作品だというのが第一印象の本作。絵柄とお話もマッチしているし、テーマも一貫しているカンジで…とても読みやすかったです。

    読み切り作品としてサラッと読めるのが魅力的…ともいえますが、「色鬼」と「赤」という単語が出てきた時点でその後の展開もかなり読めてしまうし、心に残るようなセリフやエピソードが特にないので印象に残りづらいかも…?という僅かな懸念が残ります。
    主人公でもその妹でも…また神社の神さま、鬼…どの登場人物でも構わないので誰か1人でも、ものすごく共感出来る人物像&エピソードがあると印象に残りやすいのかもしれません。

  • つくろい姫

    B-066

    つくろい姫  38P

    シロサワ サトル

    【吉田円】

    作者の中にある設定や面白さが呑み込めないまま話が進んだ印象。もう少し伝わりやすくして欲しかった。
     

    【佐藤智美】

    まだ始まっていない、プロローグ的…な作品

    呪神(のろいがみ)によって「たたりびと」にされてしまったモノたちによる闘いを描いたストーリー。

    上記の事がなんとか読み取れる…プロローグ的な作品だなぁというのが率直な感想だったりします。

    体をバラバラにされても生きている男とその男の体を修復する為だけの体になるよう「呪神」に呪いをかけられてしまった悲劇の姫君…作者サンの気に入っている設定&登場人物の説明だけでお話が終わってしまっていて「物語を読んだ」という満足感がこのままでは読者は得られないような気がしました。

    主人公たちが闘った相手である、犬が自害(?)してしまう理由が分かるよりも、呪神がいる世界観&時代背景といったモノはもちろん、どうして呪神が存在し、一体何の目的があって人間を「伴侶(セット)」にして「呪う」のか…?
    まずはそちらを優先して描いていただけると有り難いなぁ…と思いました。
     
  • イネイネ!

    B-067

    イネイネ!   4P

    はな

    【吉田円】

    もっと稲作や米の知識がネタに盛り込まれていると、稲作趣味の裸の男性を出した意味があると思う。

     

    【佐藤智美】

    もう少し読みたい…な作品

    主人公(♂)の妹がある日「好きな人ができた」と言い出した!!
    好きな相手の名前は米田 稲男(よねだ いねお)、趣味は「稲作」だという「全裸(?)」の同級生を連れてきて…。

    可愛らしい絵柄で描かれたギャグ作品。
    ボケとツッコミもうまい具合のバランスで楽しく読むことが出来ました。
    「米」に対する愛情も作品内に満ち溢れていていいですね。

    ただすんなり読めるのになんとなく違和感が…。
    恐らく妹の連れてきた好きな人が「全裸(※正確にはパンツ一丁)で米好きな変態」であるところにこの作品の面白さ…オリジナリティーがあるのにもかかわらず、ツッコミの大半が稲男のビジュアルの「全裸(パンイチ?)」部分をいじっている描写が多いので、この作品だけでしか読めないワケでもないというか、少し既視感のあるお話になってしまっている印象です。
    (そもそも「米好き」と「全裸」に関係性はあるのでしょうか?)

    なぜ「米好き」の稲男が「全裸(パンイチ)」なのか、またもう少し「全裸」以外の部分での「ボケ&ツッコミ」が観れるといいですね。

  • MONSTER PARENT

    B-068

    MONSTER PARENT   47P

    ポルカイオ

    【吉田円】

    モンスターと目の見えない子供が疑似親子になるという設定への導入がやや雑な印象だった。オチは導入部を読めば分かってしまうのだが、自己犠牲の展開を盛り込むことで、一歩踏み込んだ印象を演出できていたと思う。

    【佐藤智美】

    世界観の統一を…な作品

    「ああ…腹減ったぁ…」とつぶやきながら歩くモンスター。雨の降る夜、ある木の根元に「人間の子供」が眠っているのを発見する。モンスターにとって「人間はエサ」であり、いつも通り人間の子供を食べようとするが、「パパ」「パパ」とモンスターを呼び…普通の子供とは違った様子からその子供は目が見えないことを知る。「もっと太らせてから食べよう…」そう思ったモンスターと目の見えない少年、2人の奇妙な親子の生活が始まった。

    人間×モンスターという異種間を超えた親子愛(?)を描いた作品。ピクサー長編アニメ映画「モンスターズ・インク」の全世界的なヒットがあるように、それぞれの関係や感情の流れきちんと描ければとても読み応えのあるテーマだと思いました。

    モンスターのビジュアルも「モンスターズ・インク」のマイ◯と日本の有名マンガ「オバケのQ太◯」を彷彿とさせるような、不気味なのになんとなく憎めない可愛いカンジも良いですね(笑)

    お話の流れも少年と過ごすうちに徐々に「父性」に目覚めるモンスターと、モンスターがいるにもかかわらず目の見えない息子を森に捨ててしまう「モンスター」のような実父…どちらが子供にとって大切な存在であるかなどがわかりやすく描かれています。

    ただ作者サンが上記の構造を明白に描けば描くほど一方で、様々な疑問が浮き上がってきてしまうという難点も…。

    まず人間とモンスターの共存する世界なのはわかりますが、本作ではどういう関係性なのか…
    友好的な関係なのか、敵対しているのか…また部分的に友好であるのかがここからは全く読み取れなかったです。
    また…
    「酷い実父がどのようにその少年を育てたのだろうか…?(母親はいないのだろうか??)」
    「モンスターを倒す武器はショットガン(散弾銃)で大丈夫なのか?」
    「ショットガンで撃たれた子供は本当に助かるの?(←近距離で撃たれたら四肢がバラバラになる確率が高いのでは?)」

    さらに最大の疑問は少年がショットガンで撃たれた後、モンスター・ヘイトが自分の心臓を移植するように伝えるシーン。

    「俺の心臓を使えないか?人間とモンスターの体の構造はさほどかわらねぇし!!」

    「人間とモンスターの体の構造がほぼ一緒」という情報がそれまでになかったのでかなり唐突な印象を受けましたし、また作品自体を「ギャグ」として読めばよかったのか「感動ストーリー」系なのかもよくわからなくなり、大変困惑したというのが正直な感想です。

    中世ヨーロッパが舞台の物語で登場人物が剣や弓矢などで闘っているのに、いきなりサブマシンガンで闘い出すキャラが登場するような衝撃と言ったらいいんでしょうか…

    ストーリー漫画であれば、まずは細部であってもしっかり世界観の統一を行った方が良いように思いました。
     
  • 曉幸

    B-069

    曉幸  49P

    火車 抱

    【吉田円】

    不思議なテンポで進行して行くネームだった。ただ、最後まで読み進めて、結局何が言いたかったのか、今一つピントが絞り込めなかった。

     

    【佐藤智美】

    壮大な…な作品。

    「そんな…見えているのは俺だけなのか?」
    電車内で主人公の前に座っている「神」のような風貌の男性。彼の前に「Peace」という形に並ぶ小鳥たち、鹿まで携えているにもかかわらず周囲から全く気にもとめられないという信じられない様子から主人公はその男性を「神様だ」と確信してしまうようになるが…。

    壮大なギャグ漫画…といったらいいのでしょうか?
    非常にシュールな展開が印象的な作品でしたが、最終的にはダジャレ系というかなんというか…
    ギャグ漫画についての好き嫌いは読者の好みによる所が大きく、ものすごく個人差が出ますが、私的にはどこで笑えばいいのか…あまり良くわかりませんでした。

    上記の通り、ギャグ漫画については読者の好みによる所が大きいので、ハマる人にはものすごくハマる作品なのではないでしょうか?
     
  • 神様との付き合い方

    B-070

    神様との付き合い方   38P

    竹光

    【吉田円】

    可愛い狐の神様と宮司の息子の話が、宮司を継ぐことと神様の夫になることがセットになっている点が良かった。ただ、設定の詰め方や構成がザックリしている印象。

     

    【佐藤智美】

    もうひと盛り上がりを…な作品

    「うちの神社を継ぐ気はあるか…?」
    ある日父親から尋ねられる主人公・清澄(せいと)。
    高校生になったこともあり主人公が継ぐ気があるなら神社で祀っている「神様」にあわせるという…。

    早速会いに行くと人型+狐の耳という姿のはっきりした「神様」がいて……。

    絵柄もお話も可愛らしく読みやすい作品ですね。
    ただ主人公の父親やお狐様の言っている「家督を継ぐこと」や「結婚」がどのような程度のものであるのか、現段階ではよく分からなかったです。
    もし父親がこの神様と「結婚」したなら、主人公の母親はこの「お狐様」なのでしょうか?

    さらに疑問に思った点として、彼女が外の世界を見たり出歩くことのデメリットは一体何だったのでしょうか?
    彼女が神社の外へ出たら彼女自身の体力あるいは生命が危うくなるとか、
    また外界にとてつもない天変地異が起こるほどの悪影響を及ぼしてしまうなど理由があるならまだわかるのですが、彼女が出ても学校に強風が吹く程度ですよね?

    そのためか
    「別に閉じ込める必要もないし、可愛い神様なんだから…結婚して継げばいいのでは?」
    結局はそのようにカンジてしまいました。

    お話にメリハリをつけるためにも、もうひと工夫…出来るといいですね。

  • 寝ぐせ姫

    B-071

    寝ぐせ姫  54P

    89

    【吉田円】

    おかしな女の子と出会うという設定のショートストーリーは良くあるが、2話目以降の設定での現実の設定や主人公の親の設定などはあまり特殊にしなくても良かったように感じた。

     

    【佐藤智美】

    いろいろ詳細がわからない…な作品。

    「寝ぐせが冠の形」になってしまう女子高生・妃芽(ヒメ)の物語。
    可愛い絵柄とお話がマッチしていますね。
    画面やコマ割りなども分かりやすく、すんなり読むことができます。

    54Pの作品ということですが、実際は3話に分かれていてさらに「未完」と言う事もあり、審査する上での判断が難しいというのが正直な感想です。

    3話分を読んでも「どうして寝ぐせが冠の形になるのか」という理由は全くわからないままですし、「寝ぐせが冠の形」というワンエピソードでどこまで広げられるかが今後気になるところです。
    また2話目途中の「2つの王家」の話はかなり唐突な印象ですね。
    未完のままで応募するのであれば、今はまだ必要のないエピソードだったのかもしれません。

    すべてのお話が出来上がり、「寝ぐせの謎」と「なんか訳ありっぽい先輩」との「その後の関係」が分かるといいですね。

  • イナミ

    B-072

    イナミ   36P

    「柴原カイ」

    【吉田円】

    弥生時代を舞台にした作品だが、途中、ネームが分かり辛くなる部分があった。作品的には淡白な作りのため、ヒロインと主人公のキャラ、世界観をもう少ししっかりと作りこまないと稚拙に見えてしまう。

    【佐藤智美】

    習作的…な作品。

    弥生時代が物語の舞台。山道を通過中の貴族が山賊一味に襲われる。貴族の持ち物の中にある籠(?)を物色したところ、そこには一人の少女が隠れていた。山賊の頭に会うやいなや「一緒に国を獲らない?」とその少女は言い出して…。

    原稿の内枠を作画の基本とし、フキダシや文字も小さいため大変読みづらかったです。
    そのような理由から作者サンの描きたい事全てを把握できなかったかも…というのがまず残念でしたね。
    絵的にも、単純に誰がどこで何をしているかが分からないシーンが多い印象。
    人物の全身やバストショットも大切ですが、せめて物語のキーマンとなる主人公、山賊の頭、頭の息子の「顔のアップ」とその人物の「名前」がしっかり画面で説明されていないという現状で人間関係をすんなり把握できる読者は少ないように思います。

    全体的にまだ漫画を描き慣れておらず、「習作的」な作品なのだと思います。
    上記の点を参考にして、面白い漫画をどしどし描いていっていただけたらいいなぁ…と思います。
     
  • ペットの気持ちなどわかってたまるか

    B-073

    ペットの気持ちなどわかってたまるか  90P

    大路大三朗

    【吉田円】

    単なるペットと人間を置き換える話かと思いきや、そこから大きく話が展開していったのが良かった。かなりスケールの大きな話を1話にまとめているため、淡々と処理されている部分が散見されたのが残念。

     

    【佐藤智美】

    SFど真ん中を描き切った…な作品

    エイリアンの大規模な襲撃により、壊滅状態に陥った地球。
    地球人は拉致されエイリアンの住む星で「ペット」として飼われていたが…。

    面白かったです!
    90Pという超大作ですが、ストレスなく読み進める事が出来、またしっかり物語を描ききっている所が良いですね。
    2時間モノのSF映画を1本観終えたような…そんな読後感でした。

    作者サンの今後のご活躍が楽しみです。
     
  • ヤクガミ

    B-074

    ヤクガミ   40P

    ますだまさひろ

    【吉田円】

    神が人間と一緒に生活する世界での、神ごとの力の差を使った話だが、神ごとの力の差がそれほど生かされていなかったように思う。

     

    【佐藤智美】

    読者の視点になって…な作品

    「実は俺…神なんだ」
    神が人間に転生・顕願されていて特別な力が使えるようになった世界。
    そんな中「神」として転生した主人公だったが、実は「疫病神」で…。

    「不幸を見る力があっても見るだけで、その不幸から人を救う事ができない」…神の能力としては恐らく「最弱の疫病神」として転生してしまった主人公が、事故で死にそうになっている少年を何とかして救おうとする、とてもシンプルなストーリーを描こうとしているのだと思いますが…。
    所々よく分からない部分があったため、物語にスッと入り込む事ができませんでした。

    良く分からなかった点としては、主に下記の3点…
    ① 主人公とヒロインに名前が無い
    ② 神力テストの必要性
    ③「徳ゲージ」とは?

    ①については、作中で主人公が「◯◯」ですしヒロインも「◯◯」と表記されているので、読んでいる途中で誰が誰なのか判断が非常に難しく読みづらかったです。また名前が無い状態だと読者が各キャラクターに感情移入して読む事ができないように思います。

    ②については、主人公の能力がいかに「最弱」か?あるいは「未知数か??」と言う事を作者サンは表現したかったのだと思いますが、あまりこのお話の流れでは活かしきれて無い上、ページ数的に余分な気がしました。

    ③「徳ゲージ」については、最後に出てくるまで一度も描かれておらず、まったく唐突すぎて良くわかりませんでした。「徳ゲージ」というのは他の神には無く、主人公「のみ」についているモノなのでしょうか?そして彼はまだ「神」ではないのでしょうか?

    ②と③については微妙に連動しており、②の「神力テスト」を描きたければ③の表現をなくせばいいと思いますし、③の「徳ゲージ」を描きたければ、「神」の学校に通う生徒は皆「半人前」の神で、全てこの「徳ゲージ」を持っている。
    そして②は「神力テスト」ではなく「徳ゲージ」を貯める「課外授業」あるいは「実習」にすればいいのではないでしょうか?

    現時点でまだ作者サンはご自身が描きたい事をそのまま描いていらっしゃる印象を受けました。
    特にお話の読み方…「作中のルール」は作者サンが設定し、その説明をしっかり読者に行わないと読者を困惑させてしまうと思います。
    読者さんへの心配りを忘れない、作品作りができるといいですね。

  • おぼろげコントラストベイビー

    B-075

    おぼろげコントラストベイビー 32P

    船木仁保

    【吉田円】

    雰囲気がいいが、散りばめられた点のネタが繋がり切れていない印象。最後のオチも、翌朝と考えると強引。

     

    【佐藤智美】

    ラストにもう少し…な作品。

    漫画家のアシスタントをしているチャタロー。同棲相手のクニコから「漫画家のアシスタントはやめて定職について」と結婚を迫られる日々。そんなチャタローの出した答えは…。

    漫画家スタッフあるある…といった作品でしょうか?
    特に漫画家宅でのスタッフたちのやり取りが「あ~~…あるなぁ」と思わず頷いてしまうような描写で、他にも同棲相手・クニコやアシスタント仲間でライバル的な(?)存在・マツとのやり取りなど、日常の何気ない会話を切り取って表現するセンスが絶妙な作家サンなのだなぁ…とカンジました。

    問題はやはりラストで、チャタローの出した答えがもう少し分かりやすく描かれていると
    作品全体が「引き締まって」いいのではないでしょうか?

  • DIVINER-陰陽師-

    B-076

    DIVINER-陰陽師-   31P

    春風翔

    【吉田円】

    ネームが分かりにくかったです。展開も雑な印象です。

     

    【佐藤智美】

    資料の読み込みを…な作品

    成績優秀・頭脳明晰で非の打ち所がない主人公・カズキの唯一の悩みは「ケンカっ早い事」。
    屋上で寝転がっていると2人の男が現れ、カズキに喧嘩をしようという話を持ちかけてくるが…。

    まだ漫画を描き慣れていない方なのかなぁ~というのが第一印象の作品で、「少年ジ◯ンプ」に掲載されているような「バトルもの」を描きたいという気持ちはビシバシと伝わって来ます。
    またオリジナルの作品というよりも上記のような、すでに存在する「バトルもの」で見た事のあるシチュエーションが多く…「二次創作」的な作品だとも思いました。

    作品内で登場する安倍晴明、陰陽師、式神といった「単語」はすでに多くの漫画はもちろん小説、映画などの様々な「創作物」で登場し、認知度も高く…非常にポピュラーな「存在」ではありますが、作者サンの今の説明では不十分なように感じます。
    認知度がいくら高いといえども「陰陽師」に関しての知識には個人差がありますし、小学生くらいの子供が読んだ際「陰陽師」を知らない可能性も考えられます。
    (※「おんみょうじ」とすら読めない可能性も?)

    「陰陽師」については、既存の創作物からだけではなく、他の学術的あるいは歴史的な文献や資料にも目を通しましたか?
    「資料の読み込み」は作品を描く「第一歩」であると共に、新たな発見はもちろん表現方法にも繋がると思いますので、是非挑戦してみてくださいね。
     
  • ストロベリーフィールド

    B-077

    ストロベリーフィールド  22P

    飛蚊明日香

    【吉田円】

    冒頭、分かり辛さがあったが、雰囲気と縦軸で読み手を牽引して行く流れができていた。

     

    【佐藤智美】

    完成が楽しみ…な作品。

    父親の経営するバーで働く(?)女性・亜樹子のパンツ見たさに通う小学生2人組・夏彦と晃。
    いつもイチゴの香りのする亜樹子は「マンガのようないちごパンツを履いているらしい」という噂から毎日頼みこみ何度もスカートめくりまでするも、見せてくれた試しがない。
    しかしその日ついにスカートの中身を見てしまう、そこには…。

    面白そうな作品だと思いました。
    かなりラフなネームで正直な所、よく分からない部分もありましたが、冒頭のモノローグといちご&女性の表現がとても印象的ですし、子供×SMという組み合わせも記憶に残ります。
    子供×SMというのは一見ミスマッチなようにも思いますが、思春期入り口辺りの男の子が年上の女性に興味を持ったりまたは憧れを抱くのは非常に理解できますし、所々に垣間見える大人の性癖…しかも「SM」なんてドキドキしますよね。
    読者も子供たちの目線から楽しめるように演出されているように思います。

    ただ冒頭で「面白そう」と述べた通り、この作品は「未完」で…本当に始まったばかりの所で終わってしまっているので判断が非常に難しかったです。
    続きが気になる作品だと思いました。

  • 畜生マンション306号室!!

    B-078

    畜生マンション306号室!!   13P

    植木まみすけ

    【吉田円】

    この独特な世界観と雰囲気は、もはや好き嫌いの次元で考えるべきなように思う。個人的には「毛を売るのと肉を売るのと、どっちが身を削ってるんだろうな……?」がツボでした。

    【佐藤智美】

    キャラ&世界観が魅力的…な作品。

    夫・羊野草介(33)、妻・羊野歌(28)…
    結婚歴8年、畜舎ローン残り27年の「羊」の夫婦の何気なくも可愛らしい日常を描いた作品。

    「擬人化した」羊の夫婦の姿を描いた「日常系」漫画(?)
    なぜ羊を「擬人化した」のかはよく分かりませんが、妻の歌ちゃんが可愛いからいいかなぁ…となってしまいますね(笑)
    ちょっと不思議なキャラクターと世界観にもかかわらず、作品として成り立ってしまう所が作者サンのセンスの良さでありとても魅力的な所だと思います。
    ただ現状では各話各話が独立したお話で描かれており、特に後半の4コマ漫画パートになってからは時の流れがあまり感じられず、その先に何があるのかが見えてこない…そういう作品だとも思いました。

    国民的な日常系アニメ作品として代表的なモノに「サザエさん」や「ドラえもん」…「ちびまる子ちゃん」などが挙げられると思いますが、
    これらの作品には主に「キャラが年をとらない」「日常系」「季節感がある」といった共通性があるかと思います。
    最後の「季節感」は、各話のテーマがバラバラな「日常系」の作品をつなぐ唯一の「線」であり、本当は皆「年もとらずそのままなのに」なんとなく「時の流れ」を読者に感じさせてしまう…つまり「飽きさせないため」の工夫の一つなのだと思います。

    作者サンの表現したいことや主義もあると思いますが、上記の「時の流れ」のような作品をつなぐ「一本線」がある方が読者にとって読みやすいのでは?
    …とも個人的には思いました。
     
  • 恋愛ダイエット

    B-079

    恋愛ダイエット   16P

    お子様ランチ

    【吉田円】

    姉妹の百合ものっぽい内容ですが、性描写的なものを感じさせる演出は、少しあざとく感じた。

    【佐藤智美】

    同人誌的…?な作品。

    仲良し…というか、仲が良すぎる姉妹のダイエットをめぐる物語。
    姉妹の百合(ゆり)モノの作品ですね。
    お話の冒頭部分からは想像できなかった展開なので、個人的には「そういうジャンルの話なんだ」と少しビックリしてしまいました。

    同人誌的というか、こういうテイストが好きな人には堪らないお話なのかなぁ…と思いました。

  • 絶望のレシピ

    B-080

    絶望のレシピ  75P

    池上トーヨー

    【吉田円】

    ラストまで読んでようやく本題に入ってきた印象。ホラーやサスペンスな作りなのに、主人公は安全な所にいて、第3者のエピソードを紡いでいっているような作りになっているので、緊張感は弱い。
     

    【佐藤智美】

    「~すぎる」…な作品

    ホラーゲームのシナリオライターの主人公・黒瀬は雑誌から執筆の依頼を受けたことをきっかけに「蜂之守町」を訪れる。「蜂之守町」は主人公が幼い頃に住んでいたことがあり、その頃から不思議なことが絶えないという噂の街だった。
    作品の為に「蜂之守町」に引っ越した黒瀬の周辺では次々と不思議なことが起こり出す…。

    絵柄はとてもしっかりしているし…ホラー向きだなぁと思いました。
    不気味な雰囲気もちゃんと醸していますし、何より女性が美人に描けるのはホラーにとって「強力な武器」だと思います。

    ただこの作品は「作り方」…特に「構成」にいろいろ問題があるように思います。
    「読み切り作品」としては「長すぎる」し、「連載作品」としては「中途半端すぎる」ので、これだけでは判断することが難しい…というのが、今現在の正直な感想です。

    おそらく作者サンは「読み切り」としてこの作品を描こうとは考えていらっしゃらないと思います。
    では「連載作品」としてはどうなのか…そう考えた場合でも、今の第1話では構成的にかなりわかりづらく、損をしていると思います。

    連載第1回目というよりも「人物紹介の回」といったらいいのでしょうか…
    とにかく「蜂之守町」の「説明と人物紹介」でページ数を「使いすぎ」ており、「本編」である町の「不気味さ」や「不思議な出来事」についてはあまり触れられていないように思います。

    まずは「読み切り」か「連載作品」か…どちらで描くかを作者サン自身で決定し、「本編」である「町の不思議な出来事」を中心に描くことを考えて再構成をしてみると良いのではないでしょうか?
     
  • 野村とゴロー

    B-081

    野村とゴロー   13P

    雪町子

    【吉田円】

    読み方が分かれる作品だと思うが、私は絵の雰囲気から見ても、猫が死んでしまってからの欝な展開はあまり必要ないように思います。むしろ、隣の女性と仲が良くなって…という流れは猫がいても面白く出来るように思います。

     

    【佐藤智美】

    絵柄と雰囲気が…な作品

    仕事が出来て完璧な会社員・野村と飼い猫・ゴローの日常を描いた作品。
    絵柄と4コマ漫画形式の相乗効果で、雰囲気がとてもイイ作品ですね。

    技術的な所でいいますと、主人公の住むアパートの隣人と主人公が行ったキャバクラで働くキャバ嬢が「同一人物」であることが一瞬読んでわからなかったり、またコマが飛びすぎていて情報が足りていない部分も所々見受けられましたが、飼い猫の死を起点とした「人物の心情の変化」がしっかり丁寧に描けている所が非常に良かったと思います。

    猫好きの方で読んで涙しない方はいない…そんな作品なのではないでしょうか。

  • ゴールデンファイヤー

    B-082

    ゴールデンファイヤー  24P

    マザコンパパ

    (※作品は閲覧はできません)

    【吉田円】

    冒頭は面白く読んでいたのですが、途中から行きすぎな感じが…。


    【佐藤智美】

    読みやすい…な作品。

    「一攫千金」の夢を叶えた女友だち同士の姿を「コミカル」且つ「残酷に」描いていて、読みやすい作品でした。


     
  • 心救師ロココ

    B-083

    心救師ロココ  21P

    手袋

    【吉田円】

    コメディー漫画としてのテンポとキャラ作りは出来ていると思います。ただ、既視感が強いネタ回しでした。

     

    【佐藤智美】

    ドタバタなラブコメ…な作品。

    愛が足りず荒みきった人間界を変えるべく、天界から遣わされた心救師・ロココ。
    クラスのアイドルに告りたくても告れない…恋に悩める男子学生・左右田の為に奔走するが…。

    絵柄も可愛らしいしテンポも良く、手を止める所も特になくサクサク読み進めることができる作品だと思いました。
    「心救」と「鍼灸」がかかっている、…「心救師ロココ」を活き活きと描いていますね。
    ただ全体的に終始軽いノリの「ボケ&ツッコミ」の繰り返しでページが進んでいってしまう為、「アレ?気がついたら終わってた??…で、結局この話は何が言いたかったんだっけ?」という感想だけが残ってしまう印象です。

    「愛が足りない」ハズの人間界で好きな子に告ろうとしている…というか、すでに「愛はある(?)」男子学生の手助けを何故ロココがしようと思ったのか良くわかりませんし、またロココが助けようと思った相手も結局は自力で問題を乗り越えてしまいます。
    この作品のラストで「あれ?ということは…わたくしお呼びでなかった?」と作者サンがロココに言わせているような感想を読者が抱いてしまっても無理はないように思ってしまいます。

    上記の「お呼びでなかった?」をロココ本人ではなく男子学生の方に言わせるか、
    また男子学生が自力でなんとかしようと腹をくくる「きっかけ」をロココがつくるシーンをきちんと入れるなどした方がイイような気がしました。

    読みやすさも大切ですが、読者が「じっくり読みたい」と思わず手を止めてしまう…
    緩急のあるシーンも大切なのではないでしょうか?
     
  • カキの選択

    B-084

    カキの選択   24P

    桜真澄

    【吉田円】

    アスペルガー症候群というテーマを扱っているため、社会性を出そうとしているネームだが、雇用問題に関しての部分は、今の出し方としては蛇足だったように思う。

     

    【佐藤智美】

    展開が少し早め…な作品

    舞台はゲーム会社。主人公・福岡(♀)は新入社員・田中(♂)の事を仕事が早くて正確だが、コミュニケーションが取りにくいと内心では思っている。
    実は田中は軽度の「アスペルガー症候群」であると診断されていて……。


    「アスペルガー症候群が一体どういう障害であるのか」が、とてもわかりやすく描かれている作品だと思いました。
    またこの作品を通じて「アスペルガー症候群」について少しでも知識を得る事で、そういう障害を持った人とどのように付き合っていけばいいのかを考えるきっかけになるとも思います。
    上記のような事を目的とした「障害を周知してもらう為の告知用漫画」あるいは「医療系の広報系漫画」として読めばある基準以上、大変模範的な作品だと思いますが、単純に「ストーリー漫画」として読んだ際には少し物足りなさを感じます。

    上記の理由としては作者サンの身を置かれている立場は「中立」ではなく、どちらかというと「障害」を持つ人側…その関係者側の視点で作品を描いているからだと思います。

    作中で「アスペルガー症候群」に対し明らかに偏見を抱いて差別的な反応を見せる人物は、田中を「飲み会に誘わない」と言った同僚だけで、基本的に他の登場人物は障害を持つ田中の「良き理解者」または「良き理解者であろう」という人ばかりで、少し極端すぎる気がしました。
    「アスペルガー症候群」の事を知らない人に興味を持って欲しいならば、「障害」に対してほとんど知識のない…むしろ偏見を持つ人の事もしっかり描くべきだと思います。

    特に冒頭、福岡がブレスレットを外すあたりの表現が特徴的で、非常に展開が早いように感じました。
    別にブレスレットをする事は女性社員であればおしゃれの範囲内としてある程度許される行為にもかかわらず、同僚が嫌いだからという理由で外さなければならなくなったら、まだこの時点で彼の障害についての知識のない彼女であれば、少しぐらい「不満」に思ったり「不服そうに振る舞う」くらいが「普通」なハズ…。

    そんな彼女を見た社長が「申し訳ないけど、外してやってくれないか?実は彼そういう音が苦手でね」とこっそり耳打ちするくらいの方が「実際にありそうなカンジ」な気がします。

    どんな善良な人であっても「知識」がなければ「差別」してしまうこともありますし、また誰もが多少なりとも「偏見」は持っているハズです。
    読者の多くはおそらく「福岡」という女性キャラに感情移入して読み進める作品だと思うので、彼女にもフツーの人が持つくらいの障害への「偏見」は持っていてくれた方が読みやすい気がしました。

    彼女の「偏見」をなくしていく事が、最終的に読者の偏見をなくす事に繋がるわけですからね。

    「障害」といったテーマに挑戦するのは非常に勇気や配慮が必要だと思いますが、大切なことだと思います。
    あまり人が興味を示さないようなことを知る「入り口」として「漫画表現」は非常に適していると個人的には思っていますので、どんどんチャレンジして欲しいと思いました!